第207回世日クラブ講演会(オンライン)が開催されました | 世日クラブじょーほー局

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【世日クラブオンライン講演会】台湾守るには国家承認を

エルドリッヂ研究所代表 エルドリッヂ氏が講演

 

(講演するエルドリッヂ氏)

 

 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良)の定期講演会が29日、動画サイト「ユーチューブ」の配信を通じて行われ、元在沖海兵隊太平洋基地政務外交次長でエルドリッヂ研究所代表のロバート・D・エルドリッヂ氏が「台湾を守れなくなった日米同盟」と題して講演。「台湾を守るには日米など世界各国が台湾を国家承認することが重要」で、これが「中国に対しての大きな抑止力になる」と述べた。

 エルドリッヂ氏は、中国の軍拡を許した背景として、「日米同盟が深化しておらず、両政府が中国の動きを見誤った」と指摘。台湾有事を想定した新しい日米同盟のガイドラインの必要性を訴えた。「台湾の人々は米国と同程度かそれ以上に日本を信頼しているが、日本政府はこれに応えられるのか」と疑問視した。

 「中国が台湾を取りに行く合理的理由がある」。エルドリッヂ氏はこう述べ、第1列島線の中心にある台湾を奪って台湾に人民解放軍を展開し、太平洋の西半分を支配するシナリオを防ぐためにも、日本政府は堂々と尖閣諸島(沖縄県石垣市)を実効支配していることを示すべきだとの持論を展開した。

 講演に先立ち、世日クラブの近藤会長は「台湾有事は日本有事」という安倍晋三元首相の言葉を引用した上で、中国の習近平国家主席が昨年の共産党大会で「母国の再統一は実現しなければならない」「武力行使を決して放棄しない」と発言したことに危機感を示し、「国会議員をはじめ、国民の危機感が希薄なことが一番の問題だ」と苦言を呈した。

(世界日報4月30日付1面より転載)