中島みゆき「糸」の深淵 | 世日クラブじょーほー局

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月刊WiLL (ウィル) 2021年 08月号 [雑誌]

 

 月刊WiLL8月号に、新田均皇學館大学教授が「曽根香奈子『皇室論』に脱帽」というタイトルで寄稿している。曽根香奈子氏は、日本青年会議所監事の肩書で、安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議のヒアリング(6月7日)に招かれ、持論を披露した。

 

 曽根氏はその中で、中島みゆきの「糸」を引き合いに出し、「男性(あなた)が『縦』糸、女性(わたし)が『横』糸に譬えられている。男性は布を布として成り立たせている縦糸。女性は布に美しい模様を与える横糸。男系の一貫性と、女性の多様性によって、皇室の伝統と文化が織りなされてきたのではないか」と述べたそう。
 

 中島みゆきがどういう心境でこの歌詞を書いたかわからない。彼女がゴリゴリのコンサバ女子(といってももう70歳)とは聞いたことがなく、興味深いのだが、ま、降りてきたのだろう。ともかくも奥深い歌詞である。

 

 当方がもう一か所好きなフレーズは1番の最後「暖めうるかもしれない」、2番の最後「傷をかばうかもしれない」。「だろう」でも「はずだ」でもなく、「かもしれない」と結ぶ奥ゆかしさ。昨年、同名タイトルで菅田将暉主演の映画も公開されたが、それはそれとして、今、日本人に必要なすべてを教えてくれている楽曲であると思うし、これを引いて男系男子維持、旧宮家の皇籍復帰を支持した曽根氏にも敬意を表したい。