「2019.1.31 雨宮副総裁の金懇挨拶は朗読の域を出ない件」 | 素人日銀ウオッチャーの日銀考

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日銀の金融政策について日々感じたこと・考えたこと(実態はツッコミ)を、マーケット関係者・エコノミスト・経済学者でない素人の立場で綴っていきます。メインメニューは金融政策決定会合議事要旨や政策委員の講演・記者会見テキストの鑑賞およびそれに対するツッコミです。

今回は雨宮副総裁の金懇挨拶を取り上げます。

 

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2019/data/ko190131a1.pdf

 

最初にお断りしますが、特筆すべき部分もありませんので、いきなり4.日本銀行の金融政策運営 のパート(6~8ページ)を取り上げます。

 

『続いて、日本銀行の金融政策運営についてご説明します。これまで述べてきたとおり、景気の拡大に比べて物価は弱めの動きを続けており、予想物価上昇率の高まりにも想定以上の時間を要しています。長期にわたる低成長やデフレのもとで形成された人々の物価観が変わっていくには、それなりの時間が必要なのだと実感しています。しかも、これまで以上に、金融緩和に伴う副作用の蓄積にも留意しなければならない状況です。こうした金融経済情勢のもとで、「物価安定の目標」を実現していくには、現在の強力な金融緩和を粘り強く続け、物価上昇の原動力であるプラスの需給ギャップをできるだけ長く持続させることが大事であると考えています。』

 

つまり「物価が実際に上がる」ことよりも「物価が上がるための環境が整っている」ことに力点を置いているわけでして、物価が上がってこないことについては政策の持続性を担保するためには目をつぶらざるを得ないということだと思います。

 

『7月の政策決定から半年が経過し、副作用の軽減という所期の効果が実現しているとともに、金融市場の安定化にも一定の効果を発揮していることが確認できています。』

 

なかなかの自画自賛ぶり。

 

『フォワードガイダンスの導入以前、市場参加者の間では、「日本銀行が、近い将来、政策金利を引き上げるのではないか」との見方も少なくなく、これが市場の不安定化に繋がることもありました。7月以降、そうした見方は急速に減少しており、強力な金融緩和を継続するという日本銀行の方針は、一段と浸透してきています。』

 

浸透とは言わないと思いますが、少なくとも結果的には去年7月の微修正が悪い方には転んでないということでしょうね。

 

『ETFの買入れについては、昨年8月の買入れペースは、年率換算で約2兆円でしたが、市場が大きく変動した10月や12月は、年率10兆円程度のハイペースとなりました。こうしたメリハリのある柔軟な買入れは、この間の市場の不安定な動きを緩和する効果があったと考えています。』

 

たぶんない。

 

『なお、強力な金融緩和がもたらす影響という点では、金融機関の収益や金融仲介機能との関係がよく議論になります。日本銀行も、低金利環境や金融機関間の厳しい競争環境が続くもとで、金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうリスクや金融システムが不安定化するリスクがあることは、十分認識しています。現時点では、金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどから、こうしたリスクは大きくないと判断していますが、今後とも、考査やモニタリングなどを通じて、最新の状況把握に努めるとともに、必要に応じ金融機関に具体的な対応を促していく方針です。』

 

この辺の話も必ず乗っかってきますが、「まあ一応入れました」というだけに過ぎず、特に意味はないでしょう。

 

以上雨宮副総裁の金懇挨拶を鑑賞しました。