需用と供給
茨城空港の開設に伴って現在、巷で湧き出る議論は
『東京への鉄道路線が充実している為、地元空港よりも成田や羽田の空港を利用する』
といった物や
『近隣空港と比べた各航空会社による定期便数の違い』
などネガティブな話が多く、路線維持の不安を口にする方が多いようです。
そもそもが
『自民党政治による負の遺産で無駄な空港開設だった』
との身も蓋もない話も聞かれます。
需用の見込みが薄いのに無駄な空港を開設しているとの論調が圧倒的だということです。
多分この結論は正しいのでしょう。
けれども今回の空港開設に向けての経緯や思惑は一旦、横において考えるとすれば結構物事が起こり、活性化して成熟して行くプロセスには
『需用がある → 需要に向けて事が起こる』
だけでは無くて
『物事が起こる → 需用が生まれる』
と言う両側面があるのではないかと思います。
もちろん前者は固く、後者はギャンブル的要素がありますから公の資金や労力を賭しておこなう事には後者の理論は向かないと言えますが、既に出来てしまった物に対しては後者の理論で活性化させることが必要かと感じます。
広告宣伝という仕事をしていると、イベントや新商品開発といった起爆剤を軸にして多くの需用を産むムーブメント作りが必要だと考えてしまいます。
ですから、既に出来てしまった空港について後ろ向きな論理を展開するよりも、前向きに空港が出来たことで生まれる様々な需要を生かして、地域の活性化を考えて行くことが重要だと感じてしまいます。
ただそんな私も、何でも結果主義で考えるべきだとは思っていません。
空港開設に向けた動きが始まった時点では
『需用がある → 需要に向けて事が起こる』
を軸にして考えるべきだと思っています。
無理な計画は上手く行くはずがありません。
何せ空港を作る訳ですから随分と前に需用と供給の予測による採算性や活性化による地域の利便性向上の具体例が、議論されてきたはずです。
けれども、ニュースその他で一般的に報道されることはあまり無くて、いざ開設となったとたんに大騒ぎしているように感じます。
そういう意味では現在議論される危ぐが正しければ、空港開設に向けて動いていた人達の読みの甘さは非難されてしかるべきですが、その部分の議論が開設前に公で話題にならなかったことに、きな臭さを感じます。
やったもん(作ったもん)勝ち的な流れに向けて一気に突っ走ったのでは?
※私が無知なだけで、計画から開設までの間に喧々諤々の議論が公でされていて気付かなかっただけなのでしょうか・・
結果的に、ことが起こる前にすべき議論
(需用がある → 需要に向けて事が起こる)
と、
ことが起きてからの議論
(物事が起こる → 需用が生まれる)
では、おのずとその趣旨も変えて行かなければならないはずなのに、ごっちゃになった議論がされているように感じるのですが・・・
『茨城空港の開設に伴い議論される内容』
に対する素朴な感想でした。