落下 | 充溢のムジントウ

充溢のムジントウ

じゆうきまま 
かぜのふくまま

無が続くよ
共に歩いた道の上
言葉は次第に削がれて
大切な台詞から失っていく

次の一歩でその道は
バラバラになるかもしれないよ
感情は敏感さを忘れて
ただただ
当たり前の日々に怠惰

見えなくなった姿に
重ね合わせる稚拙なロマンス
ページをめくるごとに光輝いて
シミひとつ消え失せる

そうして本来の貴方は落下する
幻想だけが浮かび上がって
幽霊のように漂い歩く

それを幸せと呼ぶ人もいる
月明かりに太陽を想い
真っ青な空に星をちりばめて
地下を見ないままで
ため息ばかりついている