一枚の真っ白な紙があります。



絶対に汚してはならない

綺麗に保たなければならない

端が少しも破けてはならない

少しのシワもついてはダメ

日焼けもしちゃだめ

経年劣化の黄ばみもNG


こんながんじがらめのルールの元に

白い紙を80年近く保存しなさい。

しかも、その白い紙はビニールに入れる事も、真空パックする事も出来ず

子供の頃から毎日持ち歩かなければなりません。



さて、これは現実的に可能なミッションでしょうか??







はい。



皆さんもお察しの通り

限りなく「不可能」に近い事ですね。



白い紙


とは

私たちの人生そのものを比喩したものです。



一切の苦しみも困難も無く

傷付き体験も無く

恥を知る事も無く

孤独も知らず

ストレス無く暮らしていく事は不可能に近い事なのです。



不安障害

強迫性障害

潔癖

うつ病


これら精神疾患を抱える方、抱えやすい方は

「白い紙を汚してはならない」と、必死に生きているようなものなのです。




もしも

その白い紙に「ひとつの黒い点」がついた時


「あーあ、もう終わりだ」

「この紙は真っ白ではなくなっちゃったから価値はない」

「黒い染みがついた紙になっちゃった」

と悲観するとしたら…



今日、仕事で嫌な事があったから今日一日は最悪な日だ


今日、スーパーで嫌な接客をされた。最悪な1日だ。



このように、ひとつの黒い染み(嫌な出来事)にその日1日が染められたような錯覚に陥るでしょう。



これが大きくなると

「私は失敗した。嫌な思いをした。だから最悪な人生だ。」と、人生まで「染みのついた人生」となり、そこに浸ることになるでしょう。



うつになりやすい捉え方をする方は、上記のような極端な捉え方をします。


何故なのか?


過去に辛い事があり、打ちのめされた時「もうどうでもいいや」と頑張る事をやめたかもしれない


安心出来る場所などどこにも無く、いつも宙ぶらりんな不安定な世界を生きてきたかもしれない


いつも自分を受け入れ、気持ちを分かってくれたと思える人がおらず、怯えながら暮らしてきたかもしれない



だから、もう自分を責めないで。



過去についた染みは

確かに「黒」なのかもしれないけれど

その上から、色とりどりのカラーで埋めていけば良いのです。



1人で抱え込まずに

人に甘える事を覚えよう。


甘えるっていうのは、

「怖かった〜」って弱音を吐き出したり

「これ、面白かった!」「こんなことが出来た!」とポジティブな気持ちを共感してもらったり

それを繰り返す事。



安全な場所で適切に甘える事を繰り返して、

何度もそこに戻りながら進んでいけばいいのです。


人との関係性の中で、居場所を見つけながら

少しずつ少しずつ進めばいいのです。



辛い事ひとつあったからといって

あなたの人生丸ごと辛い人生という事ではないのだから。





ひとつの嫌な出来事で、その日一日、人生までも嫌なものに思えてしまう方へ

今日の記事にピッタリな曲があるのでお時間がある方はお聴き下さい。