変わりたい!と望みカウンセリングを開始したのに防衛姿勢が強く、なかなか本来の自分を見せる事が出来ないクライアントもいます。
 
 
人の顔色を伺う癖がある方は、カウンセラーにさえ遠慮して「言いたい事を呑み込む」「誤魔化す」事をしたりします。
 
 
カウンセラーは「今、何かを呑み込んだな」「言いたい事があるけど隠している」という所までは読めても、具体的に何を呑み込んだのか等の心の中までは透視出来ません。
 
 
このままでは思うようにカウンセリングが進まない事や、クライアントの変容に時間がかかる事は分かっていますが、根気よく「無条件の肯定的な態度」で向き合っていくしかありません。
 
 
クライアントによっては「今、何かを呑み込んだように見えますが…」とストレートに伝えたり、
必死に泣くのを堪えているように見えたら「泣く事を我慢しなくていいですよ。」と伝えたり、
「最初は緊張しているように見えましたが、今はいかがですか」「課題をこなすのは難しそうですか?」などと問い掛け、フィードバックを貰うことも多いです。
※私は、あえて「フィードバックを貰う」という手法を使う事が多いです。
 
 
しかし、問い掛けるとかえって防衛が強まるクライアントの場合は更に慎重に向き合っていきます。
 
 
先日カウンセリングしたクライアントは、毎回何かを
言いたげで不安そうな表情をしていました。
 
私が受容的にオープンクエスションで問い掛けても、何かを呑み込み、「…大丈夫です。何も無いです」という無難な返答をするのです。
 
 
しかし、これまで必死に隠してきたであろう「生きづらさ」について核心を突く働き掛けをした後、クライアントは泣き出しました。
 
ずっと背伸びをして隠してきた、自分でもおかしいと思っていたけど認めたくなかった、と打ち明けてくれたのです。
 
 
そこからは押し寄せる波のように、クライアントの心の奥からの本心や感情が涙と共に溢れ出し、カウンセリングの終了間際には収束(落ち着いて)していきました。
 
その時の表情や言葉には嘘も防衛も無い、素のクライアントの姿が在ったのです。
 
 
「本当のあなたに、ようやく触れる事が出来て嬉しいです」と私が伝えた時のクライアントの笑顔が忘れられません。
 
 
 
カウンセリングとは特殊な空間であり、特殊な体験をする場所です。
 
 
本当の自己に出逢う(触れる)場所であり、カウンセラーの心とクライアントの心が触れ合って開かれる場所でもあるのです。
 

 

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