5月27日新宿ロフトトークイベント
赤坂真理(作家)×上祐史浩
「家族では足りない時代の新しい生き方」
家族や会社のコミュニティが崩壊し、
第3のコミュニティとして機能してきた宗教も急速に衰える中で、
今や単身者が4割近く、人付き合い無しの人が15%、
退職後は友達がいない男たち、自殺2万人以上、孤独死3万人以上、
コミュニティ崩壊に追い打ちの新型コロナ。
そんな孤独の時代に、人はどう生きるのか?
定年後も仕事を続ける?同じ趣味の人の輪に入る?通うスナックもコミュニティ?
ネットは十分なコミュニティになるのか。コミュニティを装う詐欺・洗脳の落とし穴は?
それともネットがあれば一人で生きられるのか?
さもなければ、いかなるコミュニティの形成が今後は可能なのか?理想なのか?
若き日の家族を捨て走ったオウム真理教のコミュニティが崩壊し、
アレフ(旧オウム)を脱会した後のひかりの輪とは何か、
どんなコミュニティなのか、そして今後は何を目指すのか?
OPEN 17:30 /START 18:00 〜19:50 終了
来場参加とネット配信の双方あり
会場予約:¥2,000(別途ドリンク代600円以上)
※ネット配信のお申込み方法
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/177763
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/177763
※状況次第では無観客に変更になる場合も。
出演
赤坂真理(作家、『東京プリズン』など)
上祐史浩(ひかりの輪代表・元オウム真理教幹部)
《赤坂真理profile》
近著に『愛と性と存在のはなし』(NHK出版新書)。東京生まれ。高円寺育ち。少しアメリカ育ち。90年に別件で行ったアルバイト面接で、アート誌『SALE2』の編集長に任命される。同誌に寄せた小説が文芸編集者の目に留まり、95年に「起爆者」で小説家デビュー。代表作に、寺島しのぶと大森南朋主演で映画化もされた『ヴァイブレータ』、『ミューズ』(野間文芸新人賞)、アメリカで昭和天皇の戦争責任を問われ惑う少女を通してこの国の戦後を描いた『東京プリズン』(毎日新聞文化賞、司馬遼太郎賞、紫式部賞)が大きな反響を呼び、戦後論の先駆けとなった。大きな物語と個人的な物語は関連するという直感を持ち、社会と個人を結ぶ、批評と物語の中間的作品にも情熱を持つ。そうした作品に『モテたい理由』『愛と暴力の戦後とその後』など。本作もそうした系譜の作品のひとつであるといえる。法政大学客員教授。
赤坂真理さんからのメッセージ
「ひかりの輪」は、わたしが対話を続けている人たちで、オウム真理教から離れてオウムの贖罪をしながら、ヨガや呼吸法やふるい聖地巡礼といった、よく生きるための技術を探求し分かち合うことを仕事としている。
オウム真理教は、もう終わったこととされているが「終わったことにしたこと」がいちばんこわい。
今、たった独りで、もっと簡単な方法で、オウムが殺した総数よりも多くいっぺんに殺傷する人がたくさん出ているのを、どう説明したらいいというのだろう?
誰にでも罪を犯す可能性はある。
人間は基本的に感情や思考の暴走を自分では止められない。そうである限り、誰にでも人を殺してしまうほどの潜在力はある。縁がないから誰も殺さないだけで縁をもよおせば何人でも殺すことができる、と言ったのは親鸞聖人だ。
また、他者に支配されてしまうことは、誰にでも一度は二度はある。それが悪いとは言わない。
ある意味人間の野放しの自然である。ただ、そこに理由はあるから、考えよう。それが人間としてのまっとうな態度だと思う。
ひかりの輪を、別の見方をすると「あるとき信じた価値をすべて失った人たち」ということもできる。「悪いことを信じたから悪い」というのではない。誰にでもそれはありうるのだ。 どうして最初から悪いとわかる?
そしてそこからも人は生きていく。どう生きていけるのかは、本当に極限状態まで行った人だけが知る。そういう人だけが、命をかけて探す。その知恵が、今、混迷の時代を生きるのに、助けになると思った。
明日もあると思ったものはなくなり、今日さえ見えなくなる。
今日をやりすごせなくて、死ぬしかないと思ったりする。 独りきりで、誰もいないと思ったりする。
外とのつながりが持ちにくいとき、「家族」というのが、必ずしも、安全でないかもしれない。 その例はすでに噴出している。
だから、別の生き方を命がけで探してきた人に、話をきいてみたい。それは多くの人の助けになるはずだ。 そういう直観がある。
《上祐 史浩profile》
仏教思想や心理学などを学ぶ思想哲学の学習教室「ひかりの輪」代表。
1962年、福岡県出身。早大大学院理工学研究科修士課程(人工知能を研究)を修了後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入団するも、まもなく退職し、オウム真理教に出家。弟子の最高位の正大師に昇格し、ダライラマ等の海外の著名な宗教者とも繰り返し面会。地下鉄サリン事件発生時にはモスクワに滞在、事件後に帰国し、教団のスポークスマンとなる。偽証罪で逮捕され、出所後「アレフ」代表となるが、麻原・オウム信仰から脱却し、2007年に脱会し、「ひかりの輪」を設立、代表に就任。
『オウム事件17年目の告白』(扶桑社)、鼎談『終わらないオウム』(鹿砦社)、田原総一郎氏との対談『危険な宗教の見分け方』(ポプラ社) など著書多数。