○ 秋空の晴天に羽ばたく みずみずしいくずの葉

 

生体の流れ(三)

◇入 院

CTでは病状は確認できなかったが、MRI画像を見ると脳幹をかすめて小脳の一部が白くなっている。小脳脳梗塞の説明を医師から告げられ、車いすで307号室に移動、パジャマに着替えベッドへ横たわり観念する。

予告なしで急きょご迷惑をかける必要最小限の方にご報告し、一旦娑婆世界をリセット、そして心霊の携帯は丁重に家内にお願いして対応してもらうことにした。事象の全てが必然、治療に専念する事が大切と心得る。

命にかかわる分野、一刻を争う処置とはいえ、これほどスピーデーで整然とした動きに、改めて医療現場の厳しさと進展の目覚ましさに驚く。

入院翌日から飲み薬は毎朝 血圧の薬、血液がさらさらにする薬と胃薬、

そして発症から2週間は急性期治療として、4種類の点滴注射、高圧酸素(2気圧~)を1回90分、カプセルに入って10回の治療を受ける。

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僕の一番の不具合は左足の平衡感覚がよく取れないため、歩くと左側に自然と偏って行く。従って片足立ちのバランスは非常に難しくリハビリテーションは難儀する。

しかしこれを克服なければ一般的な社会復帰に難しいのだろう。

自分の今ある生体をよく知り、無理をせず気長に取り組まないと取り返しがつかなくなる。性格をよく知っている娘の強い忠告が身に沁みる。

ところで今回悩まされたのは「しゃっくり」、出始めるとなかなか止まらない。

特に夜中は「しゃっくり」と「睡魔」それに点滴による「トイレの頻度」で疲れ、そして日中高圧酸素時のカプセルもほとんど「しゃっくり」だった。

はた目からはあまり気にならないのかもしれないが、当事者にとっては一週間も続き尋常ではなかった、「しゃっくり停止」の探索を始めた。

ツムラ16の「半夏厚朴湯」が浮かび上がった、ほぼ同時に家内が看護師から昔から「柿のヘタ」を煎じて飲めば効くと教わり、漢方薬局に行って処方を聞き煎じて持ってきた。薬効は2日目当たりから現れ「しゃっくり」は止まった。

薬効はいずれかわからない、ツムラの「半夏厚朴湯」をやめた後「しゃがれ声」になってきたのに気が付く。

リハビリ室には軽重様々な症状の患者さんが、それぞれの指導員の元で指導を受けている。失礼ながら見るに忍びない状景に、今ある自分の幸(さいわい)に強く思う。                                                                    

“大難は小難に”

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 2週間の「急性期」集中治療により症状の悪化を食い止め生体改善が施された。MRI画像で治療の改善度合いが確認され梗塞は若干薄らいでいた。

医師面談で「回復期」の早期治療、いわゆる脳神経系の疾患により麻痺した生体機能を回復するにはリハビリテーションしかない事を諭される。

自宅からも近く同法人病院でもある、仙台リハビリテーション病院を希望し、発症23日目の9月20日(大安)に転院が決まった。