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○ 新寺小路と清水小路の合流でランナーをとらえる。



          年 の 瀬


Ⅳ術後(2)

◇個室から


耐え難い一夜が明けた朝、担当看護師さんがマッサージ機と酸素マスクを外す。N先生が看護師さんを同行し、術部の手当てにやって来た。痛みも何もなく気にしていなかったが取り替えた分厚いガーゼは血で染まっていた。6か所の傷穴は小カットバンのようなので塞がれ目立たない。〈 風呂入れますよ 〉《 ありがとうございます 》風呂好きの僕にとってありがたい。《 むっ いたい 》尿管が抜かれ、「おしっこ」は自前処理へ、早速「おしっこ」に行きたくなる。左腕は使えない、右腕には点滴針がつながって可動域が狭い、「おしっこ」が出そうだ、取りあえず点滴キャリアを転がしトイレへ間に合った。《 むっ いた いた いたい 》止めるが漏らしてしまう。恥を忍んで看護師さんへ〈 すみません 〉。体が重苦しく“うずき”何とも辛い、眠ろうとしても眠れない。深い呼吸を繰り返し眠るが、瞬く間に目が覚める。繰り返し繰り返し繰り返す。個室で昼食を終え、点滴キャリアを転がしベースキャンプ4床室へ戻る。体の重苦しい“うずき”は、これでもかこれでもかと追い打ちをかけ眠らしてくれない。
◇神意
僕にはこの事の与える試練に、重大な意味がある事を知っている。それは“人生最後の挑戦”等ときれい事を言って、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を、お前はこの何十年もの間を飽きもせず繰り返し生きてきたであろう。いわゆるこの件に関しては負け犬じゃよ、ただ何回も諦めずに挑戦する気構えは称賛してあげよう。体に切り刻まないとお前の“決意”は信用できない。

◇養生

「おしっこ」は水を多く飲んで多く出すんですよ、いわば逆療法的に聞こえた、痛みも3日ほどで取れた。 “生命とは動的平衡の流れ”そのもの、これが生体の自然治癒力に他ならない。体の重苦しい“うずき”は術後1週間ほど続き薄れてきた、時同じくして「リハビリ」も午前、午後と2回始まった。それに併せて僕は「自転車こぎ」を入れさせてもらった。午後の「リハビリ」後の「自転車」で汗を流し入る風呂はうれしい。そして数十年来の鍛えた足腰は僕の宝であり全ての基礎にしていきたい。


◇下界
四方ビルが林立する下界の師走、あわただしく行きかう車に道路は交通規制で動いている。街路樹は葉が落ち見る影もないが、小さなつぼみが春に向けて休眠している。今日は仙台女子駅伝、走者が松島をスタートし新寺小路から清水小路に抜ける本の小区間を談話室から見ることができた。


                         ‹Ⅴへ続く›