
○ 庭の山吹の葉、花は終えても次に向かって輝いている。
道中(ひとこま)
週末、技術開発会議出席のため上京する。
仙台駅を発ち、十一時過ぎ新幹線東京駅に到着し山手線に乗り換える。
山手線東京駅ホームへ列車が入線してきた。
◇
ホームには二人の駅員が、
車椅子に座った老婦人と付添の老婦人を連れ立っている。
車両入り口の座席へ二人を案内し、付添の老婦人に話しかけている。
《 浜松町駅に着きましたら降りる仕度をして待って下さいね 》
車内はそれほど混雑していない。
僕は老婦人の向かいの席に座っている。
姉妹か親子かはわからない。
老婦人は三桁に限りなく年輪を重ねたように見える。
終始穏やかな表情で居眠りをしている。
時たま、腕を抱えて座っている連添の老婦人が話しかける。
目を瞑(つむ)ったままうなずいている。
魂がこの世とあの世を自在に行き交うかに見える。
◇
浜松町駅に到着する。
ホームでは別の二人の駅員が乗った車両の同じ入り口で待機している。
お二人は一向に降りる気配がない。
停車時間はわずかだ。
あわてた二人の駅員が車椅子ごと引継ぎをうけた車両に乗り込む。
老婦人は穏やかに駅員に身を委ねる。
危機一髪、二人の老婦人は車外へ脱出した。
◇余計な心配
駅内は緊密に連携した駅員によって保護されている。
この後、二人の老婦人は無事目的地に辿り着けたのだろうか。
◇
世界は少子高齢化へと加速し続ける。
例外なく二世代4人の我が家の平均年齢も80歳に達した。
末っ子は縁あって長男役に、先輩世代を目の当たりに実感させられる。
何年後かの自分達を重ね思う時人生の不思議な軌跡に感動する。
よい人生だったと天晴れ(あっぱれ)に卒業できるよう生きよう。
・・・・ 誕生日の人間ドック帰り にて追憶・・・・