
師走小春日和

師走小春日和
師 走
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天気は好いが風が強い。
12月に入って最初の土曜日、会社は閑散としている。
列車ダイヤ改正に伴う4日間の工事規制、現場で年末を忙しく駆けずり回っていた人達への絶好のプレゼントとなった。
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4日は東北新幹線八戸-新青森間80kmの開業、東京-新青森間675kmを最短3時間20分で結ぶスタートを切った。
世界最長の陸上複線トンネルの八甲田トンネル26.5kmを含め50kmがトンネルとなっており、途中に七戸十和田駅が設けられている。
来年の3月にはすばらしいデザインと美しい色彩の新型車両(E5系)の運行が待ち遠しいところである。
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鉄道は地球環境にやさしい乗り物である。
地球温暖化対策会議(COP16)が終わろうとしている。各国の思惑が絡み先行きは見えない。
鉄道を100としたときのCO2の排出はバス・航空機・自動車では270・570・880で、消費エネルギーでは180・390・630と国交省統計資料にある。
鉄道に半世紀近く関わった者として、膨大な建設投資により構築されたこの重厚な設備が地域の活性化と利便に有効に機能することを望むものである。
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新幹線建設は私のロマンをかきたてる。
青森開業を機に少し自慢話をさせていただこう。
自慢話ができる前提には、時代背景の他、環境と有能な上司に恵まれていたからに他ならない。
過去の偉業を振り返るのではない、技術屋である若者達へ夢中になって取り組んだ過去のすがすがしい “夢とロマンの世界に誘いたい”のである。
多くの若者達は日々の仕事に追われ、気の遠くなるような多くの「安全」と称するルールとマニュアルに「雁字搦め(がんじがらめ)」になり、本来発揮すべき技術力を磨けず錆び付いているように感じる。
汗水たらし多くの現場に直面し“どうしてこうなのか”とか“なぜこうしないのか”とか“こうすればいいのに”の疑問や不思議いっぱいの「宝の山」に恵まれている。
時代背景と取り巻く環境のハードルを乗り越え、技術的課題に取り組んでほしい。自分が求める「宝」は誰にも気がねせずに自由に選択し磨き実用化し、自分達に、企業にそして社会に貢献できる喜びを生涯の仕事から生み出してほしいのである。
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多くの取り組みをしてきた中、技術の進展で役目を終えたものも多い。
30年、今なお健在なものに新幹線信号通信機器の接地工法は優れものと自負している。電気の技術に土木技術を取り入れた成果と言える。土木との連携で使用済み土留鋼矢板の活用によりお金をかけずに今後さらに低接地が期待できる。