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     田舎のひと時

  おじいちゃん、おばあちゃんを連れ立ち、
  ダンスの試験がある家内を残し、
  ゴールデンウイーク以来の田舎に向かう。
  「五月雨を集めてはやし最上川」ならぬ、
  中流の雄物川、見たことのない激流に驚きと恐れをおぼえる。
  どしゃぶりの雨も着くころには小ぶりとなり、
  “ますおさん”は着替えて草刈りに取りかかる。

  朽ち果てたような木の下に色付いた大粒の梅の実を見つけた。
  草刈機のエンジンを止め1個、2個・・・・・と夢中で探し拾う。
  20個ほど拾っただろうか、木の上、まだっている。
  急いではしごを持ってきて細い幹に掛けもぎ取る。
  なんとも言えない感動!
  僕は息を切らせておじいちゃん、おばあちゃんに知らせる。
  おじいちゃん曰く
  「それあんずだ、そんなにっていたか」
  おばあちゃん曰く
  「そんなに取れたの初めて、気候が良かったのかな」
  僕はあんずと聞いて戸惑う、梅干を作りたかった。
  「梅干と同じだから作れる」とのお言葉をおじいちゃんから聞く。
  姿格好が梅と同じだからそう言っているとしても安堵する。

  明日はできるだけ早く帰ろう。
  赤紫蘇あかじそ
  粗塩あらじお
  そして器を準備しなければ、

  おばあちゃん曰く
  「赤紫蘇あかじそは節でないからどこにもないよ」だって、
  家内に電話し調達を依頼した、おばあちゃんと同じ回答である。
  しかし赤紫蘇あかじそは手に入った。

  梅干を作るのに手が掛かるのを僕は経験している。

  手塩にかけた美味しいあんず干しを食卓に期待して。
  二十年ほど前の事だから作り方は忘れた。
  インターネットのお力をお借りして取り組むぞ。

  未知なる世界、発見はいつでもある。
  サミエルアルマンの詩「青春とは」を思い浮かべる。

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  田舎の思いで、激流の雄物川そして収穫をどうぞ