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     忙中閑

  現場調査に出かける朝、
  みんなそれぞれの現場に出かけ、
  グループのメンバーは誰もいない。

  三月もまもなく半ばになろうとしている、
  三月六十日の世界を航海している、
  残された二週間、小規模ながらまだ手を付けていない
  工事が数件ある。
  目的地は見えるものの波高し。

  久しぶりに新幹線は山あいのトンネルに向かう。
  青天だが雪が舞い寒い。
  狭い落ち葉のじゅうたんの上を車が行く。
  ふきのとうが落ち葉の中から微笑み、
  グミの小さな赤い芽に春の息吹きを感じる。

  虫害によりケーブルが損傷したのである。
  三十年を経過した東北新幹線は設備の老朽化が進む。
  日中に入る新幹線柵内は遠大で気持ちが良い。

  三月六十日の航海もまもなく終わる。
  懸命に取組むメンバーの顔が浮かぶ。
  魂の磨きが見える。
  仕上げた喜びの打ち上げを盛大にやろう。


  写真
  新幹線柵内大角トンネル付近
  仙台・古川間は多くのトンネルがあり
  確か21箇所と記憶している
  遠大な鉄路と春の息吹に心を和ませつつ