1日から4日までは、盛岡さんさ踊り、2日には青森ねぶた祭りが開幕し、7日まで6日間も通して行われます。3日から6日までは秋田の竿灯祭りが、5日から7日までは山形の花笠祭りが、そして6日から8日には仙台の七夕祭りと、同時並行で各地の夏祭りが開催されるのです。
私はかねてから、一度も行ったことのない盛岡のさんさ踊りを見てみたいと思っていました。数年前からうわさに聞いて、一度見てみたいと思っていました。特に民族芸能や日本の踊りが好きな私は、盛岡の踊りの群舞や締め太鼓の打ち鳴らしに興味を持っていたからです。昨年も何かがあって行きそびれてしまったので、今年こそはと意を決して行くことにしたのです。
キャンピングカーでの旅行も考えましたが、この猛暑の中、キャンピングカーでは寝られないと思い、ホテルに泊まるなら新幹線かバス旅行がいいと考えました。新幹線は早いけれど、費用がかかりすぎます。それで今回は、バス旅行にすることにしました。調べたら何と、仙台は高速バスの発着地で、ほとんどどこの大きな都市とも結ばれているのです。それも費用は新幹線の半額程度です。
これまでバス旅行は、数年前仕事の出張で会津若松まで行ったのを覚えていましたが、それ以外は体験がありませんでした。いつでも新幹線か、キャンピングカーで旅行していたからです。
今回調べて知ったことは、何と仙台の高速バスセンターもリニューアルされ立派になっていました。東口と西口の発着所からはほとんどどこにでも行ける位に様々な高速バスが出ているのです。
どうせ行くなら、青森のねぶた祭りから見てみたい(バス代も安い)という気持ちになり、青森行きの高速バスに乗ることにしたのです。
青森での宿泊は、ネットで調べてラッキーなことに、青森駅前のカプセルホテルをとることができました。ねぶた祭りの時期なのにラッキーでした。価格はネットでは3000円でしたが、実際はねぶた料金で4000円をとられましたが、それでも宿泊できたのはよい方でした。
大急ぎで準備を済ませました。今回は期間が短いので、キャスター付きのバッグは使わず、椅子付きのリュックサックで行くことにしました。仙台駅の地下駐輪場にバイクを停めて、地下通路を使って、西口の発着所までは直結していました。
午前10時頃から準備を始めて、バスの予約をし、ネットで宿を予約し、さらにネットで資料をそろえ、持っていくものを準備して荷づくりし、昼食を作って食べ、13時30分にはバイクで出発、14時30分発の青森行きの高速バスに余裕で乗ることができました。
丁度友達が来てくれて準備を手伝ってくれたことも功を奏し、的確に無駄なく進めることができたのでした。
高速バスは、とても快適でした。冷房がきいてゆったりしていました。東北道に乗り一路青森へ、もっと退屈し時間がかかるかなと思ったけれど、暑くなく快適なので、途中で寝てしました。
午後7時20分過ぎに青森駅到着、約5時間でしたが、時間の長さや退屈感はほとんどない位快適な感じがしました。バスでも青森に来ることができるんだと実感しました。
目の前にあるカプセルホテルで一風呂浴びて、荷物を置いてから、気持ち良い気分でねぶた見物に出かけていきました。
さほど遠くない「ねぶた会場」には、たくさんの見物人が群がっていました。丁度ねぶた巡行の山場の時間を迎えていました。次々にやってくるねぶたと太鼓の一団、そして群舞する人々に圧倒されながら、北東北の祭りの迫力を実感していました。
「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声も勇ましく、ねぶたが通り過ぎていきます。大通りいっぱいに張り出したねぶたを、所々で回転させながら動きを付けるのです。そのたびに沿道からは歓声が上がっていました。
夜空に浮かびあがるねぶたの張り子、色彩豊かな迫力ある姿が、躍動的に進んでいきました。
延々と続くねぶたの行列、私は「ねぶた会場」を動くことなく、一か所で全てを見ることができました。人々の祭りにかける熱い思いを感じたものです。
警備する警察官もいましたが、決して威圧したり叱咤することもなく、観客と一緒に祭りを支えている感じがして、とても好感をもつことができました。
約1時間程度は見たでしょうか、ねぶたが終わって帰り途に入った居酒屋では、最高のビールを味わうことができました。勧められるままに刺身を注文しましたが、その新鮮なこと、美味しいこと格別でした。様々な種類の刺身が盛られていましたが、どれも美味しいくて、ビールの後は日本酒を飲んでいい気分になっていました。
ほろ酔い気分と飲み屋のマスターの話に酔いながら、青森の夜は更けていきました。カプセルホテルもきれいでとても快適なものでした。旅行をするならこのパターンもありかなとその時思いました。室温も保たれ快適に熟睡できたのは言うまでもないことです。
朝は早くに目を覚まし、段々白んでくる青森の風景を4階の窓から眺めていました。朝風呂に入った後は、早々と荷を整理して、管理人のカプセルホテルのおじさんにお礼を言って出発したのが午前6時頃でした。
駅前の食堂で朝食を済ませ、7時10分発の盛岡行きの高速バスに乗ることができました。青森の街の中を見学することはできなかったけれど、とても無駄のない動きで、快適にねぶたを見ることができました。
朝の高速道路の両側には、どこまでもリンゴ畑が広がり、遠くには、富士山のような裾野を長く引く岩木山が眺められました。
盛岡駅西口のバス降り場には、午前10時過ぎに到着しました。駅直結で、さんさ踊りが開催されるまで、駅の中で過すことができたのです。(続き)