夏休みのこの時期、不登校や引きこもりの相談が増えてきます。子供の異変に早い段階で気付いた両親の場合は夏休み前に相談に訪れ9割以上が不登校を改善し始業式と共に再登校し始めます。

 

しかし、子の異変に気付かなかったり、悠長なことをしているケースでは子が夏休みの宿題もやる気が起きずに引きこもりになり、夏休みが終わってもそのまま登校はせずに冬休みを迎えます。

 

このようなケースの場合、よくあるのが、以下のような状態です。

 

不登校・引きこもり悪化の流れ

 

1.子が学校を休みがちになってきた、親は一日二日の休みならばと何も言わなかった。またはそこまで深く考えなかった。
 

2.子が学校に行きたくないと言い始めた。親は理由を聞き「頑張れ、それぐらいは我慢する、将来はどうする」という話をした。


3.子が週の半分も学校に行かなくなった。親は「早く起きなさい、学校に行きなさい」と声をかけるが仕事があるので時間になると家を出なければならない。子は登校せず家にいる状態が続く。


4.子が自分の部屋から出てこなくなる。初めは食事も共にしていたが段々と深夜などに一人で台所から食べ物を持っていき自分の部屋で食べるようになった。心配した母親が子の食事だけ別に準備するようになる。


5.子が学校へ行く意欲がなくなり、登校した場合、自分の居場所がない、クラスの同級生からどう見られるかが気になる、勉強もついていけないかもしれないという不安を抱く、引きこもり不登校が3週間以上経過しても親は具体的な改善策や専門家への相談もしていない状態になる。


6.子が不登校になり1か月以上経過し子は自分の部屋で朝から晩まで携帯電話でインターネットやゲームをするのが日課となっていく、親は学校の先生と話はするものの、学校の先生は「学校でみんな待っている」「教室に入りづらいならば保健室でも構わない」というが子どもは登校する様子はない。親は役所の相談などに行くが結局、学校の先生と話してくださいという結末となる。


7.学校の先生が子に会いに家庭訪問するが上記6と同じことしか言わないので根本的な解決には至らない、親も根本的解決の方法を未だに気付いていない。


8.子が引きこもり不登校になり3か月が経過し季節の変わり目になり学校へはもう行かないと心に決める、親は子が不登校になっている状態に慣れ、早く起きなさい、学校へ行きなさいという事も言わなくなり、晩御飯の時だけ「ご飯だよ」と一応、声掛けだけはする程度になる。


9.子が引きこもりになり5か月以上が過ぎると子は学校で学ぶことは考えずに今(引きこもり)の状態をどうやって永続するかを考え始める、親は子の再登校は諦め働ける年齢になったらどのような職業(アルバイト等でも構わない)でも構わないので自立して生きてほしいという考えとなる。


10.子が中学を卒業する年齢、もしくは17歳以上になると家を出なければならないのかという不安に襲われる、これまで何年も引きこもりの状態から急に社会に出て他人と接し所得を得て行くのは不安であり目標すらないのでやる気が起きない状態となる。この現実から逃げるにはどうすればいいかを考え始める。親はそろそろいい(働ける)年齢なのだからアルバイトくらいして社会に出る準備をしなさい、これから一人で生きていくんだよと子に話すが、子の状況や気持ちには全く気付いていない。


11.子の引きこもりは定着し子の部屋には誰も入ることが出来ない状態となる。親はようやく自分たちの力ではどうすることも出来ないことに気付き専門家に相談に行く。

 

つまり、親の判断で子供の人生が決まるということです。