外はもう暗くなってきた。

心細い。誰かと話したいが、電話が繋がらない。

ワンセグでテレビをみるが、

充電が気になりすぐに切る。

一人歌いながら、ひたすら歩く。

足が痛いことに気づいたが、歩かなければ家に帰れない。


ガス局の付近はとてもガス臭く、危険だと思った。


途中、手をつないで楽しそうに歩くカップルを見て、


夫が恋しいと思った。


夫に会いたい。


早く夫の顔が見たい。


真っ暗なコンビニの前に人だかりができている。


何か買って帰ろうと思い、中に入る。


カップめんはもうないが、お菓子やヨーグルトなどは手にすることができた。


両手いっぱいの商品を、レジに置く。


懐中電灯の光の中で、電卓で計算している。


水を買い忘れた!と思ったが、


早く家に帰りたかった。


団地付近で夫に電話がつながった。


「今どこ?」


『○○○』


驚いた。さっきからほとんど進んでない。


『渋滞して、全然動かないんだ』


「大丈夫?」


『うん』


「私、歩いて帰ってるから」


『うん』


「気を付けて」


『うん』


電話を切るのは嫌だったが、


充電も気になったので電話を切った。