【「よい縁」になりたい】
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フランスの大化学者、パスツールのことを通して話したいと思います。
彼は、恐ろしい伝染病から人類を救う研究に生涯をささげ、どれほど社会に貢献したか分かりません。
そこには、親の熱い子供への愛情が隠されていました。
パスツールの父は、東フランスの、小さな町の職人でした。
夫婦2人で働く、ささやかな店なので家計は厳しい。
それでも、自分たちが満足に学校へ行けなかった分、息子にだけは、ちゃんとした教育を受けさせてやりたいと願っていました。
父親は、「この家の仕事を継ぐ必要はない。自分の好きな道へ進みなさい」と、よく息子を励ましていたそうです。
パスツールは、成績のよいほうではなく、目立たない子供でした。
何をするのも遅くて、周囲をあきれさせるほど。
しかし、校長先生は、そんな彼を見て、「天才ではないが、物事を深く考える性格は学者に向いている」と見抜き、パリの有名校へ進学させてはどうか、と両親に勧めました。
息子を褒めてもらったのはうれしいが、お金がかかりすぎる。
父と母は悩んだ末に、やはり子供の将来には代えられない、と進学させることを決意。
受験に備え、パスツールが、パリの予備校へ入ったのは15歳の時でした。
ところが、ホームシックにかかってしまい、次第に、授業が頭に入らなくなり、食事も喉を通らない。夜も眠れない。
両親や家のことばかり思い出して涙ぐむようになりました。
心配をかけまいとして、家へ出す手紙には「元気にやっています」と書いていたが、親は子供の変化には敏感です。
父親は、「このままでは、本当に病気になるかもしれない。そうなっては手遅れだ」と感じ始めていました。
ある日の朝、寮の友人から「誰かが会いに来ているよ」と言われ、出てみると、予想もしない、そこには父の姿が。
「お父さん……、どうして?」
「おまえを迎えに来たのさ」
父は、こう言っただけでした。
パリへ出すのに、どれだけ苦労してお金の工面をしたか分かりません。
それが、わずか1ヵ月足らずで郷里へ帰るはめになったのに。。
「あせってはいけない。この子に、期待をかけすぎたのかもしれない」
父親は、自分に言い聞かせていました。
ここで親が、叱ったり、愚痴を言ったり、責めたりしていたら、後年の輝かしいパスツールは存在しなかったかもしれません。
仏教では、「自業自得」と言われ、幸福(善い運命)も、不幸(悪い運命)も、すべては、私のやった行いが私の運命を生み出す、それには万に一つも例外はないのだと教えられます。
勉強ならば、子供が頑張らなければ、子供の成績が上がらないのは当然です。
では、親が子供にどう拘われるのか。
少しでも「よい縁」になることでしょう。
子供の将来に、親が及ぼす影響(縁)は、計り知れません。
世間では、子供は親を選べないと言われますが、仏教では、子供は親を選んで生まれてきた、、と言われます。
(このことは「勉強会」で詳しく話しています)
自分を親と選んで生まれてきてくれたのだと思うと、お粗末な私も、子供にとって、少しでも「よい縁」になってやりたい、、と強く思わずにはおれません。
パスツールの両親ほどの温かい言動がとれなくても、少しでも見習って、自分に出来ることを模索し実行してゆきます!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑
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