寝正月の言葉通りに三が日は部屋に籠っていました

 

四日に銀行の残金を引き出し弁当を買って帰ります

明日からは又12時間労働の工場勤務が始まります

正月だから新年が明けたからと言う事は自分にとって特に意味は有りませんでした

 

何時もと違った会話が休暇明けの仕事場に聞こえました

ただそれだけです

休日をどんな風に過ごした等を会話する相手も居ませんでした

 

買い物する時にお店や町並みの景色が多少変わってはいますが数日過ぎれば

何時もと同じ景色に戻ります

放浪から10年が過ぎた頃から年老いて行く事だけは考える様に成りました

 

やがて正月の名残も消え淡々とした毎日が繰り返されました

給料日を待つだけの日々です

年が変わって最初のパチンコ屋は年末負けた店に決めていました

 

一つ懸念が有ったのは携帯電話の料金を既に滞納していた事です

今回の支払いを怠ると止まってしまうと案内が来ていました

結局はたいして必要性が無いので支払いも勝った後にと考えてしまいました

 

お金を手元に握った後の心理は全てにおいての優先順位がパチンコから始まります

たった数分のATMの操作で支払いが完了するのに後回しに成ってしまいます

パチンコ屋に行くまでは一銭も使いたくないと思っていました

 

日払いを貰っていましたがそれでも十数万は給料日に手にしていました

僅か数日で使い果たしては担当に日払いを願い出ていました

働いて居れば給料日翌日でも日払いは出来ていたので悪循環を生んでいました

 

休暇の間に考えるより短期間で負けた事で早く行きたい気持ちでいっぱいでした

金曜の仕事が終わるとシャワーも食事もしないで駅へと急ぎます

今晩はパチンコ屋には行きませんが明日開店から行く為に夜から向かいました

 

何時もの個室ビデオ店で夜を明かしはやる気持ちを抑えてパチンコ屋へと行きました

お客は正月よりかなり少なく好みの雰囲気です

遊技する台もゆっくり選べ朝飯代わりのコーヒーを飲みました

 

博打の才能も運も無いとは思っていましたが今回も例外無く負けてしまいます

閉店時間いっぱいまで遊戯はできましたが残金は1万円程だったでしょう

帰る列車はもう無いので個室ビデオ店に泊まりました

 

3~4万負けてる頃が一番腹が立ってイライラしていたと思います

それ以上に成ると怒りは少し収まり惰性の様に有り金を使う作業に変わります

その日に負け金を取り戻せないと思っても何故か止める選択肢は出て来ません

 

日曜の昼前には寮に戻っていました

服のポケットから所持金を出し何日過ごせるか検討します

せっかく契約出来た携帯電話もゴミ袋と一緒に床に転がっていました

 

ゴロゴロした日曜が終わり月曜日が来ました

仕事に行く気が出ません

携帯は止まっていますので公衆電話まで電話をかけに行きました

 

工場の課長は初めて休みの連絡をしたので特に言葉も無く承諾してくれました

次に派遣の担当に連絡しましたが此方も問題無く承諾してくれました

部屋に戻り又布団に潜って惰眠を貪ります

 

二度寝か三度寝かやっと身体を起こしたのは夕方でした

何もしなくても腹は減るんだと感じコンビニへと行きます

とうとう休んでしまったと少し悔いる気持ちは有りました

 

ずる休みをしましたが何故休んでしまったのかと思ってしまいました

有り金全部負ける事等何回も有ったのに今回は気が少し滅入ったのでしょうか

起きて時間が過ぎて行くと今日の日当が無い事を悔やんでいました