朝が来て何時もの様にパチンコ屋に行きました

 

昨日聞いていた台番号に座り遊戯を始めます

遊技機の設定が良くなかったのか当たりは余り引けずに投資だけが続きました

残金が数千円に成った昼前にやっとお二方が来ます

 

状況を説明した後一緒に昼ご飯へと向かいました

勝ち負けは自分の責任では無いとはいえ少し悪い気がしてはいます

お二方は特に気にはしてない様子だったので幾分気持ちは楽では有りました

 

今回の様な感じで又お願いすると言われます

まぁ勝てば仕事量としてお金を貰えますので断る理由は有りません

それに自分の所持金が無くなってもパチンコ屋に行けるのは魅力です

 

今後の仕事について進み次第一緒に検討していくと伝えられていましたが施設に

居られる為の住民票移動期限はもう三か月を切っています

お二方との関係を続けながら期限いっぱいまで考える事にしました

 

それから少なくても週三回は代打ちをしていましたがやっぱり自分のお金で無いと

勝ち負けの高揚感的な感情が余り感じなく思えてきます

四回目の支給日が過ぎて月末が近く成った頃に悪魔の囁きに耳を貸してしまいました

 

既に今月は負けていて自分のお金ではパチンコが出来ない状態でしたが

店に行き例のお二方が居ないか調べに行きました

連絡先は教えて貰ってましたが流石に遊ぶ金を借金する話は出来ません

 

偶然を装って合い代打ちでも頼まれれば良いと思っての行動でしたがパチンコ屋に

お二方の姿は無く店内を徘徊した後駅前へと向かいました

そううまくはいかなよなと思っていると誰かに声をかけられました

 

振り向くとお二方が一緒に此方に歩いて来ます

まだ昼前でしたが今日は帰る所だったと言われ明日の代打ちの話を提案されました

三万円を渡され明日の台番号を聞き二人と別れます

 

施設に向かって帰っていましたが何時もと違う道を選んでいる自分がいました

駅前から少し離れた道を進むと幹線道路に出ますが30分ほど歩くと郊外店の

パチンコ屋が有るのを知っていたからでしょう

 

勝てば問題無い 代打ちは明日だから

施設の門限を破れば10時間以上パチンコをする時間が有りました

負けた時の事は余り考えが及んでいません遊戯する事が最優先事項でした

 

郊外店は大体大きく駅前の店舗とは規模が違います

店内に足を踏み入れた後は人の金預かった金が自分の金だと認識が変わっていました

三万円など運任せで勝負するには微々たる程度の金額です

 

人の多さ勝ってると思われる人の喜々たる表情に感化され高揚感が増します

言われた台を人の金で遊戯する時とはまったく違いました

そして他人のお金を無断で手を着ける事に成ります

 

最初の一万円はあっと言う間に無くなりましたが二万円目で数回の当たりが来て

いくらかの勝ちが確定しますが止めると言う選択肢は有りません

時間は十分有りましたし現状は勝っているのですから遊戯は続けます

 

見切り千両 とギャンブルの格言が有りますが依存症には適用されません

負けからの勝ち これはギャンブルにおいて最も高揚感を感じる瞬間です

所持金が尽きかける状態からの逆転勝利は例えがたい勝利感を覚えます

 

この日の勝ちは確定した状態の時まだ所持金に余裕が有り時間もたっぷり有りました

だから高揚感も充実感も欠け遊戯の続行を選択する事に成りました

悪魔は囁きます 続ければもっと勝てるお金が増える 今日は勝てる日だと

 

数時間後

勝ってる分は無くなり更に所持金を使う事に成ります

残りの一万円を使う時にやっと 負けてしまったらどうしょうと 思います

 

15分と持ちませんでした

預かった三万円は無くなり持っていた数千円も使ってしまいました

門限など心配するまでも無く外はまだ明るく太陽の眩しさに眩暈を感じました

 

感覚と言うか考えと言うか狂ってました

負けて帰る道で思うのは 何故負けるんだ どうして当たらない

人のお金に手を着けた事への後悔は微塵も感じていませんでした