ただボーッとしてました

 

公園に来る人達をテレビでも見ている様に

仕事で知り合った人に尋ねて来るようにも声掛けられていましたが

その気は起きませんでした

 

時間だけがいつもと同じように過ぎて行きます

公園のトイレは大きく綺麗でしたので

深夜髪を洗い身体を拭き下着を洗濯したり出来ました

日に一度以前見つけた安いお店で食べ物は買えましたが

二日過ぎ三日過ぎポケットの中が小銭だけに成ります

 

約一年余りこの地で生活しましたので

周辺の地理はかなり詳しく覚えていました

今の状況で働けると思えたのは夜の仕事だと考えましたから

繁華街に向かい歩きます

夕暮れ前で人もまだ居ません

 

店舗が入っている建物の壁の所々に求人の広告を見ます

ですがお店の従業員は作業服とはいきません

考えながら歩いていると少し店舗の感じが変わって

大人の社交場が集まる地帯に入ってました

 

お酒を楽しむ地帯と社交場は隣合わせに存在してます

働いた経験は有りませんでした

目についた看板の名前は昭和の代表的名前のお店です

テレビのコマーシャルでも見た名前でした

当然ながら閉店してましたが大きな看板はそのままです

そこにも求人の張り紙が有りました

 

張り紙を覗き込む自分に声を掛けて来る人が現れます

何も考えず促されるままに声を掛けて来た男性に着いて行きます

近くの喫茶店で話をしました

特に法に触れる様な仕事では無いと思い

働く事を決めました何より日払いと今日から働けるとの事でしたから

服装も自由な点も助かります

 

不満と言えば一点だけ拘束時間が約12時間との事

気休めかと思いましたが時々は早く終わるとの話でした

なんとか食い繋ぐ事が出来る事に成りました

未経験の社交場での仕事ですが安堵の気持ちに包まれます

 

ここでの仕事は一年半程続く事に成りますが

夜の仕事には必ず関わって来て下さる業種の方々が居ます

例外なく自分も関わる事に成りますが

仕事が一年半程で終わっている事で想像してください

 

この地に来て

人と距離を置き深く関わらない様に務めました

けれど月日が経つと難しく成ります嘘を話すのも同じです

友達の様に知り合いの様に接してくれる度に

今の自分でなければ良かったのにと思いました

愛想笑いと作り笑い心の底から笑えない

捨てきれなかった人生を

流されるままにダラダラと生きて逝くしか出来なかった