130802 Exo Chen Live - Please Love Her
携帯電話の着信履歴を確認しながら、あの人から連絡が来なくなったことに気がついた。
私たちは親しかった。彼から連絡が来ることもあれば、私が話を聞いて欲しくて電話をかけることもあった。頻繁に会ってはたわいもない話をしたり、時には深い話も出来る人だ。
私が今付き合っている彼と知り合う前から仲が良かった。彼には言えないこともあの人には言えた。
あの人のことを考えるとき、一番最初に思い出す出来事がある。
私が彼氏と大喧嘩して、彼が私を置いたまま帰ってしまったことがあった。車の中にバッグをそのままにしていたので、ポケットの中に携帯電話しか持っていなかった私はどうしようもできず、あの人に電話をかけた。
喧嘩した辛さと、帰れるかどうか分からない不安に号泣している私の泣き声を聞きながら、あの人は
どこにいるの?
と優しく声をかけてくれた。夜中に差しかかる時間だったのに、今から行くからそこで待っていてと言って電話を切った。
現れた彼は何も言わずにコートをかけてくれ、たった一言、帰ろうと言った。
どんな言葉も必要ないのはあんな時だ。車の中ではお互い一言も喋らなかったけれど、彼のコートの暖かさに私はずっと泣いていた。
ただ傍に居てくれるその優しさに、私はただ甘えていた。
思えばあの夜から、連絡が少なくなった。誰か素敵な人でも出来たのだろうか。単純に忙しくしているだけなのだろうか。
どんな理由にしろ、何だか心の中がぽっかり空いたような、何かとても大事なものを道の途中で落としてしまったような、そんな気分だ。