I am nothing

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超絶不定期入荷。ふざけています。

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一昨年から去年までのイギリス留学の途中、それはもう狂ったように美術館に足を運んでいた時期がありました。

留学は期限付きなので、今のうちに見れる物は全部くまなく見ておこう、ロンドン中の美術館制覇したろかい位の意気込みで、自分の好きな分野の美術展が行われているミュージアムやギャラリーに行きました。

 

あの時についた”美術館訪問癖”みたいなものが帰国してからも続いていて、日本の美術館についてもあれこれと調べるようになったのですが、帰国してから気づいたことがあります。

 

「私は美術展も好きだが、美術館そのものにも興味がある」

 

これに自分で気づいた時に、え、なんで、と自問自答してしまいました。

私は、コルビュジエが設計した、とか、アールデコのモダンな、とか、そういった「館本体」に対する興味ではなく、美術館を総合的に見た時の雰囲気やキャラクターに興味があるのです。

 

例えば乃木坂にある新国立美術館。新しく広いし、有名な画家の展覧会も開かれる。国立だけあって規模が違います。それでも「この絵の配置と、絵を見る導線があんまり好きじゃないな」と思ったりすることもあります。

一方私の地元の旭川市美術館は、古いし小さいし照明も暗く、失礼だけど設備が悪い。それでもピカソの「青の時代」の絵はぴったりその美術館の壁に”ハマって”いました。

 

新しいから良い、古いと悪いという方程式は美術の世界では成り立ちません。逆も然りです。

各々アーティストとともに歴史を持って生まれて来た作品たちを”包容する”美術館、私はこれに惹かれます。