1970年代からNHK上級英会話講師を務めていた松本道弘先生がこの春急逝した。

「英語道」を創設し、英語教育とディベート指導において日本で革命的とも言える実践的なアプローチを持って日本人を指導したリーダーであり指導者だった。

私は、高校を卒業し、米国の大学でジャーナリズムを勉強したいとのことで、1970年代後半松本先生の本を貪り読んだ。

その中に、「GiveとGet」という1冊があり、その本を一冊携えて私は1980年シカゴに渡った。座右の書と言っていい。

その後、私の『「アメリカ」の終わり』が昨年出版され、40年の時を超えて、私の最初の真の英語の師である松本先生にお会いすることができた。昨年は何度も「結びチャンネル」の先生の番組にお招きいただき対談を行っていただいたことは望外の喜びだった。

その松本道弘先生の言葉でいまだに心に残っているのは、「泉さん、とにかくこれから活躍する若い人たちを助けなくちゃならないんだ。そのために我々年配者世代は何でもやらなくては今後の日本が危ないんだよ」という言葉だった。

私も60代に入ったわけだが、近年特に考えているのは、この松本道弘先生の残され実践された言葉である。実際松本先生は、大勢の若い世代を積極的に応援し、激励しできる支援は何でもした。そのことを一生の恩義と感じている人たちが何人もいる。

私も本業の事業経営以外に、シカゴと日本を繋ぐ日米交流のNPO活動を20数年行っている。そして、現在さらに日本で私より若い世代の人たちの活動を支援し、世界的な視野を持って、彼らが真に日本人として誇れる国をつくるための活動をしたいと思っている。今回、ファウンテン倶楽部を発足させたのはその第一歩である。

それが最後までその活動に捧げた故松本道弘先生への恩返しだと考えている。

(添付写真は、5月に日本外国人特派員協会で偲ぶ会が行われた時のパンフレット。私も松本先生とご縁のあった方々と一緒に短いお別れの言葉を述べさせていただいた)