三成美保・姫岡とし子・小浜正子(編)『歴史を読み替える ジェンダーから見た世界史』大月書店,2014年5月,978-4-272-50181-6


高校の教科書に対応した、ジェンダー視点による初めての世界史。多数の資料とともに新たな歴史像を描き出す、画期的なテキスト。ジェンダー研究の進展に比して、その成果が生かされていない教育現場に一石を投じる。




比較ジェンダー史研究会のサイトが、この本の補遺・補充版として位置づけられている。本書で宇野伸浩氏が執筆した「モンゴル帝国の皇后とチンギス家の婚姻戦略」について言えば、サイトにおいて同氏執筆「マルコ・ポーロがイランまでお供した女性コケジン・カトン」が掲載されている。

柏井壽『おひとり京都の晩ごはん 地元民が愛する本当に旨い店50』光文社(光文社新書),2017年3月,978-4-334-03975-2


京らしさを気軽に味わえる店、地元民気分を味わえる店…。年間100回以上の「ひとり晩ごはん」を楽しむ京都在住の著者が、足繁く通う店、自信をもってお奨めできる店を厳選紹介する。



さてこの本を実践的に活用する機会がどれくらいありますやら。

京都学研究会(編)『京都を学ぶ【洛北編】 文化資源を発掘する』ナカニシヤ出版,2016年12月,978-4-7795-1116-5


京都の眠れる宝(文化資源)を発掘するシリーズ。洛北編は、北山のヤママユが紡ぐ絹糸、葵が繫ぐ賀茂祭と将軍家、雑煮や納豆餅といった伝統食とその背景など、洛北の自然・歴史・文化を探究する。


刊行から半年近く経ってようやく購入。いままで躊躇していたのはいささか敷居が高かった、言い換えれば個別のトピックに入り過ぎ、専門的過ぎる感じがしたから。もちろん続編も期待はしているが、勉誠出版『アジア遊学』ではなく大修館書店『しにか』のような、間口の広い味付けにして欲しい。


中島義道『東大助手物語』新潮社(新潮文庫),2017年6月,978-4-10-146731-3


「きみのあの態度は何だ!」。15年間の大学生活、ウィーンへの私費留学…。出口のない生活から私を救い、東大助手に採用してくれた教授の一言から「いじめ」は始まった。「髭を剃ったらどうか?」。私を助教授にするため、あれこれ画策してくれる「恩人」から数ヶ月に及ぶ罵声と執拗な攻撃を受けながら、大学とは、学界とはなんたるかを知るまでを描く壮絶な「アカデミズムの最底辺」体験記。

カルヴィーノ(著)・河島英昭(訳)『まっぷたつの子爵』岩波書店(岩波文庫),2017年5月,978-4-00-327096-7


ぼくの叔父さんテッラルバのメダルド子爵は、トルコ軍の大砲の前に、剣を抜いて立ちはだかり、左右まっぷたつに吹き飛ばされた。奇跡的に助かった子爵の右半身と左半身はそれぞれ極端な〈悪〉と〈善〉となって故郷に帰り、幸せに暮らす人びとの生活をひっくりかえす―。イタリアの国民的作家カルヴィーノによる、傑作メルヘン。




てっきり重版かと思った。

白幡洋三郎・劉建輝(編著)『異邦から/へのまなざし 見られる日本・見る日本』思文閣出版,2017年5月,978-4-7842-1896-7


日本はいかに研究され、表象されてきたのか。海外における日本認識や日本像はいかなる経緯で形成されてきたのか。国際日本文化研究センター所蔵の明治~戦前期の内地・外地絵葉書など、カラー図版約500点で描出する。




この珍重すべき「図版集」に関する、肝心の版元側のアピールというか姿勢が率直に言って拙劣。つまり、版元が流している自閉的な説明文(上掲のものとは違う)では、これがどうのような本なのかがハッキリせず(論集なのか図録なのか)、結局現物を手に取ってみないことにはその真価がわからない。自分たちが作ったものを、広く世の中に伝えていこうとする努力を欠いている。

勝藤猛『草原の覇者 成吉思汗〔新訂版〕』清水書院(新・人と歴史 拡大版 08),2017年5月,978-4-389-44108-1


12世紀のなかごろ、モンゴル族としてこの世に生まれ、幼くして父を失う逆境から身を起こしてモンゴル族を統一し、東アジアや西アジアの文明地域を支配下に収め、ユーラシア大陸の諸都市を馬蹄の下に踏みにじり、文明の破壊とともに東西交通の発展をもたらした成吉思汗。この成吉思汗についての著作は昔から数多いが、本書はそうした研究成果の上に立って、あえて著者自身の成吉思汗像を世に問おうとするものである。