大相撲五月場所は盛り上がった。
優勝候補と目されていた横綱白鵬、関脇照ノ富士が黒星という波乱の幕開け。
大関陣は早々に優勝争いから出遅れ、平幕の魁聖が11日目まで1敗で白鴎の独走を許さない展開。照ノ富士は9日目に格下に敗れ2敗目、11日目には白鵬との直接対決で敗れ3敗目を喫し優勝戦線からは遠ざかったかと思われた。
12日目、まず魁聖が敗れ、やはり最後は白鵬の独走か、と思われたが、同じ12日目白鵬は大関豪栄道に勝ちを急いで不覚の一敗。これで優勝戦線は不明瞭になった。照ノ富士優勝の目が消えたわけではないが、それでも白鵬の優勝は固いだろうと皆が思っていたことだろう。魁聖は12日目以降上位にあてられたこともあって4連敗。
14日目、日本人最強(だと私は思っている)茨城の星、稀勢の里が白鵬と対戦。稀勢の里は前日に横綱日馬富士に敗れ4敗目を喫し優勝の目は殆どなくなっていた。白鵬の鋭い立ち合いで土俵際まで押し込まれる。白鵬は一気に寄っていくが、右をこじ入れようとして上半身に力が入りすぎたか、土俵際の稀勢の里の小手投げをくらい惜敗。7連覇に黄色信号が点灯した。
14日目終了時点で3敗は、白鵬と照ノ富士の二人。4敗は日馬富士、稀勢の里、高安、勢、魁聖、嘉風の6人。大方の予想は、まず4敗の優勝はない、白鵬と照ノ富士の両者が勝って決定戦だろうというものだった。
千秋楽、照ノ富士は碧山を危なげなく寄り切り、結びの横綱決戦を待つ。
白鵬の対戦相手の日馬富士は照ノ富士の兄弟子だ。日馬富士とすればカワイイ弟弟子のために援護射撃したいところだ。先場所一差で白鵬を追う照ノ富士の援護射撃ができなかっただけに。
気合十分の立ち合い。やや白鵬が押している感じだ。一度離れて再度ぶつかり合う。日馬富士は土俵際まで後退。白鵬は一気に押し出そうと両手を突き出す。日馬富士は、かつてのボクシングの輪島功一よろしく膝を折って屈んで白鵬の突き手を潜り抜けて左の前マワシを取る。白鵬はマワシが取れない。日馬富士、十分の態勢、呼吸を整えるように一呼吸おいてから、一気に白鵬を土俵の外に押し出した。この瞬間、照ノ富士の初優勝が決まった。勝ち名乗りを受けた後の日馬富士の瞳に涙が浮かんでいるようにみえた。
決定戦に臨むつもりでいたという照ノ富士は、同部屋の宝富士、安美錦らとハグして喜びを表現した。自分のことのように喜ぶ同部屋の力士たちを見ると、いい先輩達に恵まれたんだなと思う。
二敗した時点で今場所からの大関昇進はないと言われたが、大関昇進は確実になった。表彰式前のインタビューで、照ノ富士は故郷の父、母、部屋の親方、女将さん、応援してくれた方々に感謝の言葉を述べた。土俵に立った時の仁王のような形相と土俵を離れたときのまだあどけなさが残る表情のギャップがいい。横綱昇進も間近いことだろう。
久々に盛り上がった五月場所。白鵬が4敗し、35度目の、そして7連覇となる優勝を逃すことによって盛り上がったのは皮肉なことだが、これが強いチャンピオンの辛いところかもしれない。
遠藤も前の場所の大けがから、無理を押しての今場所の出場となり、6連敗のスタートだった。一時は幕内陥落も危惧されたが、後半持ち直し6勝9敗とし幕内残留を確実とした。最近の遠藤は地力を付けてきたのでケガから回復したときの活躍をみてみたい。
来場所はどんな場所になるのか、今から楽しみだ。
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