一瞬、テレコンバーターの使用も考えました。
だけどマスターレンズの画質をそのままに引き出すことは難しい。
最終的にテレコンバーター内のレンズにて拡大を行うため、どうしても画質劣化はさけられない。
これは鳥などを撮っている人ならお馴染みというか、必ずぶつかる壁だと思うのですが、どういうことなのかをくわしく。
まず、マスターレンズが手元にあるとします。
今回はニコンの400/2.8E FL ED VRとしましょう。
このレンズは単玉(単焦点)で、400mmの焦点距離を持つレンズで、ニコンの最新の露出(絞り)制御システムであるEタイプを採用しています。ニコンのカメラは開放測光のため絞り羽根は開放された状態ですが、撮影時に任意の絞り値まで絞り込まれます。この際、前の機種ではGタイプを採用しておりカメラボデイより機械的に絞り羽根を動かして制御をおこなっていましたが、Eタイプでは電気信号での制御に変更されており、Gタイプのレンズよりも精密な絞り制御を可能としたレンズです。更に軽量化するためにFL(蛍石)を使用し、手ぶれ補正を内蔵した非常に高価なレンズです。モータースポーツなどを撮影する人に大人気なレンズで、野鳥の撮影を行う人の中では分水嶺となる焦点距離。
この焦点距離より望遠単焦点になると、車が一台買えてしまうくらいの値段となります。この分野に足を踏み入れると奥様がゴーヤを育て始めます。
で、マスターレンズは前玉から後玉までの光学設計を行い、焦点距離及び開放F値、レンズ解像力を緻密に計算して、最終的に商品となるわけですが、テレコンバーターには更にレンズが複数枚使われており、マスターレンズの焦点距離を伸ばす道具なのです。そのため、本来のマスターレンズの設計に更にレンズを加えて焦点距離を伸ばすため、どうしても画質の劣化は避けられない。
これを回避するためには、レンズ自体のイメージサークルから撮影領域を絞る必要が’あります。というのも、今回紹介したレンズはFXフォーマットのため、レンズから取り込んだ光を35mm判のセンサーサイズに合うようにアウトプットしているのですが、このアウトプットされた光を受ける受光部、つまりはセンサーサイズを小さくしてやることが必要です。
レンズは設計段階で前玉より受けた光を出来るだけ、良い状態でセンサーまで届くよう調整はされているのですが、光の受け方などの関係でレンズの端で受ける光の量というのは変化しやすいです。この部分の設計が弱い、或いは広角レンズではよく起きますが、周辺光量落ちということに繋がるんですね。周辺とはレンズの端の方のことです。
では、受光部を小さくしてやるとどうなるのか。
1,レンズ中心で受けた光をセンサーに届けやすい。
2,焦点距離を伸ばすことが出来る。
ということになります。アウトプットされた光が35mm判にぴったり来るサイズなら35mm判で受けた際に1.0倍、等倍になります。アウトプットされた光が35mmにぴったり来るサイズであり、35mm判よりも小さいサイズのセンサーであれば、等しくならず、センサーサイズが小さくなればなるほど倍率が上がります。
以上のことから、センサーサイズが小さければ実質の焦点距離を伸ばすことが出来、レンズの中央から安定した光を受けることが出来るため、レンズ特性による画質劣化を少し抑えることが出来る……といった感じになります。
