こんばんは、エバラです
月曜日は小説の日〜
それでは、どうぞ
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第53話(2月14日)
アサちゃんとも遊べるようになって良かったぁ、と踊るように学校から帰って来ると、タツ兄とサチ姉が、取っ組み合いのケンカをしている。幸い、まだ見物客はいない。でも長引くと近所から野次馬がやって来るのは目に見えていたから、ハナは間に入ることにした。
「なんでケンカしてるの。」
サチはタツに馬乗りになって首を絞めようとしている。
「タツがあたしのヘソクリ、盗もうとするんだもん。」
「あそこの金は俺のもんだ。」
サチの手をほどきながら、タツも怒鳴り散らす。
長押にかけてある提灯の中に二人とも金を隠したと言い張った。ハナがスタスタと長押に近づき、提灯を覗くと、十円札が、ちゃんと二枚、入っていた。
「隠したのは、十円?」
「そうだ。」
「そうだよ。」
「二人分、入ってたよ。」
ハナが半ばあきれながら二人に十円ずつ渡した。
「兄弟だとヘソクリの隠し場所まで似るんだね。」
ハハハ、とみんなで笑いながらも、兄貴と姉貴のようなへちゃむくれの顔には似たくないなぁ、と思うハナであった。
つづく
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怒る前にちゃんと
確認しないとね〜
ま、ウッカリ大魔王のあたしには
言う資格はないけど
それでは、また