というわけで最近自転車通勤を始めたのですが、この高いテンションとモチベーションを維持している、とあるグッズがあります。それがいわゆるサイクルコンピューターの"emeters"(イーメーターズ)ってやつです。


ブリヂストンが昨年の2月に販売を開始したこのemetersというサイクルコンピューター、それ自体は実はあんまり魅力的じゃなかったりします。

まあ自転車通勤のことを考えて現在時刻が大きく表示されてたりする点は好感持てるんですけど、だったらバックライトつけようよ、みたいな。夜見えないじゃん。

測定できるデータも時速、消費カロリー、時間(現在時刻ではなく自転車に乗った時間)、距離だけで、ハートレートモニターとかGPS logging、ケイデンスなんかはまったくなし。

まあ、記者発表 にもあったけどサイクルコンピューターとしては比較的ライトユーザーを狙っているって意味では、いい割り切りでもあるんだけどね。


んでなんでこのemetersがやる気にさせるのか、って話なんだけど、実はこの商品を買った人だけが入会できるSNSがあるんですよ。これがおもろい。

その日の走行距離、平均時速、カロリー消費などをSNS上に表示できて、SNSでつながった人と比較できるし、日記を書いたりして会員同士のコミュニケーションも可能。

つまり一人で自転車をこぐんだけど、仲間といろいろ楽しめて、それがまたモチベーションにつながる、という仕組み。


そもそもSNSっていうのはmixiのコミュニティを例とればわかりやすいんだけど、同好の士がつながりやすい仕組みで、そういう意味で趣味性の高い商品でもってそこにコミュニティを存在させるって言う手法はありなんだと思う。

そういう意味で自転車業界的にたいした商品じゃないんだけど、ネット業界的には本当に興味関心が強い人だけが集まったSNSを構築するツール、という意味である種革新的な商品ではあります。


問題はSNSの位置づけをどうするかってことで、おそらくブリヂストンはこのSNSから収益を上げようとは考えてないんじゃないかなあ。個人的にはemetersとは別に月会費300円ぐらいなら入ってもいいと思うけど。

あとは広告ビジネスとかっていう可能性もあるかもしれないけど、そもそもemetersを買った人しか入会できないのでUUとかPVとかいう数字じゃ広告媒体としての価値はないよね。

ただユーザーの興味関心はずば抜けて高いので、それに関連した何か、例えばブリヂストンのオンラインショッピングとか楽天のアフィリエイトを組み合わせるとかっていう可能性はあるかもしれないけれど。