現代文ルート:ステージ3(私立) | サランの受験勉強応援ブログ

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 前回はステージ3の国公立を念頭においた記述式問題の解法を学ぶ参考書の紹介でした。今回は私大を念頭に置いた参考書の話になります。

 

 最初に脇道

 僕は私大用の特別な対策がどこまで必要なのか今でも確定できていません。

 そもそも読むという行為に関しては国公立にも私立にも差はありません。同じ現代日本語で書かれた文章で、読む人間の大多数は現代日本語の母語話者です。制限時間と文章の長さの関係によって読みの戦略という観点が出てくるかもしれませんが、身につけるべき読解法は変わらないはずです。

 また解法に関しても国公立と私立で大きな差はありません。傍線問題なら内容説明でも理由説明でも解答の根拠を拾い想定解を作るところまでは記述式とほぼ変わりません。記述式の解法を教える参考書でも、私大を見据えた解法を教える参考書でも、学ぶ発想はほぼ同じになっているはずです。私大は様々な設問形式が存在しますが、解法の基本にあるものは同じであり、それは記述式の問題を解く参考書でも、なんならステージ2までに勉強する参考書でも学べます。(たとえば『短文からはじめる』や『基礎講義』などは解答への意識も強く出した上で、内容を整理して提示しています)

 そういうわけで、わざわざ私立への特別な対策というものに時間を使わずとも、志望校関係なく文章を読む力をつけて、記述式問題と同じようにして解答を論理的に導けばいいと考えてきました。書くように選ぶ、それでいいのではないかと。

 以上の考えをもとにすると、自然と思い浮かぶ選択肢は「ステージ2→問題集→過去問」か「記述式問題の解法→問題集→過去問」の2つです。私大専願なのに記述式の解法をガッツリ勉強させられるのはしんどいという方は「ステージ2→問題集→過去問」という道になります。

 しかし、せっかくルートを作るのだから私大用の参考書を提示したい…。ステージ3以降の問題演習が、理論や方法を使いこなせるようになる場としての「演習」となるように何かを示したい…。

 みたいに悩んで唸っていました。

 以上、脇道

 

 さて、ここで欲しいものは、選択式問題の解法を、選択式問題を中心的に扱って提示している参考書です。

 

 まず設問形式別の解法を意識したものを挙げましょう。

 『柳生好之の現代文プラチナルール』は設問形式別の解法を提示している参考書です。これはステージ3後の問題集として『ポラリス』につなげやすいという利点があります。

 問いの内容的違い(内容を答えるのか理由を答えるのかなど)に即した応答の仕方から始め、その方法を使い形式的な違い(記述か空欄補充か脱文補充かなど)に対応できるように構成してあります。

 何に着目しどのような順序で頭を動かしていくか、再現しやすい解法が紹介されているので、真似を繰り返して身につけるという勉強がしやすい参考書だと思います。

 ステージ3の国公立編でも名前を出しましたが、記述式対策の問題数は多くないので私立編で紹介することにしました。記述式対策をメインで進めたい方には前回の記事でお薦めした参考書の方が適していると思いますが、この参考書をやってもいいと思います。

 

 『入門編現代文のトレーニング』も設問形式別に基本的な解法を提示して、その解法に沿いつつ実際の問題を解決していく参考書です。設問の解説は各選択肢も詳細に検討しているため、正答は分かっても他がダメな理由は分からないままということは無いかと思います。

 問題文自体の解説も詳しく、段落の関係に基づき重要な箇所をあぶり出すという方法を使っています。マーキングをしているものの『読解の基礎講義』とは違う基準でマーキングしていることには注意してください。もちろん『入門編現トレ』の読み方を取り入れるのもありです。出来るのであれば積極的に吸収していきましょう。

 

 

 設問形式別に構成したもの以外で、設問をただの問題集として解説するだけではなく、汎用性を考慮した方法を学習者が正答を導く道具として認識するように強調して提示している参考書を探すと、

 『選べる書ける真現代文[解答作成法大全]』

 『基礎から学べる入試現代文』

あたりになるかなと思います。

 どちらも代ゼミの青木先生の参考書です。(はしがきには問題集と書かれているんですが)公式見解は問題集なんですが、「強調して提示している」ということが学習者が意識しておこなえるようになるには大事だと考えて参考書としてここで紹介しています。

 普通の問題集みたいに、方法を解説の中で書いてあるからOKという態度では、学習者が意識できないのではないかと思っちゃったりするので。(それを良しとするなら普通に問題集をやればいいって言えば良くなります。わざわざ私大用のステージ3を作る挑戦の意味も無くなっちゃいます)

 

 『選べる書ける真現代文』は解答の根拠を拾う道具を「解答作成法大全」として提示した参考書です。解法のネーミングにギャグっぽいところがありますが、やっていることは基本的に真っ当です。文法的な形式に依拠した解法・イコール関係を利用する解法・対比関係を利用する解法がほとんどになっています。これらの大全のうちどれかが使えないかと常に身構えて問題演習に臨むべしというような、解答へのとっかかりや選択肢を選ぶ決め手が示されています。

 ただ、一番初めに提示される方法が「本文は、1行目から読むな」というもので、僕はこれがどうにも……。この方法を無視するなら、『選べる書ける真現代文』をお薦めできます。

 また、7問中3問がガッツリ記述式問題だというのも微妙な点です。結局私大対策としては記述式問題の解法を学ぶ参考書と同程度にヘビーになっちゃいます。私大でも記述式が出る大学を志望する方は逃げずにやりましょう。これは『プラチナルール』と同じです。

 

 一方『基礎から学べる』は、『選べる書ける真現代文』の微妙な点を克服していて、問題は選択式がほとんどであり、「本文は、1行目から読むな」というアクロバティックな読解法もありません。

 『選べる書ける真現代文』と比較した特徴として、他には、読むまでの下準備や読む際の手順、読みながら解けるものは解くという方法など、全体的により実践的・現場的であることが挙げられるでしょう。

 一方、本文に書きこんでの解説が『選べる書ける真現代文』より少なく、方法のイメージが掴みにくいように思います。僕は書き込みが好きなのでこの点で評価を下げてしまうのですが、書き込み無しでも問題ない方はこちらでもいいのかなと思います。

 

 私大用に設問を解くための道具を増やすという観点で言えば、取り組みやすい方でいいと思います。

 

 

 他はあと問題集になるかなという印象です。問題集をやればどこかのタイミングで解法に触れられるということになるのが普通でしょう。レベル別の問題集やシリーズものを全部通せば持つべき道具は揃うということになると思います。

 

 

 ちょっと悩んで解法の導入を国公立編と私立編で分けてみたんだけど有効だったかなあ……?