「天外者」のパンフレット。
初回で買えたのに、最近やっときちんと読むことができた。
田中監督と翔平さん、西川さん、森川さんの4人のインタビュー記事の中で、田中監督が翔平さんに「龍馬の靴、あとですごいことになるから」と言われたと書いてあった。なんとなく頭に残したまま、でも何のことだかわからないでいた。
お恥ずかしい。
やっとやっと10回目にしてその謎が解けた!(と思っている)
龍馬の登場はとても印象的だ。
ああいった演出は私は見たことがない。
勝先生の部屋に入っていって、リンゴをかじりながら会話をするシーンの冒頭。
右足、左足、コツコツ。画面いっぱいにブーツのみのアップ。
姿は見えずとも誰なのかすぐわかる!
監督、さすがです!
(おまけに姿が見えたら、着物の袖に龍!)
そのブーツが後に続いている。なんて粋な仕掛けを。
それは最後の大阪商工会議所でのシーン。
五代の人生を賭けた名演説だ。
そして龍馬はすでに亡き人である。
岩崎弥太郎と会議所面々 VS 五代友厚。
最初はそのように見えた。
でも野次の嵐を一人で受けながら咳き込み、口元を押さえた五代のハンカチを見てしまった弥太郎のあの表情。
あの表情で、友情は壊れていなかったのだとわかった。
驚き、そして悟った弥太郎の表情、そこにフェルメールを思わせる画面右上からのライティングの美しさ。忘れられない。
そこから弥太郎は一見煽るように、しかし五代がちゃんと自分を表現できるように強めの誘導をしていく。
「私の本心は金ではない」
「金も名誉もいらない。私は夢のある未来が欲しいだけだ」
「はっきり言って、儲けも出せんようなもんを商人(あきんど) とは 呼ばん!」
「私には100年先の日本が見えておる!」
「今は皆で力を合わせる時だ!」「前に進まねばいかん!」
「大事なのは目的だ」
「利用できるもんは何でも利用しろー」
「何も持たんもんは俺を利用しろ!」
「これからはー あきんどがー 世界を動かす!!」
「どでかい海を知るんじゃ!」
「みんなで力を合わせて進むんじゃ!」
「俺にまかせろー!」「俺に ついてこい!!!」
この白熱した演説を聞きながら、弥太郎は言った。
「うぬぼれが戻ったのう。そうじゃ、それでいい、お前はお前の 道を行け」「のう、龍馬」
と、その時だ。
その瞬間、弥太郎の足元が映った。
弥太郎は龍馬のブーツを履いていた!
そして笑みを浮かべながら、騒然としている会議所から
一人去っていった。
は〜〜〜、ここだったんだ。
龍馬の体は無くなっても、彼の志は五代や弥太郎とともに生き続け、未来に繋がっていくんだとブーツが語る。
そうわかったらいつも以上に涙が溢れて溢れて止まらなくなった。
