今回のレースで亡くなられたMarco Simoncelli選手に哀悼の意を表します。
そして「ありがとう」と感謝したい。
もちろん、残念であり、信じ難く、悔しくもあり、悲しくもある。
しかし、オレ達がそう思ってグズグズするより、「ありがとう、マルコ・シモンチェリ!」と言った方がシモンチェリもうかばれるような気がするんだよね。
誰も死のうと思ってレースなんかしてないから、当の本人もさぞかしビックリしているだろうね。
続きはワタシのレース経験からの勝手な事故解析です。
あのアクシデントの解析はFIMだかなんだかがやってるだろうけど、ワタシもこれまでに培ってきたレース経験から「勝手」に解析・分析してみたいと思う。
まずはバウティスタのオンボード映像から。
シモンチェリ(以下、Sic)のマシンが深過ぎたバンクにより、スライドし始める。(ブラックマークがついている)
映像を見始めた時はリアタイヤの接地部分からブラックマークが付いていたので、リアタイヤが滑ってるもんだとばっかり思ってた。
が、よくよく見てみるとリアは滑ってないんだよね・・・フロントタイヤが滑ってたんだ。
そう考えるとSicの左足がステップから外れる事の説明がつくのだ。
リアがスライドしているなら、あのマシンの向きでスライドするのはおかしいし、左足も外れない。
リアだけだったら、四六時中ドリフトさせているライダーがあんな風にずり落ちるはずが無いもの。
かなりバンク角も深かったし、2週目という事もあって完全にはタイヤの温度が上がっていなかったんじゃないかな・・・フロントタイヤは転がってるだけだから、リアよりも温度が上がるのが遅いしね。
スピードも相当高かったと見受けられるし。
ズルズルとそのままスライドし続けると同時に滑る勢いとバンク角が増し、マシンからSicが落ちそうになる。
が、ソコは長身のSic、立て直そうとなんとかマシンにしがみついて踏ん張る。
映像を見て頂ければ分かると思うが、左の手足は外れかかっているが右手はアクセルを握り、右足はステップに乗っているように見える(右足全体と右肘を路面に押し付けている)。
このSicの踏ん張りによってマシンはタイヤを路面から浮かす事無くグリップを回復、マシンも速度が落ちたせいで向きが変わっている。(映像には無い)
Sicはぶら下がり、カラダを路面につけた状態でコントロール出来ず、イン側へ流されていく。
イン側へ向かおうとする瞬間、ヘイデンがSicを避けて追い越して行く。
ココからはエドワーズ(以下Edw)とロッシ(以下Ros)を追っていたコース外のカメラ映像から。
先に言っておくけど、オートバイって傾けた状態で走らせると、傾いている方向へずっと曲がり続ける物で、速度を上げると大きく回り、速度を下げると小さく回っていきます。これはクルマも同じだけど・・・定常円旋回って言うんだっけ。
Sicがしがみついてバランスが取れてしまったマシンはスライドによって速度が落ちてグリップを回復、インに向かって走りはじめてしまう。
要はSicがマシンのつっかえ棒というか、補助輪的役割になってしまった・・・という事。
多分、しがみついてるからハンドルを右へ切った状態だったんだろうと。
SicはEdwの前へ。
この時Sicはもう踏ん張っていられなくなってた。
Edwが衝突する直前、マシンからさらにずり落ちはじめてた。
Edw、Sicが画面の中に入ってくる直前に気付いた(イン側の縁石から離れてスグの辺り)らしい・・・マシンの動きがおかしくなる。多分何とか避けようと努力してたんじゃないかな・・・
それに気付いたRosは多分(?)だったんじゃないかな。インへ行こうとしているように見える。
Rosはアタマをイン側へ落として走るタイプだから、アウト側はあまり見えないハズ。
アノ速度でアノ状況、どうにも出来やしない。
良く見ていると、ヘルメットが脱げてSicのアフロが見える所があるんだ・・・
もういいだろ?書かなくて。
報道では「シモンチェリ転倒」みたいな事を伝えてるところが多いが、ライダーの気持ちとしてアレは「転んでない!」と・・・
Sicもそう思ってるんじゃないかな。
単独だったら復帰してた可能性あるもの・・・オレも経験あるし。
ソレはさておき・・・
シモンチェリ・ファミリーはもちろん、当事者であるエドワーズ、ロッシ両選手とチーム・グレシーニのみんなのメンタルケアをお願いしたい。
グレシーニさんは加藤大二郎も鈴鹿で亡くしている。
亡くなってしまったマルコ・シモンチェリ選手が安らかに旅立ってくれる事を祈る。
そしてこれまでたくさん楽しませてくれた事を感謝。
さらには、シモンチェリ・ファミリーにも感謝。
マルコのお母さんが、ファンの皆さんは泣かないで・・・というようなコメントを出しているとドコかで読んだ。
やっぱり捧げる言葉は「ありがとう」だろ。
合掌
Ciao Marco
Grazie Simoncelli