現在発売されている「AERA」に、英語民間試験に反対するという記事が載りました。
英語民間試験「中止」「延期」が9割 高校生が直訴する異常事態
扇動にならないよう抑えたトーンで冷静に書かれており、よくまとまっている記事だと思います。
AERAどころか雑誌そのものをあまり買わないのですが、今回は買って応援ということで買わせていただきました。
私も記事同様、大学入試への英語民間試験には反対しております。
理由は主に4つ。
1つ目は、先ほどの記事にも載っている通り、受験機会の公平性が保たれないということ。
同じ英語力を持った生徒間でも、数多くの試験を受けることができる、お金に余裕がある家庭、都会に住んでいる家庭が有利になってしまいます。
2つ目は、一部のテストで、厳格に英語力を測っているか疑問なものがあるということ。
以前のブログで紹介したように、英作文であり得ないような答案に点が与えられていたり、
スピーキングの試験では、隣の席の話す声が聞こえて、それをオウム返しするような事態が起きていると聞いています。
3つ目は、特定の営利団体に高校からの利益供与があるということ。
先日文部科学省が開設したまとめページ、中段「4.英語資格・検定試験活用に関する各試験実施主体の取組の内容」の最初にある「試験監督の考え方 (PDF:65KB) 」を見ると、民間試験の実施には各高校の施設および教職員の協力が必要なものがあります。
おそらくこれは無償の協力であり、施設利用料や教職員の手当などが支払われることはないでしょう。
検定によって利益を得る企業が、高校だけは「タダ働き」させるというのは、道義としていかがなものかと思います。
4つ目は、将来的に問題が簡単になる、英語力を必要としない問題になる恐れがあるということ。
大学入試に参加する英語民間試験は22種類あり、入試へはそれらを区別せずに利用します。
しかし現時点で既に、この22試験の中で、点の取りやすい試験と取りにくい試験に差があると言われています。
そして各民間試験団体は、受験者が増えるほど利益が出るわけですから、できるだけ点の取りやすい試験にすることで、受験者を増やそうとすることは目に見えています。
試験を簡単にすることもできますし、試験の対策本を出版し、その本の内容そっくりな問題を出すなどということも可能です。
結果、「対策がうまい」生徒ばかりが高得点を取り、英語力を問われない試験になる可能性があります。
毎度同じことを書いていますが、できれば今からでも、旧来のセンター試験に戻す。
かなわないなら、大学の方が民間試験を入試要件から外していく。
なんとか実現できないものかと思います。
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