時々「思ったより力がありますね。」
そんなふうに言っていただくことがあります。
お力加減をお聞きすると、強もみでしっかり揉んで欲しいとおっしゃるお客様の中には、私を見て少し不安そうな表情をされる方もいらっしゃいます。
「この人で大丈夫かな。」
そんな気持ちが表情に書いてあることも少なくありません。
そして、しっかり揉んで欲しいとおっしゃるお客様は、
「いつも身体が硬いねと言われるんです」とお話しされる方も少なくありません。
そしてお帰りの頃には「思ったより力がありますね。」とおっしゃっていただくのですが。
もし本当に腕力だけで押し続けていたら
私は息切れがして、お客様とお話をする余裕すらないと思います。
実際の私は、加齢に伴いどんどん筋力が下がっています。若い頃には
何枚も持てた大きな陶器のお皿も、今では片手では持てないほど軟弱で、握力もありません。
お一人を終える頃には汗だくなのは変わらずですが、お喋りしながらでも呼吸を乱さずに最後までしっかり揉める理由は力技を使っていないからに他なりません。
ただ以前よりもゆっくり動くようになりました。
その理由は
人の身体の構造。
身体のパーツ同士がどう連携して動いているのか。
生活習慣と今の身体のつらさとの関係。
たくさんのお客様と出会い、教えていただいたことと、教わってきた事のあれこれが私の中で少しづつ一致してきた流れで、今のようになったのだと思います。
同じ身長の人はいません。
同じ体格の人もいません。
同じ暮らしをしている人もいません。
でも、人の身体の構造は同じです。
だからこそ、1番大事なことは、その方の暮らしや身体の使い方を伺いながら、その日の作戦を組み立てていくこと、そしてお身体の声に集中すること。
私は、お話を聞く時間もお仕事の一部だと思っています。
質問をたくさんするということではありません。
何気ない会話の中にも、その方のお身体のひずみを知るヒントがたくさんあるからです。
anoʻanoケアは、ベッドに横になっていただいてから始まるものではありません。
今だけ気持ち良ければ終わり。
ではなく、
明日も、その次の日も、少し身体が楽でいられるように。
それを目指してお客様と二人三脚で行うケアです。



