映画『ビリーブ 未来への大逆転』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2019年6月1日(土)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、12:40~鑑賞。

「ビリーブ」 (2)

作品データ
原題 ON THE BASIS OF SEX
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 120分


「ビリーブ」 (1)

 “RBG”の愛称で親しまれるアメリカ合衆国最高裁判所女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg、1933~)の若き日の物語を描いた伝記ドラマ。1970年代のアメリカで男女平等裁判に挑んだヒロインの不屈の闘いを、彼女を支えた夫との関係とともに描き出す。主演は『博士と彼女のセオリー』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズ。共演にアーミー・ハマー、ジャスティン・セロー、キャシー・ベイツ。監督は『ディープ・インパクト』『ペイ・フォワード 可能の王国』のミミ・レダー。

ストーリー
「女子学生は男子の席を奪ってまで入学した理由を話してくれ」 ― ハーバード大学法科大学院に入学したルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、女子学生歓迎会の席で、学部長のグリスウォルド(サム・ウォーターストン)からそう促されて驚く。時は1956年、500人ほどの新入生のうち女性はわずか9人、ルースは「法科の2年生にいる夫のマーティン(アーミー・ハマー)を理解できる良き妻になるためです」と皮肉たっぷりに答えるのだった。
子育てと家事を夫と分担しながら、弁護士になる夢へと踏み出したルースだが、突然マーティンが倒れ、癌を宣告される。「絶対にあきらめない」と夫を励ますルースは、彼の講義にもすべて出席し、代わりにノートをまとめる。ルースの献身的な看病で回復したマーティンは、無事にハーバードを卒業、ニューヨークの弁護士事務所への就職が決まる。ルースはマーティンと片時も離れないために、コロンビア大学法科大学院へと移籍するのだった。
1959年、大学院を首席で卒業したルースは、大きな壁にぶつかる。“女性・母親・ユダヤ系”であることを理由に、13の弁護士事務所全てで就職を断わられたのだ。弁護の現場で活躍することを諦めたルースは、ラトガース大学の教授に就任する。
1970年、ルースは学生たちに、性差別と法について教えていた。憲法では「すべての人間は法の下に平等」と定められているのに、「女性は残業禁止」「夫の名前でしかクレジットカードが作れない」など、堂々と男女差別を認める法律が、数多く存在していた。そんな法律を変えようと情熱に燃える学生たちを、弁護士に育てるのがルースの仕事だったが、マーティンには「わたしが弁護士になりたかったのに」と、つい不満をぶつけてしまう。
そんなルースに、マーティンはある訴訟の記録を見せる。それは、親の介護費用控除が認められなかったチャールズ・モリッツ(クリス・マルケイ)という男性の事例だった。モリッツは働きながら母親を介護するために、介護士を雇ったけれども、未婚の男性であるという理由でその分の所得控除が受けられない状態にあった。当時の法律は家を守り、親を介護するのは女性の役目という考えに基づいており、その条文には「介護に関する所得控除は、女性、妻と死別した男性、離婚した男性、妻が障害を抱えている男性、妻が入院している男性に限られる」とあり、税金の控除が一度も結婚したことがない男性には認められなかった次第。ルースはもしこの男性差別の法律を憲法違反だと認めさせることができれば、“男女平等”~男性への差別⇒女性への差別⇒性差別全て~への第一歩となると気づき、自ら無償でモリッツの弁護を買って出る。
ルースは米国自由人権協会(ACLU)のメル・ウルフ(ジャスティン・セロー)に協力を求めるが、「勝てるわけがない」と断わられてしまう。マーティンのボスも訴訟への関与は許すが、「絶対に勝てない」と断言する。ルースは女性の権利のために長年闘ってきた憧れの弁護士ドロシー・ケニオン(キャシー・ベイツ)にアドバイスをもらおうと会いに行くが、「社会が変わらないと法律は変わらない。まだその時期じゃない」と、冷たく追い返される。
八方ふさがりのルースに勇気をくれたのは、娘のジェーン(ケイリー・スピーニー)だった。15歳の女の子が活動家の集会へアクティブに出かける姿に「時代は変わった」と刺激されたルースは、訴訟の趣意書を書き上げ、ケニオンに送る。その内容に心を打たれたケニオンは、ルースと共に闘うようにウルフを説得してくれるのだった。
「わたしのために闘って」という娘の言葉を胸に、弁論の練習を重ねるルース。だが、この裁判が、自分たちが守ってきた、男女を区別するすべての法に影響すると気づいた政府は、プライドをかけてルースをひねりつぶそうと、必勝の作戦を練り上げる。果たして、完全にアウェイな法廷で、最強のチームを敵に回したルースの闘いの行方は…?

▼予告編




音符 主題歌 ケシャ(Kesha、1987~) “Here Comes The Change” 〈MV 字幕入り〉→〈Lyric Video〉