
作品データ :
原題 A GERMAN LIFE
製作年 2016年
製作国 オーストリア
配給 サニーフィルム
上映時間 113分

Ms. Pomsel in the 1950s
第二次世界大戦中、ナチスの悪名高き宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書を3年間務めた女性ブルンヒルデ・ポムゼルの30時間に及ぶ独白インタビューを捉えたドキュメンタリー。「あの時代にナチスに反旗を翻せた人はいない」と話す一方で、「ホロコーストについては知らなかった」と語る彼女の証言を通し、20世紀最大の戦争と全体主義の下で抑圧された人々の人生を浮かび上がらせていく。クリスティアン・クレーネス、オーラフ・S・ミュラー、ローラント・シュロットホーファー、フロリアン・ヴァイゲンザマーの4人の監督が、撮影当時103歳のポムゼルへ69年の沈黙を破るインタビューを敢行。
1911年1月11日ベルリン生まれ。1942年から1945年までゲッベルスの秘書として働く。1945年、第二次世界大戦終戦後、ソヴィエト軍に捕らえられ1950年までの5年間、強制収容所に抑留される。1950年に釈放され、1971年の定年退職までドイツ公共放送連盟ARDで働く。2017年1月27日、ミュンヘンの老人ホームで106歳で死去。
1897年10月29日生まれ。国民社会主義ドイツ労働者党(ナチス)・国民啓蒙・宣伝大臣としてプロパガンダを管轄し、大衆をナチス支持へと扇動した。1945年5月1日、第二次世界大戦終戦間際、ヒトラーの自殺を追って、総統地下壕で家族(妻マクダと6人の子)とともに自殺する。
ストーリー :
1911年、ベルリンに生まれたブルンヒルデ・ポムゼルは、第二次世界大戦中、1942年から終戦までの3年間、ナチスの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書として働き、近代史において最も冷酷な戦争犯罪者のそばにいた人物である。いくつもの高精度カメラは、ポムゼルの深く刻まれた顔の皺や表情だけでなく、瞳の奥に宿す記憶をも鮮明に捉える。幼少の頃の父親の思い出、初めて出来た恋人の話、ユダヤ人の友人の面影、そして“紳士”ゲッベルスについて…。103歳とは思えぬ記憶力で、ポムゼルはカメラに語りかける。また、ナチスを滑稽に描くアメリカ軍製作のプロパガンダ映画や、ヒトラーを揶揄する人々を捉えたポーランドの映像、ゲッベルスがムッソリーニとバカンスを楽しむプライベート映像、そして戦後、ナチスのモニュメントを破壊する人々やホロコーストの実態を記録した映像等、世界各国で製作された様々なアーカイブ映像が挿入される。「いわれたことをタイプしていただけ」と語りながらも、ポムゼルは時折、表情を強張らせて慎重に言葉を選んでいく。それは、ハンナ・アーレント(Hannah Arendt、1906~75)(cf. 本ブログ〈February 09, 2017〉、本ブログ〈May 13, 2017〉)における“悪の凡庸さ”をふたたび想起させるのだった―。
▼予告編
▼ cf. “ヨーゼフ・ゲッベルス” [「ヒトラーと6人の側近たち」 第1回 「ヨーゼフ・ゲッベルス」1/3→2/3→3/3(制作:ZDF〈ドイツ 1996年〉)] :