映画『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2016年10月8日(土)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、18:10~鑑賞。

作品データ
原題 THE BFG
製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 ディズニー
上映時間 118分


「BFG」(2)「BFG」(1)

『チャーリーとチョコレート工場』の原作者ロアルド・ダールのロングセラー児童書『オ・ヤサシ巨人BFG』をスティーヴン・スピルバーグ監督が実写映画化したファミリー・ファンタジー・アドベンチャー。10歳の孤独な少女と心優しい巨人を主人公に、2人の間に芽生える奇妙な友情と、世界を救うために2人で繰り広げる大冒険の行方を描く。主演は少女ソフィー役にイギリス出身の新人ルビー・バーンヒル、巨人のBFG役に『ブリッジ・オブ・スパイ』で第88回アカデミー賞助演男優賞に輝いた、イギリス演劇界のレジェンド、マーク・ライランス。

ストーリー
ソフィー(ルビー・バーンヒル)はメガネをかけ、いかにも好奇心旺盛な少女。身寄りがなく、ロンドンの孤児院(字幕では「児童養護施設」)で共同生活を送っていた。彼女はみんなが寝静まった後に、こっそり読書をしたりするのが大好きだ。
そんなある日の深夜、一人で起きて読書していると、外で大きな物音がする。孤児院では深夜に窓に近づいたり、外を見ては行けないという決まりがある。
しかし、ソフィーは気になって外を見てしまう。そこで見てしまったのは、建物向こう側に見えた大きな手。びっくりするソフィー。思わず体が固まってしまう。固唾をのんで、ただ見ているだけ…。とうとう巨人と目が合い見つかってしまう。
徐々にソフィー近づいてくる巨人。部屋の中に戻り、慌ててふとんに包まり隠れるソフィーだが、窓から大きな手が侵入してくる。ソフィーは抵抗することもできず、ふとんごと連れ去られてしまう。
連れて行かれた先は、何と巨人の国だった。
もしかしたら、食べられてしまうのではないかと不安をいだきながらも、巨人の主食が巨大キュウリだと分かり、ソフィーは一安心。そして、話をしてみると巨人は孤独であり、とても優しいということが分かる。
ソフィーは巨人をBFG(マーク・ライランス)と呼ぶことにした【BFGとはBig Friendly Giant大きな優しい巨人のこと】。
BFGは夢を収集したり、夢を届けたりすることができる不思議な力を持っていた。BFGの家には不思議な瓶が沢山あり、そこには色々な夢がコレクションとして入っている。
ところが、巨人の国に住んでいたのはBFGだけではなかった。BFG以外にも9人の凶暴な巨人が住んでいた。しかも、凶暴な巨人たちはBFGの体よりはるかに大きく、いつもBFGをいじめていた。
この凶暴な巨人たちの大好物は、何と人間の子供だ。人間(の子供)を人間マメ(Human beans)と呼び、まるでスナック菓子のマメのように食べている。
こんな巨人の世界で、ソフィーはBFGに守られながらBFGの自宅で暮らし始める。そして、おいしい料理と幻想的な風景の中で思い出を重ねていく。ソフィーにとって人生の中で最も楽しい時間が過ぎていく。
ある時は人間世界にソフィーとBFGが一緒に行くこともあった。BFGが子供に夢を届ける光景を眺めたり、夢の中も覗き見することもあった。
そんなある日、BFGは巨人の国は危険なのでソフィーに孤児院に帰るように促す。そして、BFGはロンドンの孤児院の前にソフィーを連れて帰った。
BFGはソフィーにここでお別れと告げる。ソフィーは「いやだあ!一緒に居たい」と叫ぶ。しかし、BFGはそのまま去っていってしまう。
ソフィーは一度孤児院に入り、2階のベランダに出て立つ。「あなたが、ここにいるの分かるわ。私ジャンプするから」と言い、ソフィーはベランダから飛び降りる。すると、どこからともなくBFGの手が出てきて、ソフィーが落下している時に救い上げる。
BFGは再びソフィーをカバンに入れて巨人の国に連れて帰った。時々は9人の凶暴な巨人たちがBFGの家を訪れて、人間のにおいがすると言って、暴れることもあった。
そんなある日のこと、9人の凶暴な巨人たちがイギリスへ行って子供たちを食べるという計画を知る。そこでソフィーはアイディアを考えつく。それはまず、BFGが巨人たちが子供たちを襲い食べてしまうという夢を作り上げ、その夢を瓶に閉じ込めること、次にロンドンのエリザベス女王のもとへ行き、その夢を見てもらうこと、だった。
さっそくBFGとソフィーはバッキンガム宮殿へ向かった。BFGとソフィーはバッキンガム宮殿にうまく忍び込むのに成功する。続いて、BFGの不思議な力でエリザベス女王に「巨人たちが子供たちを襲い食べてしまう」夢を見てもらう。
ソフィーは窓際に立ち、エリザベス女王が目を覚ますまで待つ。やがて、エリザベス女王が目を覚まし、ソフィーを見て驚く。
「どこから入って来たの?」とエリザベス女王。そして、夢のことを思い出して、「巨人があなたをその窓際まで運んだのね」と言う。ソフィーはBFGを呼び、事のあらまし(巨人たちがロンドンへ来て子供たちを襲い食べてしまう計画)を説明する。
エリザベス女王は直ちにイギリス軍の陸海空軍の総統を呼び、何としても阻止するように命令した。
イギリス軍のヘリコプターは、BFGに案内されて人間の世界から巨人の国に向かう。巨人の国の入り口付近で、ヘリコプターの計器が全て故障状態になり、まもなく暗雲を抜けると、巨人の国だった。
BFGとソフィーは、巨人の国へ戻ると、まずは自分たちだけで9人の凶暴な巨人たちを捕らえようとする。しかし、反対に捕まりそうになって危機的状況に陥る。その時、イギリス軍のヘリコプターが現われ、網縄で次々に巨人たちを捕らえる。9機のヘリコプターは、凶暴な巨人たを輸送し、そして絶海の孤島に運び、降ろす。
あたりには何も無い孤島が9人の凶暴な巨人たちの牢屋代わりとなった。巨人たちは大声を張り上げるものの、そのまま置き去りにされてしまう。
そして…
ソフィーはバッキンガム宮殿の寝室で目を覚ます。女王陛下にバッキンガム宮殿に住むことを許されたのだ。
ソフィーは回想するように頭の中で言う。「BFG、あなたやあなたの世界が懐かしいわ」≪END≫

▼予告編