保健室の女先生の「高校へ進学して大学へ行きなさい」とゆう言葉はアタシの中に確実に焼付けられた


相変わらず学校にもまともに行かず、家にも帰ったり帰らなかったり毎夜遊び歩く生活は変わらなかったけど…


ただ、高校の入試の申込みの締め切り寸前に3校申し込んだ 何故そうゆう行動をしたか、それは女先生の言葉だ


あの人の言葉でアタシは動かされた


入試の希望を出しただけなのに、それだけでも担任は驚いていた


そしてそれからも生活は変わらなくて1校は入試の日に家に帰らずすっぽかした


それからあと2校が残るわけなんだけど、本当にたまたま家に帰ったら翌日が入試だったことがあった


その時のアタシはやっぱり高校なんて行かなくていいやって思ってて、その日もしばらくしたら外に出かけるつもりだった


外に出かける準備をして玄関に向かうとうちのママンが仁王立ちをしていた


「明日の試験だけは受けなさい」


そう言って頑としてどこうとはしなかった


アタシもママンとの問答に疲れて夜中に出かけたらいいやと思い自分の部屋に戻った


食事をしてお風呂に入ってから部屋で時間が過ぎるのを待っていた


夜中の多分2時過ぎだったと思う


部屋の外の様子を伺うと静かで皆寝ていると思い荷物を持って玄関に向かった


内ドアを開けると、この夜中にまたママンが立ち塞がっていた ∑(´・ω・|||)


アタシは呆れるとゆうか驚きで「もうええやん アタシ高校行かへんし」とママンに向かって言った


それに対してママンは

「行こうと行くまいとあんたが最後は決めたらいい 

でも試験を受けるか受けないか、それであんたの道が一つ増えるの だから試験だけ受けなさい」


そう言ったあとこう続けた

「あんたがどんだけここを出て行こうとしても今日は私はここから動かないから

あんたも諦めなさい 明日入試会場まで一緒に行って先生に預けるまでは私も寝ないしあんたにへばりつくからね」


うちのママンのど根性は親子だから嫌というほど知っていた


仕方なく部屋に戻りその日は大人しく寝た


翌日ママンに起こされ、前夜宣言した通りタクシーに一緒に乗り込んで担任にアタシを預けるまで本当に着いてきた


いざ試験となると、大して難しい問題も出てなかったのであまり考え込むこともなく終わるまで何事もなかった


試験が終わるとすぐに家に帰って寝ているママンに声をかけて出かけた


結局この1校しか受験しなかった


適当に済ませた試験だし、受からなくて当然と思っていた




そしてアタシはその頃、浪人生だったS君と付き合いはじめていた


夜遊びの最中にナンパされたのがきっかけだった


思いの他真面目で優しい笑顔がアタシのハートに響いたので付き合う事にした


当時流行ってたダッフルコートがトレードマークのようにいつもそれを着ていて、またそれが似合っていた


アタシはいつもつるんでた連れ達と居るよりS君と行動をともにする事が多くなっていた


S君はアタシのこと大事にしてくれて居て、手を繋いだりはしていたしキス位はしていたけど決してそれ以上の事をしなかった


家出娘だったアタシはS君の友達の家にS君と一緒に泊まる日が続いていて、お互いあまりお金を持っていなかったので晩御飯はいつも(のり弁)を食べて過ごしていた


それでも一緒に居れるのが嬉しくて、S君もいつもアタシを連れていてくれた


あまりにアタシに手を出さないので直接S君に聞いたら


「まだ15歳でしょ 手を出していい年じゃないよ

大好きだし、そうしたいけど中学卒業するまでは我慢我慢」


といつもの優しい笑顔でアタシの頭をポンポンとしてくれた


そうゆうところもアタシがS君を好きになった理由の一つだった



S君はアタシが高校を受験したことを知っていて、自分も大学の試験とかあるから一度家に帰る様に促された


アタシは言われた通り家に帰ってS君と電話で話すようになった


アタシの受験結果がわかったら一度会おうと話をして、アタシはその日を心待ちにしていた


あんだけ行かないと言っていたけど、いざ結果発表の日を迎える頃になるとドキドキしていた


そして発表当日、ママンに付き添われ結果を見に行くと


合格してた


1校しか受けなかったのにね


本音はビックリしていた。そして、進学するのかどうかをすぐに考えた


考えは纏まらなかったけど、まずはS君に会いたくてその日の晩によく二人で遊んでたゲームセンターのエスカレーター前で待ち合わせた


時間を過ぎてもS君は現れず、店も閉店時間を迎え…それからもしばらく待っていたけど寒さにも耐えられなくなりその日は家に帰った


翌日S君から電話があって前夜は急に下宿先の友達が体調が悪くなってどうしても待ち合わせ場所に行けなかったと言っていた


それで改めてその日会うことにした


久しぶりに会うS君は、やっぱりダッフルコートを着てて高めの身長に優しい顔をしていて改めてアタシをドキドキさせた


近くの公園でベンチに座って話をした


まず前日のことをすごく申し訳なさそうに謝ってそれからアタシにどの位待ったか聞いてきた


アタシは少し意地悪になって「朝まで待ってたの」と言うとS君は驚いた顔をしてた


それから急に抱きしめられて「寒かったね ほんとごめんね」と言ってダッフルのボタンを広げてコートごとアタシを包んでくれた


「暖かい?昨日寒い思いさせたから…」と言っていた


アタシはドキドキして耳まで熱くなってさっきついた嘘を冗談にする余裕も無かった


しばらくそのままで心地よい暖かさを感じてたんだけど「もう大丈夫だから」って照れくさくてS君から離れた


それから朝まで待ってたてゆうのは嘘だからごめんねと謝ったら、どっちでもいいよとまた微笑んでた


それで高校に合格した話をしたら「○○なら受かると思ってたよ おめでとう」と言ってまた抱きしめられた


「ちゃんと進学しろよ じゃなきゃ俺は○○と一緒に居たくなくなるからね

○○はユキちゃんやらショウコちゃんとは違うんだよ(ユキとショウコはアタシの中学時代の連れ)

 俺も大学受験頑張るから○○も高校行くんだよ」


そう言われた


単純にアタシは進学しようかなってS君に言われたことでそう決めた


でもあの時、女先生の言葉やママンの粘りやS君の後押しが無ければアタシは中卒で満足していたのかもしれない


お祝いにと、S君が初めてディスコ(時代ですね)に連れて行ってくれた


大音量で流れるその時の流行の曲にフリーフードの食事やカクテルやら…


それまでに知らなかった世界に足を踏み入れた感じでアタシは少し大人になった気分だった


S君がすごく大人に見えた


その日は初めてラブホに入って泊まったんだけど、もちろんS君は何もしなくてただ一緒に居ることを楽しんで久しぶりに一緒に寝た


それからはS君も受験やら色々あったけど会えばディスコに連れて行ってくれてアタシもそれまで以上に服装に気を使うようになりS君はそれを喜んでいた


そしてS君も見事大学に合格した


ただその大学は福岡にあった


アタシは喜んだ後に泣き出していた それならアタシは高校行かずに福岡についていきたいと言った


でもS君がそれを承知するわけも無くて…


色々話をして、ちゃんと会いにくるからとS君に説得された


高校進学の知らせを女先生にすると本当に満面の笑みで喜んでくれて、うちのママンも喜んでいて、進学を選んで間違いじゃなかったんだなって本当に思った


アタシは予定通り高校に入学し、遠距離恋愛が始まったんだけど学生のS君はせいぜい1ヶ月に1度しか帰ってこれなくて電話でいつも「会いたい 淋しい」と泣いては困らせていた


やっぱり無理だよ 遠距離なんてアタシには無理なんだ


そして、5月にS君が帰ってきた時に別れる事にした


別れたくはなかったけど、S君もこれ以上泣かれても辛いと…


S君は最後まで優しくてまた抱きしめられて

「大好きだけど、別れるしかないよ 俺は離れててもいつも○○を応援してるからね」

と言った


アタシもS君に自分から初めて、いや生まれてはじめて「大好きだった」って言葉を口に出した


それで「頑張れ」って頭をポンポンとしながらS君が泣いていた


アタシもつられて泣いてしまい、それでも笑顔を作って「バイバイ」って言ったら最後のキスをしてくれた


あのダッフルコートに包まれた公園で、S君の背中を見送った


何度も振り返り、手を振りながら…


アタシは抱きしめられるのが大好きなんだけど、きっとS君がそうしてたからかもしれない


それからS君とは連絡もしていないし、一度も会う事は無かった


ほんとはおままごとから脱した恋愛だと思ってるんだけど、ジャンルが微妙でこのジャンルに書いたけどS君のことはほんとに好きだった


女先生とは高校卒業までたまに連絡をとっていたが、大学に進んでからは連絡も途絶えてしまった


アタシはこの二人の事忘れることは無いと思う


もちろんママンには全ての意味で感謝しているけど、フーゾク嬢だったアタシではなくここにこうしているアタシの根っこを作ってくれたのはきっとこの二人の力もあったと思う


ほんと、S君も女先生も心から感謝してます