ヤスヒコに恋愛対象として見れないと告げてからしばらく時間が経っていた
アタシはその頃、今の彼氏からアプローチをされ始めていて正直付き合いたい気持ちは満々だったけどあと一歩勇気が出ない状態だった
暇にまかせてヤスヒコに電話をしてみた
ほんとに久しぶりだった
ヤスヒコはその間に仕事を変わっていたが相変わらずの生活をしていたようだ
そして、今アプローチを受けてる人が居て付き合いたいけど…と話すと声色が変わった
「お前なぁ…ワシの気持ちわかってて何言うとんねん
お前が付き合うかどうかは知らんけどそんなん聞かれたらワシはやめとけ言うのんわかるやろに」
そう言って笑ってた
言ってる言葉と裏腹な態度にアタシも突っ込みを入れてみた
最近気になりはじめた子が出来たとヤスヒコは言った
まだ好きなのかどうかもわからんし、相手に彼氏が居るとかもわからへんけどなんとなくいいな…と思ってると言ってた
アタシは自分の立場も忘れて喜んだ
でもまだアタシのコトも好きだと言う
「アタシはあんたとはもう付き合わへんよ 前にも言ったけどさ、感謝はしてる
だからね、あんたが気になる子と付き合えたらいいなって思うねん 本当にそう思ってるんよ」
ヤスヒコはしばらく黙っていたけど、その後にもう自分に電話をしないでくれと言って電話を切った
アタシはそれからほどなくして今の彼氏と付き合い始めた
そしてヤスヒコへ最後の電話をした 伝えたいコトが残ってたから
「ごめんね 急に電話して」
「おう どないしたんや?」
「前に言ってた人と付き合うことにしてん」
「…そうか お前がそれでよければええんちゃうか」
「うん そんであんたはどんなかんじなん?」
「ワシか…ワシもまだどうなるかわからんけど付き合う方向になりそうや」
「そうなんや よかったわぁ」
「まあな でもな今度の女の出身が北海道やねや そんで親の体調が悪いとかで向こうに帰りよってん」
「こっちには帰ってくるんでしょ?」
「わからんな まだワシら付き合ってるわけでも無いしな」
「どうすんの?」
「…状況しだいではワシも北海道行こうかと思っとうねん」
「ふふ…成長したみたいね 昔のアンタやったらそんな言葉出なかったやん」
「そやな…これはお前のお陰かもな」
「アタシもあんたのお陰で色々乗り切ってきたし、本当にありがとうね」
「おう ワシもお前が居てお前と付き合って少し大人になったわ ありがとうな」
「もう電話しないけど、あんたには心から幸せになってほしいって思ってる 頑張ってね」
「お前も体も気をつけて、幸せになってくれな 元気でな」
これがアタシとヤスヒコの最後の会話
アタシもヤスヒコもワガママすぎて付き合ってる時はうまくいかなかったけど…
友達としては最高の相手やったやろうと思ってる
表現が下手だったり、自我が強すぎたりする部分もあったけどヤスヒコはちゃんと人を好きになれる
だからこそ、アタシでは上手くいかなかった分を今度こそ上手くいって欲しいって思ってん
いっぱい振り回したお詫びもできてなかったし、最後に伝えた幸せになってほしいって今でも思ってる
今は行方すら解らないけど、きっと元気でいてくれるはず
心からありがとうって今も思ってるねん