ケンと共通の友人の名前はUちゃんという
急遽飲みに行くことになり二人で待ち合わせをした
アタシが気を許したのがいけないのかもしれない
でも流産からはじまったアタシの中の胸の痞えをどこかに吐き出したくて仕方なかった
その晩Uちゃんに事の経緯を話してしまった
翌日、仕事中にケンから何度も着信があった
それだけでアタシはUちゃんがケンに話したんだってわかった
仕事が終わってからケンに電話をしたら凄い剣幕でなんでUちゃんに話したかを責められた
責められたところで事実やんかってアタシは返事したけどケンの怒りはやまずに週末に会って話すことになった
そしてUちゃんの口は留まるところを知らずに別の友人Mやらその周辺数人にアタシの話は広がっていた
そのMにアタシは責められた
Mは2回しか会ったことが無いのに偉そうにアタシが流産したことでケンを責めるのは間違ってるとか自分も流産したけど自分は一人で立ち直ったとか持論をアタシに押し付けてきた
これにはアタシもさすがに頭にきて言い返した
あんたとアタシは考え方も生き方も違うし大した友達でもないくせにこんな時だけしゃしゃり出てくるな!と
アタシはRやヤスヒコやケンや…無くなったカズや他の友達に会わせてくれたチャットは嫌いじゃなかったとゆうよりむしろ好きだやった
でも結局ケンと付き合ってから知り合った子たちのその世界にに囚われてるのかそれを逆手にとっているかのような行動をする連中に関わるのが心の底から嫌になってきていた
正直、今でもUちゃんとかあの時にアタシの何も知らずに責めてきたMとか…最低な人間やって思ってる
直接アタシに文句があるなら言ってきたらいいのに
絶対しばきまわしたるけど
そんな根性も無いくせに他人の批判だけは一人前で…Uちゃんの当時の彼氏はいわゆるニートで遠距離恋愛中で旅費は全部Uちゃんが出していた
そんなくだらない男に金を出すような女に批判はされたくない
Mにしても偉そうにアタシに説教垂れたけどその前に妊娠騒ぎをおこし、相手の男に逃げられたのをアタシは知ってる
自分で解決したんじゃなくてそうせざるを得なかっただけの話やん
実際は妊娠してへんかったっちゅうお粗末な話やったけど
アタシはそのコトをきっかけにチャットを辞めたし、ケンと付き合ってから知り合った頭の中身の薄い連中のアドレスも電話番号も全て消した
ケンと会う日になり、待機所の近くまで迎えに来させた
大した話もなく、あの時もの凄い剣幕で騒ぎ立てたくせに実際に会うと俺も悪かったとかいい出す始末
何のために会ってるんだか…
その日酒の弱いケンは酔いつぶれて道端で吐き倒してた
仕方がないのでアタシがケンの車を運転して近くのラブホに入り横にさせた
寝てるケンの顔を見てたらなんでこんな奴に振り回されてるのかと思って情けなくなった
好きじゃないけどやっぱり体におきた変調のせいやろか
普通やったらこっちから連絡もとれなくするし、二度と会わないようなコトされてるのに…
そんなコトを考えながらいつの間にかアタシも寝てた
翌日ケンに起こされた
昨夜の失態を謝られ、自分も感情的になって電話でもひどい言い方をしてすまなかったと…
そしてまた約束の日までは誰とも付き合うなと念を押された
ラブホの中ってこともあって、ケンはそのままアタシと致そうとしたけどそれはやっぱりアタシの嫌な事になっていて拒否して部屋を出ることにした
そんなこんなで仕事も自分の指名客で回してて、フリーの客があまりまわってこないような…仕事でもスランプに陥ってしまった
精神状態がよくないと仕事も乗らないもんや
ケンからは週に一度くらいのペースで電話がきて、その度に「俺のこと誰かに悪く言ったりしてない?」と聞かれうんざりしていた
こんな時、いつもならヤスヒコに頼ってたけどアタシの都合で振り回したくなかった
なんか全ての人が信じられなくなって全ての事を投げ出したくなる衝動にかられて数日間引きこもって一人で色々考えてた
そうして仕事もプライベートも底まで落ちたなって自分で感じた時、後は登るしかないと気付いたアタシは自分にルールを課す事にした
その年が明けるまでは誰とも付き合わない
その間に自分を磨こう
自分の生活レベルもあげていこう
もっと強くなるために、もっといい出会いをするために
それを決めた時から少しずつ仕事も調子を上げてきた
調度あるお客さんの支援もあってやっと自分に追い風が吹いているような気がした
自分で決めたことに前向きになるだけで、落ち込んでた気持ちはもうどこかに消えていた
そして、それを決めたあとのケンからのいつもの電話にハッキリと言い返した
「くだらんことで電話せんとってや あんたの事なんかいつまでも気にしてへんしあんたがどれだけ有名人なん?
言っちゃなんやけどアタシの方があんたよりなんぼも有名やねん
悪いけどあんたのままごと恋愛やらにはもう付き合われへんからあの約束ももうなしね
あんたが悪いことしてんのに対して周りに何言われても仕方ないやろ?
アタシは間違ったことはしてへんしアンタに病院代かて請求もしてへんやん
まあ次は自分のレベルにあったその辺のガキとつきあいや」
電話の向こうで何か言ってたけどさらにこう続けた
「あ、あんたのおかんにも言っといてな 他人に対してあまり失礼なこと言わんほうがええってね」
そのまま電話を切ってすぐに着信拒否にした
電話を切ったあと笑ってしまった
こんな簡単なこと、なんでできなかったんだろう
あんなバカなガキに何を振り回されてたんだろうって
それより何より気分がよかった
頭の上にかかってた暗雲がスカーっと晴れたようにね
あとはヤスヒコに対してケジメをつけなきゃと思った
アタシはその頃引越しを済ませて新しいマンションに住んでいた
新しいマンションの近くまでヤスヒコを呼んで家に招待した
ヤスヒコにそれまでの事を話して、話してる途中で思い出して泣いたところもあったが全てを話した
そして今後ヤスヒコを恋愛対象として見れないという事も話した
色々な辛い場面でアタシを支えてくれたのはヤスヒコだと思ったからきちんと話しておきたかったし、できることなら友達に戻りたかった
ヤスヒコはしばらく考えさせてほしいと言い、あとは世間話をして帰っていった
二人の男の話には続きがあるけどそれはまた今度
ヤスヒコにもケンにもほんとに恋をしていたかといえば、それは違うと今は思う
全く惚れてなかったし、ケンとはただ惰性と享楽でつきあっていたしヤスヒコには自分に惚れてるという部分につけこんで甘えていたんだなって…
時間はかかったし精神的にも辛かった時期もあったけどいい加減だったアタシを戒めるためのいい勉強になったのだと今はそう思う
これは余談というか心の本音の部分だけど、ケンには幸せになってほしくない
アタシの恋愛史上、稀に見る自己中でアホなガキだから
その反面ヤスヒコには心の底から幸せになってほしいと思う
付き合ってる時はあんだけ喧嘩もしたしうざかったけど、情の深い優しい部分をアタシは知っている
そうゆう部分でアタシに接してくれた男だから
タイプの違う男に自ら翻弄された愚かな自分に今は反省してますよ