大阪へ越してから2件目の移籍
その時は当時のアタシの友人、マリエちゃんも一緒に移籍した
同じマンションに住んでいたがアタシはあまりマリエちゃんと遊ぶことは無かった
プライベートと仕事を切り分けておきたかったってゆうのもあってん
それとマリエちゃんは彼氏と同棲をはじめていたから
大阪ではじめに働いた店の時から気になっていた事があった
本番を強要しようとする客の中に「こないだ呼んだマリエちゃんはさせてくれたよ」
そうゆう客が数人いた
その時はどうせ客の嘘だと相手にしていなかった
新しい店に移籍してから週に2回は待機所へ行かなければいけなかったのでマリエちゃんとの会話も増えた
ある時、待機所から家までの帰り道で一緒に食事をしていたらマリエちゃんが知り合いと称して見るからに本筋のおっちゃんを呼び出した
そのおっちゃんはアタシの分まで食事代を払いその後一緒にカラオケへ行こうと誘われた
あまり意味のわからないままカラオケボックスの一室へ入った
そこでおっちゃんが持ってたセカンドバックから取り出したのは…薄いフィルムのパッケージに入った覚醒剤だった
「あんたもやるか?量はそこそこ持ってきてるで」そう誘われた
アタシは無言で首を横に振った
マリエちゃんとは前の店で知り合ったらしい
そしてマリエちゃんは既に中毒患者のようだった
慣れた手つきで自分の足の爪の間に注射針をたてる…
冗談のような光景にアタシは固まった
自分の知ってる女の子とは別人のように感じた
いい感じに尖ってきたのかマリエちゃんはいつになく饒舌に語りだした
「アタシは客とも本番してるよ だってその方が金になるもん
坊(彼氏のあだ名)の分まで食い扶ち稼がなあかんしな 皆そんなもんやろ」
淡々と、そして口調とは裏腹にクスリのせいか寒い季節に汗をかきながら話す
アタシが気になっていた客の言葉は本当の事だったんだ…
アタシは気分が悪くなり途中でカラオケボックスをあとにした
翌日マリエちゃんが部屋まで訪ねてきて言い訳をはじめた
昨日のおっちゃんとは愛人のような関係だと
アタシはそれならば坊の事はどうなるのか聞いた
坊はマリエちゃんの彼氏で居なくなったら困ると、それはおっちゃんも納得言ってると言う
そしてクスリにもどっぷりハマっていて坊にも回している
おっちゃんはクスリをたんまりくれるし自分が金に困ったら現金をくれるのだと…
そんなコトをアタシに話して何になるんだろう…
アタシは黙って聞くしかなかった
それからマリエちゃんはこう続けた
坊は心の支えとして必要だ
でもおっちゃんは物質的な支えをくれる
どちらも必要な存在なのだという
聞くほどに胸が痛い 何故彼女はここまで貪欲になっているんだろう…
アタシはマリエちゃんにこう言った
マリエちゃんがクスリをやるのも坊もおっちゃんも大事なのもわかった
でもアタシと会う時はクスリはやらないでほしい
正直巻き込まれるのは簡便してほしい
アタシはアタシのやり方があって本番する子は嫌いだし、できれば同じ店で働きたくない
傷つけたかもしれないがこれがアタシの本音だった
マリエちゃんは少し淋しそうな顔をしていたが「クスリやってる時は会わないね」と答えた
そして今日はやってないから話を聞いてほしいと…
マリエちゃんは若くに一度結婚し子供が一人居るのだが元の旦那にとられてしまったそうだ
いずれ自分が引き取る為にお金を貯めたい一心で風俗の世界に身を落としたという
でも今の彼氏は子供のことには理解がないし仕事もしない それでも彼氏は優しいから離れられないとゆう
クスリやってる時だけはそうゆう悩みから開放されるのだと
アタシにはその心境は理解できない…
ただマリエちゃんのやってる事は矛盾しすぎているコトは確かだ
それを諭すと解ってるんだけど…と泣き出す始末
見ているこっちが苦しくなってきてしまう
アタシは友人を救うほどの力は持っていないんだ
泣いているマリエちゃんを宥めて部屋に帰るように促した
翌日アタシからマリエちゃんを訪ねた
アタシも側で応援するからまずはクスリをやめるように説得した
マリエちゃんの答えは「それは無理」と…
そう答えたマリエちゃんにアタシは失望した
それなら今の店を辞めてほしいと言った
もしもマリエちゃんのクスリの事がどこからか漏れてガサ入れでも入れば店のオーナーにも迷惑だ
マリエちゃんはその提案は了承した
そのあと、おっちゃんの出資でSMクラブを運営したいからアタシにも来てほしいと言われたがアタシはそれを断った
それからは同じマンションに居ながらまたマリエちゃんとは会わない日々が続いた
それからほどなくして、おっちゃんの存在を知ったマリエちゃんの彼氏(坊)が部屋を出ていったときにマリエちゃんはまた泣きながらアタシの部屋へきた
話を聞くには聞いたが坊が出て行ったことも咎はマリエちゃんにあるんやないの?と聞いてみた
わかっているがどうしようもできないとマリエちゃんは言う
救うこともできない 自らその闇に住むことを望んでいる友人が目の前にいたら他の人はどうするんだろう
アタシはマリエちゃんとゆう存在自体が大きな沼のように見えていてそこから逃げ出したくなっていた
ある日ピンサロ時代のもう一人の友人リオちゃんがアタシを訪ねてきた
リオちゃんもアタシが辞めてしばらくしてピンサロを辞めて今はピンサロ時代の客に部屋を借りてもらって大阪に住み始めたとゆう
久しぶりだからとゆう事でマリエちゃんにも声をかけてアタシの部屋に集まることにした
マリエちゃんはまたクスリをやっていた
普段と違う雰囲気にリオちゃんも気付いたようだった
しばらく話してからアタシは外に出るのでマリエちゃんにも部屋に帰るように言った
リオちゃんは驚いたようで「マリエさん、何かあったんですか?」とアタシに聞いてきたがアタシは体調でも悪かったんじゃない?としか答えることができなかった
リオちゃんはまともな子だ
風俗嬢にも色んなタイプが居る
マリエちゃんはちょっと特殊なタイプだと思う
アタシはもうマリエちゃんと会う事すら怖くなっていたんだ
アタシはそこまで堕落したくない これが本音だった
この一件でアタシは部屋の引越しとまた店を移籍することを決めた
もうアタシの友達だったマリエちゃんは居ないのだと思うことにした
プライドの塊のような子で可愛らしくも毒を放っていて今までアタシが出会ったころのないタイプの彼女が友達として好きやったのに…
きっと彼女を受け止められる器の男が現れるまで彼女は変わるコトはないと思った
神戸のピンサロから引っ越すときに相談した友人で義理も感じていたけど…アタシにはもう彼女の苦しみを見ていることができなかった
アタシの器の狭さに自分で嫌気がさして悲しくもなった
彼女と顔をあわせたのはリオちゃんが訪ねてきた日が最後になった