ここは -34ページ目

ここは

あたりまえだったこと達が
あたりまえではなくなった時

雨の匂いがする
時期に降り始めるね


隣町で育った同僚が
雨の匂いなんてわからないと言った


そんな彼女に
その時はひどく驚いけれど


気づけば今の私は


雨が振り出してからでないと
その匂いに気付けなくなっていて


今度は
そんな自分に驚いた
そういえば


ヤモリと名付けたトカゲは
今朝は現れなかった


小鳥に食べられてしまったのだろうか


自然の摂理とは言え
情が移ったものの姿が
見えなくなると


少しの間
ひどく寂しい
干からびたトカゲ


あなたが私を思う頃
私もあなたを思い出します


不思議です


高2の夏


課題図書だった
夏目漱石の「こころ」を
本屋で手にしたはずが


学校に着いてそれをめくると
吉本ばななの「とかげ」だったことを
ふと思い出した


不思議です