朝一で
売り切れちゃったわよ~
店のおばちゃんが
にかっと笑う
初めて立ち寄った
豆腐屋だった
豆腐屋の朝は早いんだっけ
よく私と混同される彼女には
確か笑い皺がある
私にはそれがない
この歳になると
羨ましい
と言われるようになったけれど
私は幼い頃から
その線を持っていない
まぁるい頬が
ムーミンに似ているとよく言われた
彼女はいつも
私の対角線上にいる
彼女は日向に線を延ばし
私は日陰の線を伸ばす
対角線上の2人は
疲れるたびに歩み寄り
互いの切り拓いた道の脇に
腰を降ろして
延びかけの一本の線を
誇らしげに眺め語り合う
そしてまた
彼女は日向に戻り
私も日陰に帰る