おはようございます。小島です。

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僕のがトップに来てすみません。

皆さん、ぜひ富田君の記事を熟読して下さいね。

さて、ここからが本題。

今週からとうとう、Business Cafeで英語の本を読み始めます。

これは、FUNゼミに次いで歴史が長い勉強会であるBCでも初めての取り組みで、ワクワクしている人、ちょっと不安な人、どう読んでいったらいいか分からない人、あるいは人生で初めて洋書を買って読む人など様々なのではないでしょうか。

そんな部員の皆さんのために、BCをきっかけに外国語の勉強に弾みがつくよう、今日はいくつか語学学習の「方法」についてご紹介したいと思います。


■「環境作り」編

★分かっても分からなくてもいいから、毎日外国語に触れる機会を生活のあちこちに組み込む。

何事も過度な集中は長続きせず、興奮して着手しても終えればその興奮の分だけ後悔と自己嫌悪に苛まれるだけ。

長期学習が大前提の語学がこうなってしまうと、もう上達の道がありません。

だから最初はあまり力まず、まずはその工夫だけしておけば自分の側の努力は必要としない「環境」を作りましょう。

例えば僕は学生時代、白水社の「エクスプレス」という参考書のドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、ロシア語、スペイン語、イタリア語、ベンガル語、アラビア語の本を買い揃えました。

この本には付属の音声テープ(CDじゃなかった…)が付いており、一冊あたり約30回のレッスンが含まれていて、テープにはその会話の部分と単語が吹き込まれていました。

僕はそれを愛用のマッキントッシュのLotus(今じゃ誰も知らないでしょうが)で細分化し、

第一週…A面=フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語のレッスン1~3
    B面=中国語、韓国語、ベンガル語、アラビア語のレッスン1~3

第二週 各4~6
第三週 各7~9


と計画を作って、空の90分テープの各AB面に該当箇所をダビングし、ウォークマンで通学中に聞き続けました。

ずっと集中していると事故に遭うので、もちろんずっと流しているだけです。

当時、僕は太宰府から西新まで毎日自転車で行っていたので、「行き…90分、帰り…90分」というふうに流し続け、『0限目』、『6限目』の授業を自分で作った気分でした。

分かるかどうかなど度外視して、ただひたすら自転車に乗るだけの時間をなんとか有効活用できないかと工夫しただけのことですが、これを数ヶ月続けると各国語の基礎が耳から理解できており、今でも各国語の基本的な文法や発音は理解できます。

ビジネスに使える言語は5ヶ国語しか話せませんが、日常会話程度なら僕は12~13ヶ国語話せます。また、分からない言葉に出会っても、それを相手に質問することで相手を辞書に変えることもできます。

そんな基礎的な語学力は「知的努力ゼロ」で身に付きました。

頭を鍛えるには、心と体にちょっと努力させればいいんです。

また、家に帰ってからは枕の横にスピーカーを置き、寝る時に流しました。

これは去年の秋から久しぶりにずっと続けており、相変わらず週単位で細かいスケジュールを作り、ただCNNやブルームバーグのニュースを流しています。

これもただ「形」だけ。

電車通学ではなかったため、電車内で読むという方法ではありませんでしたが、当時もカセットテープのウォークマンを使い、時間にケチケチしながらやっていたのを懐かしく思い出します。

なんたって、大学の講義は当時「90分=3,800円」でしたから。そんな超高額の時間の中に生きていて何のまともな能力も付かないのは、絶対御免だと思っていました。

耳学習なら誰でも平等にできるので、ぜひ学生時代のうちに習慣化してほしいと思っています。


■「体作り」編

★語学はスポーツだ。反射神経が成果を決める。

「環境」はビックカメラに行ってiPodかウォークマンを買えば誰でも作れるので、別に継続には何の努力もいりません。

継続の目的は継続で、継続が中断されるのは欲張った時だけです。長続きしない人は欲張りなだけです。目的を履き違えているだけです。

その欲を捨てれば通学時間は素敵な勉強時間に変わります。

それができたら次にやりたいのが「体作り」

実は僕が語学で一番苦手なのが「発音」で、元々あまり舌滑が良くない上にやや早口なので、大学一年の夏休みに韓国に一人旅に行った時は、頭の中では韓国語が続々出てくるのに発音が正しく伝わらず、悔しい思いをしました。

言いたいことがあって、言えるだけの知識も少しあるのに、言ったことが通じないとは…。

しかも、現地の人は教科書のように丁寧にしゃべってくれるわけではなく、速い上に変幻自在…。

やっぱり独学には長所と同じくらいの短所もあるものだと認め、それからは韓国人の友人を作って、徹底的に発音を直してもらいました。

何が言いたいかと言うと、紙でやるリーディングやライティングは別として、会話は耳と口を鍛えなければ肝心の知識が全く生かせず、耳と口はスポーツのように反射神経を鍛えなければならないということです。

僕の経験では、日本人にとって発音が簡単な言語は英語、イタリア語、インドネシア語で、難しい言語は韓国語、中国語、タイ語、ロシア語です。

さらに、日本語には全く存在しないノド、舌、唇、口腔の動かし方に満ちているのがアラビア語、ヒンディー語、セルビア語でした。

こんな言語ははっきり言ってカタカナ的な読み方では全く通じません。こちらは通じていると思っても本当に伝わらないものです。

だから僕は、こうした言語を聴く時は、音もそうですが口、唇、舌の形を何度も何度も想像し、ネイティブの人に細かく教えてもらいました。

こうして「口」ができると「耳」も必然的に良くなります。さらに、外国語の口や耳はそういう発音の仕方、聴き方を練習しなければ一朝一夕には出来あがらないものです。

(今、富田君と極秘で韓国語の練習をしています。興味がある人はぜひ一緒にやりましょう。)

ですから、「環境作り」とは違った目的でリスニングをやる時は、例えば「今日は子音に注目(耳?)する」とか、「今日は前置詞にこだわる」といった感じで、これも欲張らず集中の対象を一点に絞って聴くといいでしょう。

そうすると、もちろん聴けない箇所もありますが、ぐっと集中力が高まって、全体を聴く力が上がります。

発音もこれと同じで、いきなりネイティブのようにやるのは無理としても、「アクセントだけ」、「Lだけ」などとワンポイントに焦点を合わせてやっていくと徐々にウォーミングアップが進みます。

今週からのBCでも、「今日は○○にこだわります」などと一つ目標を持って読んでみてはどうでしょうか。


■「勉強法」編

★当てずっぽうでも「なんとなく」分かるリスニング、スピーキング以上に、洋書を正確に理解できるリーディング力を重視しよう。

さて、最後は本当に努力が必要な過程について。

英語をはじめ外国語は会話能力を付けなければ成果を発揮できずもったいないものですが、語学の効用は会話だけではありません。

最大の効用は異質な文化の中に育まれた思想にアクセスできることです。

そして、それは洋書や外国の雑誌、新聞の記事からでも十分可能です。

入試や資格試験でなぜ「リーディング」が重視されるかというと、それはやはり「ごまかしがきかないから」でしょう。

会話はなんとなくやれる人でも、しっかりした作品を前にすると全く歯が立たない社会人も多いものです。

そこには「当てずっぽう」でなんとなく済ませてきた人と、頭の芯が痛くなるほど異質な概念との格闘をやってきた人の差が厳然として存在します。

英文を読んでみれば、「9割は見たことがある単語なのに、たった二、三単語が分からないだけで全容がつかめない」、「全部見たことがある単語なのに、何を言わんとしているか分からない」という体験は誰もがしたことがあると思います。

ただ直訳をするだけなら簡単ですが、訳しているうちはまだ外国語で読んでいるとは言えません。

訳せずその言語で想像できるようになった時、初めてその言語の世界観を一部でも持てたことになります。

そして、そのためにはこれも「慣れ」が必要で、自分で洋書や英文雑誌を買って定期的に読むことが大事です。

例えばFUNでよく紹介してきた

・金持ち父さん貧乏父さん
・人を動かす
・大きく考えることの魔術
・人生を変える80対20の法則


などは英文も簡単で、大学生でも辞書なしでそこそこ想像しながら読めるはずです。

大事なのは「辞書なし」、「戻らない」の二つ。

本というのはそもそも思想や意見を共有したくて書くのですから、著者は相手の保有知識や意見、反論などを想像し、様々な観点から自分が共有したい結論の合理性を訴えるものです。

その性質から、山辺さんが案内メールで書いてくれていたように、「同じことを繰り返し繰り返し言う」という構造があります。

ですから、目的が限定されているビジネス書や自己啓発書は英語学習にも非常に便利です。

辞書なしでただひたすら読み進めてみて下さい。分からない単語も放っておいて、どんどん読んでいきましょう。

そうすると、数ページ前に見たある単語が後から「なるほど」と分かったり、数ページ前で出会った単語が全く見当が付かなかったのに、後から「もしや?」と推測できたりしてきます。

例えば僕は、今でも「as」が苦手です。

こんな短くて簡単な単語なのに、この単語のおかげでどれだけ想像が歪んだことか。

やや属性が違いますが、日本語の「は」と「が」も外国人には同じ印象かもしれません。

「おれが」

「この人が」

これくらいはよいとして、

「逃げるが勝ち」

などは「I escape, but I win」なのか「to escape is to win」なのか分かりません。

「が=蛾」かもしれません。

逃げる蛾が勝つ・・・?どういうことなんだ~!

というふうに、「が」の正体が不明なばかりに、「逃げる」を連体詞と捉え、「が=名詞」と勘違いするかもしれません。

「おみやげ」
「おはし」
「おふとん」

などの「お」を付ければ全ての物を上品に形容できると勘違いしたバングラデシュの友人は昔、

「おふくろをすててきました」

と言っていました。本当なら大問題です…。

また、「ちりもつもればやまとなる」を、

焼き鳥のメニューの「チリ、モツ、レバー山となる」と誤解し、このことわざを「おいしい焼き鳥をいっぱい食べること=いい思いをすること」と勘違いしていたガーナ人の友人もいました。

日本語学校でトランプをしながら、

「先生、早くくたばって下さい」

と笑顔で言った台湾人の友人もいました。

「配って」と間違えたのです。

日本語でも些細な音や文字が入るだけで物事の意味が激変することがあり、その辺は国文学科出身の大月さんが昔紹介してくれた「小さな『っ』が消えた日」に詳しいです。



とにかく、言葉は生き物で、定型といっても一般的な表現が辞書に載せられただけのものでしかなく、その意味で辞書とは最も古い「オープンソース」のウィキ的媒体と言ってもいいわけです。

慣れるにはとにかくネイティブの人が外国人など気にせず自然な感覚で書いた洋書や記事を多く読むのが近道です。

これも、「分かる、分からない」にこだわらず、ただ『分かろう』と思って一ページ一ページ丹念に読み続けることだけをやってみたらいいですよ。

ちなみに僕の枕の横には現在、神話、国際金融、宗教、リムコクウィン大学の創設物語、ユーゴスラビア現代史の本があり、寝る前はいつも必ず読んでいます。

一番難しいのはやはり宗教の本です。しかしこれは僕が外国の友人と深く語り合いたいため、とにかく何か印象に残る表現でもあればと、コツコツ読んでいます。

そういうことを夏から毎週やっているので、Samurai Codeのレジュメなどは

・読むのに一時間
・抜粋箇所を訳して注釈の下書きを付けるのに一時間
・レジュメの推敲に一時間

という、都合3時間ほどで終わります。

あの本は僕には立ち読みレベルの本で、実際立ち読みしていて「いいな」と思ったから買ってきたんです。

立ち読みで要点が把握できるようになるまでは、長く座り、寝ても読む勉強を続けました。

これだけは、意志が強くなければやれないことだと思いますが、皆さんがもしカネを稼げる英語、つまり人の心を動かして相手を味方に変える英語を使いたければ、大学で受験勉強以上に頑張らなければならないでしょう。

また、受験以上の努力を要しない大学生活など、何の価値もないと思います。


以上、努力を要せず誰でもできる簡単な方法から、本当に頑張らなければ結果が出ない方法の順にお伝えしてきましたが、ぜひFUNを「数ヶ国語使えて当たり前の学生が集うサークル」にしようではありませんか。

社会人になったら、毎日通勤途中にリスニングをするくらいの時間は取れても、洋書や英文記事をじっくりまとめて読むなどという時間はよほど努力しないと取れません。

また、学生時代に精神力を鍛えておかなければ、社会人になって何をやっても中途半端な人間になってしまいます。

中途半端ほど習慣になりやすいものはなく、中途半端が習慣化すると自信がない大人になってしまいます。

ですから、欲張らなくていいので、自分が決めたことは納得できる形で仕上げる最低限の責任感を今のうちに養っておきましょう。

皆さんが社会に出る時代は、最低英語くらいはできなければ任せるまともな仕事はほとんどない、という時代です。

ですが、日本でいくらこう言っても、実感しなければなかなか分からないのもまた人間です。

その意味で、僕は絶対にみんなで夏のワールドツアーに行きたいと願っています。

今年の訪問地はマレーシアとシンガポール。

はっきり言ってあちらの若者がやっている勉強に比べれば、日本の大学生の勉強は名前が付けられないほど甘いものです。

皆さんがそうだと言うのではありませんよ。

しかし、人生を賭けて学ぶという、今の日本人に最も欠けているハングリー精神を持って学ぶ若者がいかにすごいか、そして未来の成長を目指して建設にまい進する国家がいかに迫力に満ちているか、それを体で感じる機会を共有したいのです。

(なんと、卒業生にも4、5名、途中に合流したいという先輩がいます)

今週からの英語BCは、皆さんの人生にとって後から振り返る貴重な機会となることでしょう。

8月の同窓会で先輩たちに「君たち、頑張ってるね」、「なかなかすごいじゃないか」と言ってもらえるよう、ぜひみんなで楽しく、そして真剣に朝の一時間を過ごしていきましょう。