おはようございます。小島です。
最近のFUNは語学熱がすごいですね。
近現代の英語の文献もみんな上手に読んでいて、今であんなにできるなら、夏、そして秋にはどうなっているだろうとワクワクしています。
僕は学校教育もまじめに受けておらず、塾にも行ったことがなく、家庭教師に習ったこともないので、一般的な英語学習法はあまり知らないのですが、昔自分でやってみて効果があったと確信できる方法はあるので、一つでも参考になればと思い、ちょっとこの場を借りてご紹介することにしました。
今の僕は海外勤務で鍛えたこともあって、スティーブ・ジョブズの講演や大統領の演説などは、寝不足で酔っ払っていても理解できますが、僕は
「海外勤務を経験したから語学が上達した」
という以前に、
「語学を鍛えたから海外勤務のチャンスを頂いた」
と感謝しているので、外国で働いた時に
「あの時のあの勉強は本当に役に立った!」と思えたものを以下列記します。
詳しく知りたい方はいつでも聞いて下さい。
■単語に関して
★「奇跡の英単語」シリーズ(長崎玄弥・祥伝社)
素行不良だった僕は高校一年の頃よく宿題を忘れ、授業をさぼり、副担任だった英語の先生からいつも罰という名の雑用をさせられていました。
学校嫌いの僕はほどなく全ての罰を食らい終わり、先生も万策が尽きた頃、「これを訳してこい」と言われて渡されたのがワイルドの「幸福な王子」。
(オレは不幸なんだよ!と思ったのも今は昔)
その訳が僕の高校のレベルにしてはとてもよくできていたわけで、先生が驚いて僕を西南学院の教会に連れていくことになりました(現在のクロスプラザの隣)。
そこでお会いしたのが、先生の学生時代の恩師であるシート教授(のち西南学院長)で、高校生の僕はいきなり外国人ばかりの環境に投げ込まれることになりました。
密かに得意だと思っていた英語は全く通じず、周囲の発音は速すぎて何を言っているのか理解できず、思いあがりを挫かれました。井の中の蛙でした。
そこで英語マニアの先生に紹介されたのが「奇跡の英単語」シリーズです。
今ではジュンク堂の四階に行くと、僕の高校時代では考えられないほどの量と種類の英語の参考書が置いてあり、僕はその一冊も知りませんが、この単語帳は古くても本当に役立ったものだと確信しています。
高校時代、他にいい本もあったのかもしれませんが、僕はお金がなかったので、このシリーズばかり使いました。
今僕の家にあるのは、
『奇跡の英単語:赤版 必須5000語』
『奇跡の英単語:イラスト式2500句』
『奇跡の英単語:青版3,600語』
『奇跡の英単語:受験版 入試1800語』
『奇跡の英熟語』
『奇跡の英文法』
『奇跡の入試英語:長文速訳』
『奇跡の英文解釈』
で、僕が高校生だったのが1991-1994年だから、今では新刊に加え、改訂、改題されているものもあるでしょうが、あまりに面白くて全部読みました。
読みたくなる工夫はラテン語などにまで遡る語源解釈と脳科学に基づいた連鎖記憶にあって、一単語覚えると他の派生語も自然に連想できるようになった時は、なんだか勉強の常識が変わった気がしました。
僕は数学や理科は全く駄目でしたが、英語と世界史はとても良く、特に英語だけならどの大学の試験も解けました。「赤本」という、他の高校では有名らしい参考書の問題が簡単すぎて、二年の頃には長文ばかり好んで解いていました。
本当に、この単語帳がどれだけ知的自信を与えてくれたかと今になって思います。
大学に入学してすぐ英検準1級に合格できたのも、この単語帳と英文解釈の本で勉強したのが大きいです。(ちなみに一級は二年の夏に落ちました…おれもまだまだだなぁ、と思って大学を辞めました)
その後、海外勤務では会計英語、経済英語、貿易英語などがあり、英語の勉強だけでは内容が理解できず、何より会話力重視になってさらに壁があるのを感じたので、現地の洋書や英文資料で鍛え、さらに語学力を高めることができましたが、高校時代の勉強はそれでも基礎力となって僕のコミュニケーションを支えてくれました。
(余談ですが、マレーシアにはユダヤ人を除く世界中の民族が集まっており、世界の民族と英語で話すことができます。しかも、どの民族もそれぞれの民族特有の発音や文法を反映させて話すので、今に至る「事の根本を定義し、前提を明らかにする」という思考上の癖が付きました。英語を学びたい方には、安くて実践的に鍛えられるマレーシアはおすすめかも…。
時刻表ないけど。バス停移動するけど。ネズミもいるけど。信号あって無きが如しだけど。エスカレータ停電してるけど。みんな運転荒いけど…。)
今ではグローバル化が合言葉となり、僕の時代にはなかったTOEICなども登場して、英語の勉強法も僕の時代より進んだために、もっといい参考書もあるかもしれませんが、この本はブックオフで100円で売っているくらい今の40~50代に売れた本なので、もし見つけたら手にとってみて下さい。
また、みんなで「この参考書、いいよ」と紹介しあうのもいいかもしれませんね。
■文法に関して
これは『奇跡の~』シリーズの「英文法」もいいですが、僕は先生のご厚意で、CNN、FEN、BBCなどのニュースや記事のバックナンバーやカセットテープをもらって、それをよく読み、聞いていました。
当時はmp3、You Tubeもない時代で、よくあんな地味な努力をやっていたものだと思いますが、色々なテープから10分ずつダビングしてオリジナル学習テープを作り、毎月更新して聞きました。
(メタルテープとか知らないでしょ、皆さんは…)
そういう学習もあって、受験勉強でよくやるような、
・蛍光ペンで色分けする
・赤線を引きまくり、全部赤になる
・穴埋めを繰り返し説く
・主語や動詞に丸をつけて線で結ぶ
などの努力はほとんどしたことがなく、というかする前に理解でき、何も書き入れずに大意を把握して正確な訳ができるようになりました。
もちろん、新聞記事や外国のニュースは教科書や参考書より格段に難しく、高校生の僕には分からない単語も多々ありましたが、継続だけが取りえだったので、たくさん実践的な文法表現を覚えました。
ニュース、インタビュー、演説を定期的に繰り返して聞くと、英語に関する様々な力が自然と底上げされます。
文法書を読むのもいいですが、僕は洋書や英文をそのまま読んで、英語が英語として自然に使われている状態になじむほうが遠回りに見えて確実だと思います。
皆さんもSamurai Codeを読む時は、線を引かず丸を付けず単語の訳も書かず、自らの頭の中にある記憶力と想像力という最大の資産を働かせてみてはどうでしょうか。
私見ですが、線を引いたり丸を付けたり訳を書いたりしているうちは、線や丸や訳を読んでいて英語を読んでいるわけではないので、そうしている分だけ脳が停滞し、語学力も伸びないままになると思います。
ゲームセンターの戦場ゲームで、赤枠が出た場所を射撃するようなもので、実戦にはそんな便利なものはないはず。
だから、印を付けて「分かりやすくする努力」は、実は英語を「分かりにくくする努力」です。ペンを捨てて戦場に立ちましょう。
日本語的に分かるようにするならそれは日本語の勉強であって、英語の勉強ではありませんからね…。
■発音に関して
近現代での僕の発音はなかなかだと思いませんか?自分では、過信めいていますが、日本語より英語の方が発音がいいとさえ思っています。
これはやはり、高校時代に南雲堂(今あるのか?この会社…)や白水社から出ている大統領演説集や英文学のテープ(※)を聞かされた(そのうち自分でも聞き始めた)ことが大きいです。
※驚くことに、今はYoutubeに全部あります。
…なんて時代なんだ!
iPodもiPhoneもパソコンもネットもあって語学力が伸びないなんていう学生は、よっぽど怠けている恐れあり。あるいは、相変わらず英語力を停滞させる「線・丸・訳」の方法を固守している恐れあり…。
あと、僕の叔母がアルクという会社から医学英語の本を出した関係で、学生時代にドサッとテープ集をもらい、それを雑多に聞いていたのも良かったです。
あまりに多かったので、学生時代もそれを太宰府から西新までの16キロ、片道一時間20分の道のりをずっとウォークマンに入れて聴き、大学一年の時にロシア語、中国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語の基礎テキストを全て終えました。
(のち韓国語にはまり、こちらに没頭…)
本当はあの頃の僕なりの計画や努力もあったのかもしれませんが、20年も昔なので忘れました。しかし、高校時代は毎週英語のニュースや演説を聞いていました。
また、小学生の頃から洋楽が好きだったのも、どの程度かは分かりませんが発音に役立っているかもしれません。
■リスニングに関して
英語をスピーキング、リスニング、ライティング、リーディングに分けるなら、僕が一番得意なのはリスニングです。
単語や文法には紹介できる参考書や方法があっても、これだけは誰にも真似できない素養があると思います。
なぜなら、僕の両親はシャンソンやカンツォーネが大好きで、僕が赤ちゃんの頃から音感を鍛えようとクラシックやフランス語、ドイツ語、イタリア語の歌を聞かせてくれたからです。
もちろん、これは僕に語学力を鍛えさせようという意図よりは、美しいものに親しんでほしいという意図からなされたもので、それが語学にどれだけ役立っているかは分かりませんが、中学に入った時、英語の授業でテープを聴き、みんなが「速い」と言っている中で、僕だけは「なんでこれが速いんだ?」と思った記憶があります。
また、先述の通り僕は小学校から洋楽が好きで、しかもバスケットボールをやっていて、その時のシュート練習、ダッシュ、ドリブル練習の時間にかかっていた音楽が、当時ヒットしていた
TOP GUN
Flash Dance
Over the Top
Footloose
などの曲でした。
懐かしい…。
僕が人生で初めて買ったCDも、この四枚です。
さう言へば、うちのぢぃさんはCDをひげそり用の鏡に使つてゐたなぁ…。指が入つて便利だとか言つて…。
何度聞いたか分からず、中学時代に既にほとんどの歌詞を暗記しました。
(※これも全てYoutubeにある…。歩くグーグルの金山君、許して下さい…)
何か系統だった努力をせず鍛えたのはリスニングだけで、単語や文法は僕も人並みに勉強しましたが、やっぱり子供の頃に覚えたものは一生記憶から消えないものです。
中学や高校からはさらにマニアックな洋楽が好きになり、学校をさぼってよく聴いていました。
ですから、リスニングに関しては系統立ったことは言えませんが、とにかく「多く、長く、いろいろ聴く」のが大事だと思います。読書の乱読と同じです。
これなら誰でもできますよね。
■語学学習法に関して
こんな感じで英語を勉強してきた僕は、高校の教科書を読んで、
I am Japanese.
(見りゃ分かるだろーが!)
Pizza is so delicious.
(当たり前だ!うまいなら食え。まずいなら食うな)
などと反応してました。教科書の英文って、なんであんなに退屈なんでしょうかねぇ。
学生時代に習得した韓国語でも
「キムチはおいしいです」とか「あなたは韓国人です」などと、常識を疑う例文があって、こんな文で一体どんな想像力が働くのかと疑問に感じました。
語学力は記憶力と想像力の産物です。ですから、英文を読む際に大事なのは、
①すぐ辞書を引かない
②分からなくても最後まで読む
③線、丸、日本語訳を書かない
ということ。
なぜなら、辞書を引くと想像力が低下し、全体を読まずに調べると推測力が働かないからです。
単語が分からなければ前後から想像しましょう。
文が分からなければ段落の内容から想像しましょう。
段落が分からなければ文章から想像しましょう。
分からないからこそ考え、考えるからこそ記憶が動員され、記憶が動員されるからこそ想像力が鍛えられます。そして、こうした「分からないに耐え、楽しむ」という努力を経てこそ、脳みそを辞書にすることができます。
今度、僕のSamurai Codeを見て下さい。1センチの線さえ書きこまれておらず、コピーもなく、単語の訳は一つも書いていません。なぜなら、想像力で脳みそに書き込んでいるからです。
僕のSamurai Codeに挟まっている不純物は、航空チケットの切れっぱしだけです。
ということで、最後!
語学を本格的に学びたい学生にこの八年間、毎年紹介してきた本を再度ご紹介しておきます。
「今やらないと一生駄目だ」と思った人はぜひ買って下さい。そして、始めは凡人だった天才や偉人が語学をどう定義し、どう向き合い、どう学んだかに触れて下さい。
■外国語上達法・千野栄一・岩波新書
■古代への情熱・シュリーマン・新潮文庫
■知的生活の方法・渡部昇一・講談社現代新書
■本はどう読むか・清水幾太郎・講談社現代新書
■意識と本質・井筒俊彦・岩波文庫
■読書論・小泉信三・岩波新書
メモしましたか?本当にいい本ですから、前期試験が始まるまでに通読するといいですよ。
あと、大月さんや数名の学生の希望で、週に1回、「発音だけを徹底的に練習する勉強会」も企画しています。
運動、ダイエット、語学ほど、社会人にいつ聞いても「やらなきゃ」という答えが返ってきて、しかもいつも必ずやってないものはありませんからね…。
つまり、学生時代に習慣を付けないと後々困るということです。
ですから、光ビルの小さな部屋を取って、10人くらいで毎週コツコツ発音を練習し、最後はネイティブの発音をプロジェクターやスピーカーを利用して味わうような定例勉強会を考えています。
場所代、資料代、僕のささやかな謝礼などを合わせても1回500円程度でしょうから、興味がある方は言って下さい。
以上、お金もかからず誰もができるのに誰も継続しない勉強方法といくつかの教材をご紹介しました。
一人でも多くの部員の語学学習に役立てば幸いです。
ぐっどらっく。
最近のFUNは語学熱がすごいですね。
近現代の英語の文献もみんな上手に読んでいて、今であんなにできるなら、夏、そして秋にはどうなっているだろうとワクワクしています。
僕は学校教育もまじめに受けておらず、塾にも行ったことがなく、家庭教師に習ったこともないので、一般的な英語学習法はあまり知らないのですが、昔自分でやってみて効果があったと確信できる方法はあるので、一つでも参考になればと思い、ちょっとこの場を借りてご紹介することにしました。
今の僕は海外勤務で鍛えたこともあって、スティーブ・ジョブズの講演や大統領の演説などは、寝不足で酔っ払っていても理解できますが、僕は
「海外勤務を経験したから語学が上達した」
という以前に、
「語学を鍛えたから海外勤務のチャンスを頂いた」
と感謝しているので、外国で働いた時に
「あの時のあの勉強は本当に役に立った!」と思えたものを以下列記します。
詳しく知りたい方はいつでも聞いて下さい。
■単語に関して
★「奇跡の英単語」シリーズ(長崎玄弥・祥伝社)
素行不良だった僕は高校一年の頃よく宿題を忘れ、授業をさぼり、副担任だった英語の先生からいつも罰という名の雑用をさせられていました。
学校嫌いの僕はほどなく全ての罰を食らい終わり、先生も万策が尽きた頃、「これを訳してこい」と言われて渡されたのがワイルドの「幸福な王子」。
(オレは不幸なんだよ!と思ったのも今は昔)
その訳が僕の高校のレベルにしてはとてもよくできていたわけで、先生が驚いて僕を西南学院の教会に連れていくことになりました(現在のクロスプラザの隣)。
そこでお会いしたのが、先生の学生時代の恩師であるシート教授(のち西南学院長)で、高校生の僕はいきなり外国人ばかりの環境に投げ込まれることになりました。
密かに得意だと思っていた英語は全く通じず、周囲の発音は速すぎて何を言っているのか理解できず、思いあがりを挫かれました。井の中の蛙でした。
そこで英語マニアの先生に紹介されたのが「奇跡の英単語」シリーズです。
今ではジュンク堂の四階に行くと、僕の高校時代では考えられないほどの量と種類の英語の参考書が置いてあり、僕はその一冊も知りませんが、この単語帳は古くても本当に役立ったものだと確信しています。
高校時代、他にいい本もあったのかもしれませんが、僕はお金がなかったので、このシリーズばかり使いました。
今僕の家にあるのは、
『奇跡の英単語:赤版 必須5000語』
『奇跡の英単語:イラスト式2500句』
『奇跡の英単語:青版3,600語』
『奇跡の英単語:受験版 入試1800語』
『奇跡の英熟語』
『奇跡の英文法』
『奇跡の入試英語:長文速訳』
『奇跡の英文解釈』
で、僕が高校生だったのが1991-1994年だから、今では新刊に加え、改訂、改題されているものもあるでしょうが、あまりに面白くて全部読みました。
読みたくなる工夫はラテン語などにまで遡る語源解釈と脳科学に基づいた連鎖記憶にあって、一単語覚えると他の派生語も自然に連想できるようになった時は、なんだか勉強の常識が変わった気がしました。
僕は数学や理科は全く駄目でしたが、英語と世界史はとても良く、特に英語だけならどの大学の試験も解けました。「赤本」という、他の高校では有名らしい参考書の問題が簡単すぎて、二年の頃には長文ばかり好んで解いていました。
本当に、この単語帳がどれだけ知的自信を与えてくれたかと今になって思います。
大学に入学してすぐ英検準1級に合格できたのも、この単語帳と英文解釈の本で勉強したのが大きいです。(ちなみに一級は二年の夏に落ちました…おれもまだまだだなぁ、と思って大学を辞めました)
その後、海外勤務では会計英語、経済英語、貿易英語などがあり、英語の勉強だけでは内容が理解できず、何より会話力重視になってさらに壁があるのを感じたので、現地の洋書や英文資料で鍛え、さらに語学力を高めることができましたが、高校時代の勉強はそれでも基礎力となって僕のコミュニケーションを支えてくれました。
(余談ですが、マレーシアにはユダヤ人を除く世界中の民族が集まっており、世界の民族と英語で話すことができます。しかも、どの民族もそれぞれの民族特有の発音や文法を反映させて話すので、今に至る「事の根本を定義し、前提を明らかにする」という思考上の癖が付きました。英語を学びたい方には、安くて実践的に鍛えられるマレーシアはおすすめかも…。
時刻表ないけど。バス停移動するけど。ネズミもいるけど。信号あって無きが如しだけど。エスカレータ停電してるけど。みんな運転荒いけど…。)
今ではグローバル化が合言葉となり、僕の時代にはなかったTOEICなども登場して、英語の勉強法も僕の時代より進んだために、もっといい参考書もあるかもしれませんが、この本はブックオフで100円で売っているくらい今の40~50代に売れた本なので、もし見つけたら手にとってみて下さい。
また、みんなで「この参考書、いいよ」と紹介しあうのもいいかもしれませんね。
■文法に関して
これは『奇跡の~』シリーズの「英文法」もいいですが、僕は先生のご厚意で、CNN、FEN、BBCなどのニュースや記事のバックナンバーやカセットテープをもらって、それをよく読み、聞いていました。
当時はmp3、You Tubeもない時代で、よくあんな地味な努力をやっていたものだと思いますが、色々なテープから10分ずつダビングしてオリジナル学習テープを作り、毎月更新して聞きました。
(メタルテープとか知らないでしょ、皆さんは…)
そういう学習もあって、受験勉強でよくやるような、
・蛍光ペンで色分けする
・赤線を引きまくり、全部赤になる
・穴埋めを繰り返し説く
・主語や動詞に丸をつけて線で結ぶ
などの努力はほとんどしたことがなく、というかする前に理解でき、何も書き入れずに大意を把握して正確な訳ができるようになりました。
もちろん、新聞記事や外国のニュースは教科書や参考書より格段に難しく、高校生の僕には分からない単語も多々ありましたが、継続だけが取りえだったので、たくさん実践的な文法表現を覚えました。
ニュース、インタビュー、演説を定期的に繰り返して聞くと、英語に関する様々な力が自然と底上げされます。
文法書を読むのもいいですが、僕は洋書や英文をそのまま読んで、英語が英語として自然に使われている状態になじむほうが遠回りに見えて確実だと思います。
皆さんもSamurai Codeを読む時は、線を引かず丸を付けず単語の訳も書かず、自らの頭の中にある記憶力と想像力という最大の資産を働かせてみてはどうでしょうか。
私見ですが、線を引いたり丸を付けたり訳を書いたりしているうちは、線や丸や訳を読んでいて英語を読んでいるわけではないので、そうしている分だけ脳が停滞し、語学力も伸びないままになると思います。
ゲームセンターの戦場ゲームで、赤枠が出た場所を射撃するようなもので、実戦にはそんな便利なものはないはず。
だから、印を付けて「分かりやすくする努力」は、実は英語を「分かりにくくする努力」です。ペンを捨てて戦場に立ちましょう。
日本語的に分かるようにするならそれは日本語の勉強であって、英語の勉強ではありませんからね…。
■発音に関して
近現代での僕の発音はなかなかだと思いませんか?自分では、過信めいていますが、日本語より英語の方が発音がいいとさえ思っています。
これはやはり、高校時代に南雲堂(今あるのか?この会社…)や白水社から出ている大統領演説集や英文学のテープ(※)を聞かされた(そのうち自分でも聞き始めた)ことが大きいです。
※驚くことに、今はYoutubeに全部あります。
…なんて時代なんだ!
iPodもiPhoneもパソコンもネットもあって語学力が伸びないなんていう学生は、よっぽど怠けている恐れあり。あるいは、相変わらず英語力を停滞させる「線・丸・訳」の方法を固守している恐れあり…。
あと、僕の叔母がアルクという会社から医学英語の本を出した関係で、学生時代にドサッとテープ集をもらい、それを雑多に聞いていたのも良かったです。
あまりに多かったので、学生時代もそれを太宰府から西新までの16キロ、片道一時間20分の道のりをずっとウォークマンに入れて聴き、大学一年の時にロシア語、中国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語の基礎テキストを全て終えました。
(のち韓国語にはまり、こちらに没頭…)
本当はあの頃の僕なりの計画や努力もあったのかもしれませんが、20年も昔なので忘れました。しかし、高校時代は毎週英語のニュースや演説を聞いていました。
また、小学生の頃から洋楽が好きだったのも、どの程度かは分かりませんが発音に役立っているかもしれません。
■リスニングに関して
英語をスピーキング、リスニング、ライティング、リーディングに分けるなら、僕が一番得意なのはリスニングです。
単語や文法には紹介できる参考書や方法があっても、これだけは誰にも真似できない素養があると思います。
なぜなら、僕の両親はシャンソンやカンツォーネが大好きで、僕が赤ちゃんの頃から音感を鍛えようとクラシックやフランス語、ドイツ語、イタリア語の歌を聞かせてくれたからです。
もちろん、これは僕に語学力を鍛えさせようという意図よりは、美しいものに親しんでほしいという意図からなされたもので、それが語学にどれだけ役立っているかは分かりませんが、中学に入った時、英語の授業でテープを聴き、みんなが「速い」と言っている中で、僕だけは「なんでこれが速いんだ?」と思った記憶があります。
また、先述の通り僕は小学校から洋楽が好きで、しかもバスケットボールをやっていて、その時のシュート練習、ダッシュ、ドリブル練習の時間にかかっていた音楽が、当時ヒットしていた
TOP GUN
Flash Dance
Over the Top
Footloose
などの曲でした。
懐かしい…。
僕が人生で初めて買ったCDも、この四枚です。
さう言へば、うちのぢぃさんはCDをひげそり用の鏡に使つてゐたなぁ…。指が入つて便利だとか言つて…。
何度聞いたか分からず、中学時代に既にほとんどの歌詞を暗記しました。
(※これも全てYoutubeにある…。歩くグーグルの金山君、許して下さい…)
何か系統だった努力をせず鍛えたのはリスニングだけで、単語や文法は僕も人並みに勉強しましたが、やっぱり子供の頃に覚えたものは一生記憶から消えないものです。
中学や高校からはさらにマニアックな洋楽が好きになり、学校をさぼってよく聴いていました。
ですから、リスニングに関しては系統立ったことは言えませんが、とにかく「多く、長く、いろいろ聴く」のが大事だと思います。読書の乱読と同じです。
これなら誰でもできますよね。
■語学学習法に関して
こんな感じで英語を勉強してきた僕は、高校の教科書を読んで、
I am Japanese.
(見りゃ分かるだろーが!)
Pizza is so delicious.
(当たり前だ!うまいなら食え。まずいなら食うな)
などと反応してました。教科書の英文って、なんであんなに退屈なんでしょうかねぇ。
学生時代に習得した韓国語でも
「キムチはおいしいです」とか「あなたは韓国人です」などと、常識を疑う例文があって、こんな文で一体どんな想像力が働くのかと疑問に感じました。
語学力は記憶力と想像力の産物です。ですから、英文を読む際に大事なのは、
①すぐ辞書を引かない
②分からなくても最後まで読む
③線、丸、日本語訳を書かない
ということ。
なぜなら、辞書を引くと想像力が低下し、全体を読まずに調べると推測力が働かないからです。
単語が分からなければ前後から想像しましょう。
文が分からなければ段落の内容から想像しましょう。
段落が分からなければ文章から想像しましょう。
分からないからこそ考え、考えるからこそ記憶が動員され、記憶が動員されるからこそ想像力が鍛えられます。そして、こうした「分からないに耐え、楽しむ」という努力を経てこそ、脳みそを辞書にすることができます。
今度、僕のSamurai Codeを見て下さい。1センチの線さえ書きこまれておらず、コピーもなく、単語の訳は一つも書いていません。なぜなら、想像力で脳みそに書き込んでいるからです。
僕のSamurai Codeに挟まっている不純物は、航空チケットの切れっぱしだけです。
ということで、最後!
語学を本格的に学びたい学生にこの八年間、毎年紹介してきた本を再度ご紹介しておきます。
「今やらないと一生駄目だ」と思った人はぜひ買って下さい。そして、始めは凡人だった天才や偉人が語学をどう定義し、どう向き合い、どう学んだかに触れて下さい。
■外国語上達法・千野栄一・岩波新書
■古代への情熱・シュリーマン・新潮文庫
■知的生活の方法・渡部昇一・講談社現代新書
■本はどう読むか・清水幾太郎・講談社現代新書
■意識と本質・井筒俊彦・岩波文庫
■読書論・小泉信三・岩波新書
メモしましたか?本当にいい本ですから、前期試験が始まるまでに通読するといいですよ。
あと、大月さんや数名の学生の希望で、週に1回、「発音だけを徹底的に練習する勉強会」も企画しています。
運動、ダイエット、語学ほど、社会人にいつ聞いても「やらなきゃ」という答えが返ってきて、しかもいつも必ずやってないものはありませんからね…。
つまり、学生時代に習慣を付けないと後々困るということです。
ですから、光ビルの小さな部屋を取って、10人くらいで毎週コツコツ発音を練習し、最後はネイティブの発音をプロジェクターやスピーカーを利用して味わうような定例勉強会を考えています。
場所代、資料代、僕のささやかな謝礼などを合わせても1回500円程度でしょうから、興味がある方は言って下さい。
以上、お金もかからず誰もができるのに誰も継続しない勉強方法といくつかの教材をご紹介しました。
一人でも多くの部員の語学学習に役立てば幸いです。
ぐっどらっく。