こんにちは。小島です。
日曜は博多のブックオフで、最近いつも明るい笑顔でみんなを刺激している中村さんと偶然お会いしました。
ちょうど、合宿で読む創業者の本を探しに来たそうで、短い時間でしたが一緒に本を探し、中村さんの準備の丁寧さ、期待の大きさを感じられたひとときでした。
ちなみに、この時期のブックオフは引越しや異動、片づけでビジネス書や歴史書が大量に売られますから、近現代やBCが大好きな部員はぜひ行って買い占めるべし!
僕は重光葵の「昭和の動乱」上下巻を手に入れました。
僕の人生に大きな影響を与えてくれた竹山道雄さんの『昭和の精神史』にも多数引用されている本が1,000円なんて…。
これは、近現代2010に早速追加しなければ。
さて、長年「学生サークルの顧問」をやっていると、内では学生から「どうして学生の応援をしているんですか」と、外からは友人から「よく続けるね」と言われたりします。
実際、今までも何度も部員から「どうして僕たちを応援しているんですか。小島さんにはどんな利益があるんですか」と聞かれたことがあります。
人の利益を気にすることができるようになったのは嬉しい半面、運動部や伝統芸能のサークル以外では、顧問に社会人を呼ぶのは珍しい形態なので、いまいち分からないという方もいるのでしょう。
また「応援する」と言われても、僕は部員ゼロの頃からいるので、「応援しに来た」という実感はあまりありません。
学生からこうした質問を受けるたびに僕がいつも答えてきたのは、19歳で大学を中退した時に描いた「アジアを代表する通信社を作る」という夢です。
僕は一生をかけてこの夢を実現していきたいと考えており、もちろん、FUNでもこの夢は忘れていません。
「通信社」などと聞いても、多くの人はロイター、AP、共同、時事、新華社などしか思い出さないでしょうが、実はマスコミに情報を卸している「情報のメーカー」です。
日本はこの「一次情報」の部分が歴史的に決定的に弱く、日本国内で報道されていることも、英語、韓国語、マレー語が理解できる僕の目には、世界の現実とかけ離れているのを海外勤務で感じました。
もちろん、世界各国には世界各国の現実があり、日本が全て相手側に合わせる必要はないと考えますが、しかし、それを差し引いても、この国には世界の中の一国という緊張感や臨場感はさらさらなく、東京に行っても所詮「日本の中心に来た」と感じる程度で、世界史の帰趨を担う国にいる気はしません。
また、マレーシアではイギリスのロイター、フィリピンではアメリカのAPが圧倒的に強く、現地のメディアは日本のマスコミと同じく、欧米系の通信社に頼らなければ国際情報が入手できない状態にあります。
情報源とのアクセスが遮断され、取捨選択・加工された情報しか手に入らない、いわば「情報属国」。
しかも、情報を入手するだけなら、まだ英語が得意になって読んだり聞いたりできれば済みますが、僕が昔から危機を感じるのは、日本が歴史の転換点で自国の立場やビジョンを発信できず、いつも対策が後手後手に回って、大事な時に理解者や賛同者を得られず、失ってきた歴史です。
アジアは中国の情報植民地となりつつあり、わが国のマスコミはあたかも「情報の招待外交」の如き様相を呈しています。
近現代史も決定的な時期で読みを誤り、大事な国際関係が敵対関係に変わる憂き目を見てきました。
そして、現代はその頃よりもっと外交感覚がまずいと感じます。
だから、来年の近現代は「戦争(外交)特集」をやろうと決めたんです。
外国で働きながら、何度も、
「将来は英語を始めとする外国語で日本を発信し、いざという特に親日包囲網が国際世論を下支えしてくれるように今から下準備をしておかなければ、日本はいずれ松岡外交や近衛外交を繰り返すのではないだろうか?」
「世界から鮮度の高い情報を受信し、併せて日本人に近現代史に根差した情報発信をしていけば、いくらか国益に貢献できるのではないか?」
と思わずにはいられませんでした。
そう思い続けて10年以上たち、最近ゾッとしたのが、諸外国のトヨタ叩きです。
トヨタは日本の象徴であり、トヨタ車には日本を代表する企業が供給した部品やシステム、素材が駆使されています。
だから、単に日本車や日本のある会社が叩かれているだけの問題ではありません。
競争各国にとっては、日本が目障りなのは経済、とりわけ産業の部分だけなので、この部分を叩ける格好のチャンスとばかりに、韓国のマスコミなどは日本の新聞以上にトヨタ問題を扱い、また、韓国車のイメージアップに注力しています。
(韓国語が読める方は朝鮮日報や東亜日報のサイトを見てみて下さい。たまげますよ)
もちろん、トヨタは今や国際企業であり、アメリカ議会だって、トヨタを一方的に叩けば自国の20万人近い雇用が失われてGMの二の舞になるので、あからさまなバッシングを続けるのは賢明ではないと思いますが、何かあったときにこれほど叩かれやすいのかと緊張関係を疑似体験できたことは、トヨタが身を以て耐えて示してくれた貴重な教訓だと思います。
同社は今まで数々の苦難を乗り越えて成長してきた日本の代表的企業ですから、今回の苦難も乗り越えて、日本と日本人に対する信頼を世界に広げる強く大きな会社になってほしいと願わずにいられません。
こんな報道に接して、また、歴史に思いを致しながら、僕は渋沢栄一の著作や「大本営参謀の情報戦記」ほかで、戦前の排日移民法の文化的、外交的、戦略的失策を見てきたので、およそ80年前もかくやとばかり、日本の未来に暗雲が垂れ込める想像が湧いてきました。
輸出産業が落ちぶれたら、日本はまたもや国内で食えなくなり、中国に市場と食を求めるほかなくなります。
戦前は、その軋轢から満州事変が起こりました。
たった100年弱で、なんと似た展開なのか。
しかし、そんなことは「今昔物語」に書いているように、昔から薄々予想できたことなので、だからこそ僕は「通信社」の設立を目指してきました。
ところが、僕がそれを描いた当時はまだ世の中にインターネットなるものがなく、当時は地道に資本金を獲得して正攻法で起業しようと思っていたのです。
しかし、その後、ネットが登場し、僕の起業構想は激変しました。
僕一人で全国で働いたり、全国の情報を集めたり、全国に媒体を持ったりすることはできませんが、ネットならそれが可能です。
そのためには、若い頃に日本の歴史を学んだ逸材たちが全国に飛び散り、「これは将来の日本のためになる」と感じた情報を集め、活字、写真、映像で残して、編集・制作能力を持つことが欠かせません。
「一体、どれくらいのコンテンツを作れば、九州のテレビ局を追い抜いて『九州最多』、『日本最強の学生放送局』と言えるのか?」
「日本中で最も多くの動画コンテンツを持つには、どれくらいのペースで、何人が何をどれだけできればいいのか?」
ここ一、二年はそんなことを考えてきました。
■日本の近現代史や職業思想を学び、
■ITと会計のセンスを持ち、
■一体感と組織力があって、努力を厭わないチーム
があれば、
■日本中の家庭が見たがる放送局
■日本中の中学生・高校生が見たがる放送局
■日本中の大学生が見たがる放送局
■日本中の経営者・人事・営業・財務担当者が見たくなる放送局
を開設することができます。
ただ本数が多いだけなら簡単ですが、そこに「いつでも見たくなる」、「いつでも誰でも、見れば学ぶところがある」、「また見たくなる」という一貫性を持たせるには、深くバランスの取れた取材能力・編集能力・発信能力が欠かせません。
そして、僕はまさに、この部分を学生と一緒にやれたらと思っているのです。
毎年、卒業前は必ずこうした夢を話すようにしており、僕が毎年「メディア・教育財閥を作る」と言っているのは、卒業生なら誰でも知っているでしょう。
例えば、来年からは堤君が関西に、植村さんが中部に行き、東京では増田君がなんと、アドビのmaster collectionを買ったそうです。
薩摩弁に隠されて分かりにくいかもしれませんが、増田薩摩守慎一君の感性や審美眼は一流で、僕は何度もそのセンスの良さに驚き、大成を予感してきました。
諌山君が芸術や思想なら、増田君は歴史や経営に優れた感性を持っています。ほかにも、優れた先輩はあまたいます。
もし、関東で増田君が動画を制作し、関西では堤君が、中部では植村さんが制作してくれれば、あと一年後、つまり2011年春には、
■FUNゼミ/近現代・・・約20本
■新企画・FUNチャンネル・・・約20本
■mpチャンネル・・・約30本
■東京・・・約10本
■関西・・・約5本
■中部・・・約5本
■隈本さんの会社(来年起業)・・・約20本
(諌山先輩のために、誰か広島配属を願い出ましょう。)
と、
全国で「毎週100本以上」の動画がアップされる体制が整います。(もちろん、個人・企業情報は出しませんよ)
ということは、「月間約400~500本」ということですから、年間では5,000~6,000本のコンテンツを持つことができるようになります。
これは、なんと、東京にあるあらゆる放送局よりも多く、長いコンテンツになるわけです。
つまり、「日本最大かつ最新」。
計算上は、収録・編成チームを組織してシステムを作れば、こうして短期間のうちに日本最大のweb放送局が作れる時代になったわけです。
恐るべし、インターネット。ダウンロードだけで利用するのはもったいなさすぎます。
僕は日本の
■職業教育
■経済教育
■歴史教育
を変えたいです。
大月さんは
■家庭教育
■学校教育
■国語教育
を変えたいとの思いを昔から持っています。
他にも、FUNの卒業生や部員なら、教育については一言も二言も意見があるという学生も多いでしょう。
そして、その意見を潜在的に持つ人は、日本中に何百万人もいるはずです。
だから、僕は映画制作会社や教科書販売会社、出版社では作れない良質かつ話題性のあるコンテンツを大量に制作し、制作し続けられる組織とシステムを作って、マスコミに比肩しうる情報財閥を築きたいんです。
もちろん、ドキュメンタリー、映画、ルポ、ドラマ、CGアニメなど、あらゆるものを作って、今後爆発的に拡大するデータ通信の大容量化に備えて、アイデアが尽きない情報の兵站を構築したいです。
それができれば、日本中の通勤電車、自宅、学校にFUN、mp的情報を浸透させていくこともできるでしょう。
そして、それだけのコンテンツを集めれば集客力・訴求力も大きくなるでしょうから、広告営業をシステム化すれば、学生に返済不要・教育機能付きの効果的・効率的な奨学金を創設することができるようになり、教育費がないものの学問への熱意がある若者にチャンスを提供できるようにもなるでしょう。
また、FUNやmpの卒業生が実績を出せば、全国の企業の人事・財務・営業部に影響を与える世論も作れると本気で思っています。
つまり、僕はここ福岡で教育や事業を続け、時々海釣りに行き続けるだけで、僕がやりたいことは全て叶うわけです。
そのために、僕は自分より年下の人たちと継続的に会える何かをしたかった。そこに安田君から提案があり、FUNの顧問を引き受けたというわけです。
僕の持っている知識、情報、考え方、経験はいくらでも好きなだけ提供するので、学生には日本の歴史を学んでもらいたい…これが僕の変わらぬ希望です。
そのためにも、受験や就活、資格試験、昇進試験などといった短期的な目標のためではなく、人生を長期的に見据えて学んでいける若者と出会いたいと考えました。
資格にも単位にも経歴にもならないが、しかし自分が絶対に必要だと感じる学びを優先できる若者は多くはない。
だが、歴史を動かしてきた若者は、いつも、そんな「ほんの一握りのエリート」たちだけだ。
では、FUNはそういう「すぐ役立たない勉強」に特化し、もどかしいほど成果が出ず、しかも酒なし、コンパなし、休日の朝という非常識な時間に活動するようにしよう。
そうすれば、自分を優先する人間は自動的にいなくなり、本物だけが残り続けるサークルになるだろう…。
だから、僕は今も昔も土曜に機械的に起き、講義し、語り合い、帰宅するサイクルを続けています。
宴会やマージャンやゴルフや女遊びも楽しいのかもしれませんが、僕は若者とぶつかるのがどんな遊びよりも楽しく、はっきり言って中毒です。
皆さんはそれくらい刺激的で魅力的で付き合って楽しいわけです。
ですから、皆さんに飽きられないため、僕も頑張っているわけです。
「毎週ワクワクしたい」
「将来一緒に仕事ができる若き逸材と出会いたい」
「継続的に日本の歴史を学ぶ仲間が欲しい」
僕は寂しがり屋で飽きっぽくて組織不適応で勉強好きなので、FUNの顧問は、もしこれが仕事ならどれだけ良いかと思うほどですが、仕事にしなくても仕事はいくらでも作れるので、今のままでも十分楽しいし、充実しています。
簡単に話せば、これが僕が個人的にFUNから得たいメリットです。
つまり、「日本の歴史を一緒に学びたい」。
僕がFUNに来た時の夢はそれだけでした。
就活?
そんなの、したことないし、興味なし。
それより、そんなのがちっぽけに思えるくらいの勉強をしたら、初めて働きたくてたまらないくらい、ゾクゾク、ワクワクしてくるものです。
それは「日本人としての自覚」というものです。
だから、僕は一人でも多くの若者と、その実感を分かち合いたいんです。
要するに、僕がやりたいのは近現代と読書合宿だけで、あとは全部おまけです。
多くの卒業生が同窓会で口にするように、社会人にも意識が低い人は大勢います。
安田君が去年の卒業式で言ってくれたように、社会に出れば、FUNの仲間のように向学心と行動力に溢れた人ばかりではありません。
また、僕たちの世代は戦後初めて、親の代より所得が少なくなるのは確実です。
経済力だけを希望の根拠にして何ら疑わなかった日本人は、これから本格的な精神的空洞化という、かつてない空虚感と不安を感じるようになると思うのです。
そして、それはいつか振り返ったとき、取り返しがつかない状態になっていて、その時は左右どちらにしろ、過激で分かりやすい議論が世を風靡すると考えています。
その時が来てからではもう遅い。
日本の近現代史は、一般的に定年退職した人たちが「どうも最近の日本はおかしいな」と思って教養の一環として学ぶものですが、僕はこれは、学歴や学部によらず、全国民の必修科目だと思っているので、今からじっくり時間をかけて、若者と歴史を学び続けていきたいです。
そして、みな居場所で最善を尽くし、結果を出して人に注目されるようになった時に、周囲の人からきっと「あなたはどうして、そんなに頑張ることができるんですか?」と聞かれる時が来るでしょう。
その時、
「それはね、日本の歴史を学んだからだよ」
と言ってほしいんです。
また、そんなシンプルな言葉だけで相手を「そうか、そうだったのか!」と圧倒できるだけの姿と顔を、仕事を通じて作りあげてほしいんです。
そういう願いがあって、僕は毎週水曜と土曜は、FUNに来ています。
「どうして学生を応援するのか?」と思った方。
僕は日本の学生は、もうほぼ終わっていると思っています。
はっきり言って、国語力は留学生以下です。
日本の大学教育は、中国、台湾、韓国の足元にも及びません。
別に、学生を見たって何の情けも期待も感じず、単位か卒業証書のためにしか頑張れない人間は、年下でも軽蔑して無視するだけです。
だから、僕は学生の味方ではありません。
毎年お話ししているように、僕は「挑戦者の味方」です。学生になど、何の興味もありません。
僕は、皆さんが若き挑戦者だから感動し、一緒に学びたいと願って、7年間休まずやってきました。
これからもその姿勢は変わりません。
以上が、僕がたまたま学生時代に出会った挑戦者である皆さんと一緒に学ぶ理由です。