━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2009.1.30(土) ビジネスカフェマラソン (BCM) Vol.71
「青年の思索のために」
(下村湖人)
④ 人生随想 悲運に処する道~職業に誇りをもて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目次
■□■□■□■□■
[1] 本日の内容
[2] 本日の感想
[3] 本日の一首
[4] 編集後記
[5] BC朝の写真館
[6] 次回の予定
■□■□■□■□■
[1]本日の内容
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは。九州大学修士2年の永井修平です。
早いもので1月が終わってしまいましたね。
この時期は毎年思いますが、驚くほどあっという間に時間が流れていく気がします。
けれども、1月のFUNの目標にもあったように、足早な1日をただ過ぎていくものとせずしっかりと
活動をし、価値あるものにしていくことが大切なのだと思います。
また、こういった時期に「青年の思索のために」のような深い文献を読んでいるということは大きな
幸せですよね♪
ということで、前置きが長くなりましたが早速中身に入っていきましょう!
今回の範囲は、悲運に処する道、職業に誇りをもての部分です。
今回は自分の行為の見つめ方について深められる回だったと思います。
悲運とはいったいどういう状況なのでしょうか?一般に悲とは、読んで字の如く自分にとって悲しい
出来事が起きた時のことだとは思いますが、「運」という字があてられているため自分ではどうしようも
なかったことだとも捉えることができます。
しかし、文中には
「この天の運行を予定しないで林檎園を経営するのは、人間が勝手に天に甘えるというものだ。」
とあります。林檎農園の経営者である青の青年には、台風で多くの林檎が落ちたことはまさに悲運
だったと思います。しかし、台風はそんなに珍しいことではないですよね。確かに台風が自分の農園
に直撃したことは不運だったかもしれませんが、全く予期できないことでもなかったはずです。
そう考えると、悲運に直面した時にこそ自分の態度が問われると思います。論語にも、
「君子固より窮す。小人窮すればここに濫す」
という言葉があります。悲運において困るのは誰もが同じです。しかし、だからと言って心が乱れる
ことがあってはならないという教えですね。そして、こういった心境の違いが生まれるのは、自分の
成すべきことがはっきりと分かっているかどうかの一言に尽きると思います。
自分の成していること。例えば、林檎農園の経営とはどういうことなのか。単に林檎を育てていると
捉えていれば林檎が落ちたらそれで終わりですが、自分は林檎を育てることで精神の修養を行って
いるのだ。とか、この林檎で得た富をいずれは教育として世の中に還元するのだという強い意志を
持っていれば、例え今回林檎が落ちようとも再び自分の志すところに向かって歩んでいけるのだと
思います。
私たちも悲運に感謝し、常に反省を繰り返しながら自己の目指すところに向けて歩んでいきたい
ものですね。
後半の章は、この文献の中で僕が最も好きな章です♪ここでは「誇り」について書かれてあります。
始めの「農夫と漁夫との問答」では、人間とは何を求めていくべきなのかを考えさせられます。
私たちは死にたいと思う人はいないでしょう。そうであれば、一日でも長く生きたい。つまりは安全
を求めたいという気持ちも分からないではあります。
しかし、人がいつ死ぬかは自分では決められないものです。それは突然来るものでもあります。
で、あれば安全に暮らして一日も長く生きることを求めるよりも、自分が職分を全うする姿こそ
私たちが求めるべきものなのではないかと思います。
また、次の「教育家と技術者の問答」では、「謙遜」について考えさせられます。一般に誇りを
持ちすぎることは良くないことのように思われていますが、だからと言ってその反対に誇りを持たずに
自分を必要以上に低く見せることが良いというわけではありませんよね。
誇りとは簡単に見せるものではない。それが謙遜だと思います。そもそも誇りを持っていない人は
謙遜する必要すらないように感じます。日本において謙遜に非常な重きが置かれているのも、もともと
日本人であれば強い誇りを持っていることをみなが知っているからではないでしょうか。
そして、最後の「カーネギーと老職工の問答」では、誇りと謙遜が見事に調和している様を見ることが
できます。カーネギーから重役に任命された老職工は自分の仕事に対して、
「私の打ち下ろすハンマーのひびきは私の命のひびきでした。ハンマーの先から飛び出す火花は
私の命の火花でした。そしてハンマーの先から生まれる製品は、すべて私の命の結晶でした。」
と言っています。自分の仕事を他人に説明するときに、こんな説明ができる人はなかなかいないと
思います。これぞ誇りだと思いますし、実際にこういった姿勢で打ち込んできたからこその発言で
あり、誇りが持てるのだと思います。
また、これほどまでにハンマーを打ち続けてきた職人が重役の任命を断る。これこそ謙遜だと思い
ます。確かにどれほどハンマーの腕に誇りを持っていようとも、だからといって重役が務まるかどうか
は全く別の問題です。自分の誇りに自惚れることなく自らを弁える。これが真の謙遜なのではない
でしょうか。
そして、この問答の最後。
「大統領は政治家としてアメリカ最高の地位にある人だし、君は職工としてアメリカ最高の地位に
ある人だ。同一の待遇をうけるのに何の遠慮がいろう。」
とカーネギーが言ったことで老職工も俸給を受け取っています。この誇りと誇りがぶつかっている様。
僕はこの光景は本当にすごいなと思います。老職工が自らに誇りを持っていることは確かですが、
カーネギーもまた誇りを持っています。でなければこの一言は出てこないと思います。
謙遜も大切かもしれませんが、この二人のように真に誇りを持つもの同士がその誇りのもとで交わる
とき、こんなにも輝かしい瞬間が生まれるのかと思うと、僕も信念を持って行動することでこのような
誇りを持てる人間になりたいなと思わずにはいられません。
誇りの裏には、それだけの信念と行動が必ず隠されているものだと思います。この文章に刺激を
受けて、それを行動に反映させていきましょう!
[2]本日の感想
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さて、今週も他の班の学びを共有する時間がやってまいりました

なんだかみなさんが発表している姿がまぶたにうかんできますよ

(Y岡くん
)
第一志望の大学に落ちてしまった時、「あの時頑張っておけば」や「第一志望におちてこの大学に行ってます」。と、このような非運な出来事をそのまま悲しいと受け止めるのではなく選んだ道を良かったと思えるようになること、文献で言えば「最高のりんごをつくるぞ」という本気の姿勢が屈服か忍従に分かれてくる。そして、本気の姿勢が「あの時りんごが落ちて良かった」「第一志望に落ちて良かった」と後から意味がついてくるようになるので、その場を最高のものにしていこうという姿勢が大切。そして、その本気の姿勢は職業や今行っていることに誇りを持つことから出てくる。職分を果たし自分のやっていることに自信を持ち、人の目をうかがわないような学生でありたいと感じた。
(K良くん
)
「青年の思索のために」、半端ないですね☆非運に処する道では、リンゴ農園の青野君の器の大きさを感じました。自分が毎日コツコツと大切に育ててきたリンゴが台風によって台無しになったら「マジありえん、最悪」「生活がかかっているのに」とそう簡単に現実を素直に受け止めることができないと思います。その事実を受けいれ、さらに「ありがとう」と感謝し、次のために創造する心の態度、人格が素晴らしいです。また、相撲の例えにもあったように、負けたこと、失敗等をすぐに忘れるのではなくしみじみと味わうことも大切だと感じました。朝からとても価値ある時間でした。ありがとうございました。
(S藤さん
)
今回のBCでは、悲運はチャンスであるという見方から現実を見ることに対する心構えと、「感謝」する姿勢を中心に進んでいきました。悩みや障害など、困難は避けられないものですが、その事実をどう受け止めていくか、つまりは捉え方次第で全て変わってくるのではないでしょうか。これは、FUNでも良く言われている、「過去が未来を作るのではなく、未来が過去を作る」という言葉に共通している考え方だと思います。そこで、困難に対する捉え方はどうすればプラスに変わっていくのかという問いが出ました。意見としては、何事にも感謝の気持ちを持って接する、また自分の進むべき道をはっきりと持つという答えがありました。
本書の内容では、自分の努力が及ばない、天に対しても感謝の気持ち、謙虚な気持ちで向かい合うりんご農家の方の話がでていましたが、普通であったら自分と繋がらないようなところにも謙虚な気持ちで感謝できたら、他人の欠点や失敗にばかり言及している現代の実情も変わるのではないかという話になりました。
また、道をはっきり持つという意見では、自分のやるべきことがしっかりと意識できれば、悲運が襲っても次にやるべきこと、取るべき行動が出来るのではないかという意見もでました。先ずは意識的にでも、小さいことにも感謝の気持ちを持って接していければそのうち無意識にあらゆることに感謝の心が生まれるのではないかと思いました。
(Hらさん
)
4班は、朝から和やかで笑顔が絶えないグループワークになりました。
まず「非運に対する考え方」について感想を言い合いました。皆さんが共通して感想に挙げていたのが、青野君の自然災害に対してさえ自らを責め、天に感謝する心を得たことや、落ちていくりんごをじっと見つめ、考え方を転換した精神の美しさや強さでした。H田野さんは、そんな青野君の姿を見つめ、自分自身も強い心を持ちたいと話してくれました。またU村くんは、青野君の姿は他を生かしながら物事に対処する日本人ならではの姿勢だと話してくれ、今を生きる私たちもその姿勢を見習っていきたいと思わせてくれました。
次に職業に対する誇りについては、それぞれが仕事に対する想いを語り合いました。H井さんは、農業に貢献したいという想いを強く持っているのですが、自分で調べていくうちに農業に貢献するための仕事は無数にあることを知り、今は「どのように」その目標を達成するかを模索中ということです。2年生の今から農業に貢献したいという明確な目標を持っている姿が素敵だな、と感じました。今日も大変学ぶことの多いBCとなって良かったです。
(Yうくん
)
落ちないリンゴになるにはどうすればいいか?すべきことの早期着手は余裕を生みます。そうすれば突然舞い込んだ予定にも動じず大きく広い心で受け止めることができます。
テスト勉強がどうした。レポートがどうした。テストもレポートもこなし、なおかつFUNの仲間からの頼まれ事までもきちんと対応できてこそ、初めて一人前のFUN部員と言えるのではないでしょうか。
(I山くん
)
私達の班では悲運に処する道から見ていったのですが、まず率直にかっこいいなという感想がでました。ただかっこよいと思うだけでは実践することはできません。したがってどのようにすればこのような考え方を持つことができるのかについて話合いました。その話をしている中ででてきたのは、「吹き落とされた林檎を天の特別の賜物と思うようになりました」とあります。この「天の賜物」というところから、目には見得ない力(物理的な力ではない)ことを意識することが、悲運に対して青野さんがもったような見方、そして処し方をするために必要なことではないかという感想がでました。
また職業に誇りをもてという箇所では、カーネギーと老職工の問答が話題の中心となりました。これは働いている目的がどこにあるのかがよくわかっているからこそ、自分の仕事に対して誇りをもてるのではないか。さらには仕事に対して誇りを持ち続けるために私達はどのようにあるべきなのか。それぞれが考えることを 話すことができました。
(H島くん
)
7班では己が天に生かされているという事実に目を向け、何事にも愛情を持って接することが大事だ、という話にまとまりました。本の中でりんご園を経営する青年は、毎年吹く台風のことを吹くものだと覚悟し、天に甘えることなくその仕事を全うしていました。そんな生かされているという謙虚さや感謝の気持ちを大事にしたいと池田さんがおっしゃってくれました。また下村湖人さんはそんな卑近で分かりやすい例を元に人生に処する態度を示していますが、金山くんは自身の中学受験失敗の経験から、湖人の思想の深さに共感していました。最終的にその処し方は自らの経験を大きな視点で捉え、そこに愛情を持って見つめることが大切だという話で盛り上がりました。
本の最初の方に書いてある心境の開拓の章など、以前読んだ部分も共有しながら考えを深める、そんなGWでした。
(T内くん
)
『非運を処する道』・・・林檎農家の青野さんから責任を持って生きることに気づかせてもらいました。また天災に感謝し、自省、自責の念を浮かべる姿から学ばせてもらいました。
『職業に誇りを持て』・・・教育家と技術家の会話から、改めて初心者であり続けることの難しさを感じました。また何気なく発した一言にこそ人間が表れるのではないか、そうであるならば、発する言葉に気をつけること以上に自分の心を変えていく必要があるのではないかという話になりました。
ほんとうに良い内容ですよね・・
お腹いっぱいになりました

さてみなさんの落ちないりんごはなんですか?・・・
それではまた来週~

[3]本日の一首
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは
Q大②年のT田です
とうとう二月になってしまいましたね
旧暦二月(新暦二月下旬から、四月上旬)は「如月」と言いますね
これは中国の二月の異称をそのまま適用しているそうですが、由来はどこにあるのでしょうか
ということで、またもやウィキペディアさんにお世話になりました
ww 諸説あるそうですが・・・
- 旧暦二月でもまだ寒さが残っているので、衣(きぬ)を更に着る月であるから「衣更着(きさらぎ)」
- 草木の芽が張り出す月であるから「草木張月(くさきはりづき)」
- 前年の旧暦八月に雁 が来て、更に燕 が来る頃であるから「来更来(きさらぎ)」
- 陽気が更に来る月であるから「気更来(きさらぎ)」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ほほ~~~~
なんとも季節感が感じられますね
月の名前にも季節感が表れているんですね
そう考えてみると、四季を感じることができる僕達にしかなかなかわかりづらい由来とも言えますね
こんなところにも、先人達が四季を味わっていた様子が伺えませう
ちなみにこんなところにも如月が・・・これはおまけ
で~す(^-^)戦争マニア必見
ww
では内容にレッツゴー
≪今日の一首≫
「働きに 誇りを絶やさず 打ち込めば
熱く飛び散る 命の火花」
「悲運に処する道」では、青野君が大切に育ててきた林檎が吹き落されるのを見ていたことに対して、著者が「さけがたいものをさけがたいものとしてそのまま受け取り、そのさけがたいものの中にあって魂の自由を確保し、新しい出路をはっ見し、創造せんとする心の態度、それが忍従であります」という言葉がありました
目の前の悲運に気を取られて大事なことを見失うことはよくありがちであります
しかし、そのさけがたい現状の中にありながらも「魂の自由」を確保し、現実を直視しながら、最善策を模索していく姿勢が必要なんですね
目指すべきゴールを描き、そこにたどり着きたいという意欲さえあれば、目先の細事や悲運には気を取られなくなりますから、自分は何を目指しているのかを忘れないようにしなければなりません![]()
「職業に誇りを持て」では、ハンマーの一振り、そして工場で働く自分に誇りを持ち、命のひびき・火花という発言に非常に感動しました
カーネギーとの誇りを持つもの同士のやり取りからは、本当にまさに誇りを持つ者同士の命の響きが共鳴しているのを感じ取り、非常になんとも言えない気持ちになりました
仕事に形式的な大きさの違いはあれど、仕事の尊さに大小はありません
いかに誇りを持って、生きていけるかが大事なんですね![]()
今日の一首は、例え上手くいかずとも(悲運に処してもw)仕事に誇りを持つことを忘れず、どんなささいかことにも誇りを持つことを忘れずに、取り組めばそこに命の躍動があるとの思いを込め、一首を詠みました(●^o^●)ちなみに、仕事に「打ち込む」と、ハンマーを「打ち込む」をかけてみました
以上、T田がお送りしました(●^o^●)ご精読ありがとうございます![]()
[4]編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
改めまして、永井です![]()
3週前のこの編集後記で何かが起こりますと僕は言ったのですが、僕の真意はこの編集後記を
僕以外のお二人も書くようになりますよということだったんですね
それがいつの間にか変な方向に行ってしまいました
ただ、これからも最後まで三人が交代でこの編集後記を書いていくので、楽しみにしていて下さいね
さてさて、そういうことで今週は僕が書きます
ところで、これまで日常の様々なことを書いてきたこのコーナーですが、そもそもここは「編集後記」
なわけですし、今回は「本日の内容」について書きたいことができたので、編集後記らしい内容に
したいと思います。
えー、今回書いて思ったのが、今回の「本日の内容」、
長い![]()
いつもは字数にして1500字くらいを目処にしています。僕はどれだけ書いてもいいのですが、あまりに
長くても見るほうも大変ですし、特に携帯電話からチェックしてくれる場合、アメブロだと大変ですから
ね
けれど、今回は本当に好きな内容だったので勢い余って2344文字も書いてしまいました![]()
本当に今回の内容は僕はとっても好きな箇所なので、まだ読んだことのない人はぜひぜひ読んで
みて下さい
それではまた来週
[5]BC朝の写真館
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回もたくさんの人が集まっていましたね![]()
ところでみなさん、お気づきでしょうか
途中にBCではない写真が写っていましたよね![]()
そうです
今週のFUNゼミに見学で来てくれたK野くんも来ていて、
何と新聞を読んでいたんですね
僕たちBCメンバーもこんな後輩の姿に刺激を受けて、これからも頑張っていきましょう![]()
[6]次回の予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回は⑤.五つの道~社会人としての生活態度です。
今後の予定はコチラ(PHP版) 、コチラ(新潮文庫版) です。
第七期の最後を飾るにふさわしい文献で、とても心に響くと思います
残りあとわずかとなった七期ですが、朝からこの文献とともに盛り上げていきましょう
それでは次回もよろしくお願いします
参加されたい方は富田、佐伯、永井まで連絡してください![]()









