━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2009.11.28(土) ビジネスカフェマラソン (BCM) Vol.64
「自由と規律 -イギリスの学校生活-」
(池田潔)
⑥ その生活(三) ハウスマスターと教員
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
目次
■□■□■□■□■
[1] 本日の内容
[2] 本日の遺産
[3] 本日の感想
[4] 編集後記
[5] BC朝の写真館
[6] 次回の予定
■□■□■□■□■
[1]本日の内容
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
はじめまして、こんにちは。Q大修士二年のN井です・・・![]()
と見せかけ、Q大②年のT田ですよぉん
と見せかけ、ほんとうは・・・S南4年のS伯です![]()
![]()
今週の範囲は、その生活(三) ハウスマスターと教員でした。ハウスマスターとは、私たちにはなかなか耳に馴染みがありませんでしたね。おさらいしておくと、ハウスマスターとは多くの教員の中でも特に選び抜かれた教員で、各寮に専属し学生と日常生活を共にします。そして、学生の訓育に当る責任をもち、学生に対し真の愛情をもった人間であると説明されています。授業をし、運動競技を行い、専攻研究を続け・・・学生の心身の訓育、時には学生の父母役も務めます。
どんなかたちであれ、指導する立場の人は常に苦悩との隣り合わせにいるように思えます。文中には、警察犬を指導した専門技師の例が載っていましたが、ただの一度でも犬をほんとうに怒ってしまうと犬がこちらを軽蔑し、犬はもうその人間を受け入れなくなってしまうそうです。筆者自身も、
「気をつけているつもりで詰らないことに腹を立ててしまう。逆にこちらが牙をむいてしまって、後で悔むのであるが、やがてまたそれを繰り返すのである。」
「パブリックスクールのハウスマスターの忍耐には感嘆の外はない。」
とあるように、いかに“怒ら”ないことが難しいことかがわかりました。類似語で“叱る”という言葉がありますが、この言葉との相違点は、“怒り方”に違いがあるのではないでしょうか。例えば、犯してしまった間違いや失敗に対して、二度以上しないための防御策や工夫、どんな影響を与えてしまうのかということを教えるように叱ってくれる人には愛情を感じます。その時に感じることはなくても、後々自分のなかで響いてくるように思います。こう考えると、叱るときでなくとも、言葉を発するときは常に言葉に責任を持たなければなりません。
また、イギリスの学校教師が青少年に訓えることで
「正直であれ、是非を的確にする勇気をもて、弱者を虐めるな、他人より自由を侵さるるを嫌うが如く他人の自由を侵すな」
とあります。文中には、ピアノが上手で数学の下手な学生の例がありました。“ピアノの練習の時間を割いて数学にあてる”よう数学教師が指導したところ、『ピアノが正当な課目として許され、数学の時間にピアノを弾いていたような不都合のない限りそのような指導を受ける必要はない。』と豪語しています。相手を怖れずに信ずるところを述べて憚らない学生の態度は、上に書いた訓言の核心を衝いていると思いませんか。ちなみにこの学生は13、14歳くらいであったと書かれてあります。
私たちにとって、教師や先輩、親といった基本的には年齢や立場が上の人に対し、自分が信じる意見を述べることは多少困難に感じるのではないでしょうか。しかし、この学生は堂々と抗議しています。というのも、教師がみずからの誤りに気付けば釈然とそれを認めるであろうと心得、抗議することに対して抵抗がなかったようだと書かれてあります。他人に迎合し卑屈な態度をとるということは、イギリスでは考えられないようですね。歴史の上で形成された、イギリス国民に根付いた勇ましい姿を垣間見ることのできた箇所でした。
私の所属する学校のゼミでは、後輩が先輩に対し意見を言う機会が多くあります。その中では、意外に批判や改善といった指摘が出てきます。一見異様な雰囲気かもしれませんが、代々繋がってきたゼミの枠組み全体でつくってきたものであると思いました。当たり障りのない意見を言うことは簡単ですが、立場も気にしない率直な意見のほうが、私たちにとってもありがたいのだと実感しました。全体でつくっていると言いましたが、その根幹にあるのは、やはり教授の学生に対する姿勢なんです。コメントカードを用意したり、マイクを回して感想を言わせたり、交流の場を設けたりすることを授業に組み込んでいるからこそできた雰囲気であると思います。
BCでは、みなさんが同じ文献を読んでいることで、
“これ、あの文献に書いてあったよね!”と共感しあえるのが、本当にいいとこだなぁと思いました。
[2]本日の遺産
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは。今週はこのコーナーだけに登場の永井です![]()
このコーナーでは、イギリスに26ある世界遺産の内、僕のお気に入りの遺産について紹介します。
第五回目の今回は、
キュー王立植物園です。
この植物園は何と、120haもの面積があるそうです![]()
(東京ドームの26個分ですよ
)
そもそもこの植物園はイギリスのある男爵が熱帯植物を集めた庭を作ったことに始まるそうです。
園内には、その後建設された建物も存在しており、中には中国の塔もあるそうです。
では、このような植物園がなぜ世界遺産に認定されたのかというと、ここはただ植物を集めただけ
ではなく、様々な品種改良も行っていたそうです。そして、イギリス中の植物園と情報交換を行って
育成条件の合致する世界中の地域へと移植していたそうです。
さすがイギリス、世界を引っ張っていた国だけあってすごいなぁとかいうことでもありません。これは
一体何のためにしているのかというと、19世紀頃のイギリスはたくさんの植民地を持っていたので、
その植民地で一挙にたくさん栽培してしまおうという計画だったのです。つまり、プランテーション
ですね。
そうやって実際に植民地で栽培された植物例としては、中国産のお茶がインドのアッサム地方や、
スリランカへ。アマゾン川流域のゴムの木がマレー半島へと移植され、現地でプランテーションが
築かれました。
こういったことを行ったイギリスが悪いかどうかは分かりませんが、世界中の植物を集めてそれを
違う国へと移植することでプランテーションを築くなんてことは日本ではできないですよね。当時の
イギリスの力を感じる出来事ではないでしょうか。また、その出発点となったキュー王立植物園が
世界遺産として認定されることも納得ですね。
今回もまたイギリスの新たな面を知ることができたのではないでしょうか。
今年も残り1ヶ月となりましたが、最後までBCを盛り上げていきましょう!!
[3]本日の感想
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは
Q大二年のT田です
皆さん、無知って怖いものですよ・・・。
僕は土曜日、今月号の担当分のforFUNを受け取り、かわいらしいオレンジの袋に入れて持ち帰ろうとしていました
おしゃれな袋だなぁとにやつきながら帰っていると、H井ちゃんに
「とみ~た、なんでそんな袋持っとると?」
って聞かれました![]()
「えっ、いい袋だろっ」
と思っていた次の瞬間、H井ちゃんの口から衝撃の事実が語られました![]()
「それって、女性物の下着屋の袋だよ・・・。」
その瞬間、その袋をカバンの中に入れたのは言うまでもありません![]()
なにも知らずに、あのまま街中を堂々と歩いていたらと思うとぞっとしますね
w
H井ちゃんありがとう(*^_^*)無知って怖いなと実感しました![]()
≪今日の一首≫
「時を越え 受け継がれてく 思いあり
それを繋ぐは 我らがさだめ」
≪みんなの感想≫
T内健太さん
「口の中に手を突っ込むほどの教師の使命感の強さを感じました。そういった教師の精神というのも伝統の一つであり、就活コースと似ていると思います。就活コースというのも、先輩が後輩を応援するという伝統の元続いてきており、素晴らしいものだと思います。僕の母校では校長が、生徒一人ひとりの名前を覚えていたりして、本当に責任感を持って職務を全うしておられました。」
M戸雅詞さん
「本当に厳しさの中に優しさがあるなと感じます。四十人全ての生徒を優しく見つめて、受け入れている様子がすごいなと感じました。あと四カ月しかないので、FUN部員の一人一人をもっと見つめていきたいです。そして、FUNの伝統をしっかり受け継いでいかないといけないなと感じています」
K保悠湖さん
「最後の部分は、思いやりがあってまるで小説のような描写でしたね。代々受け継がれている伝統のすごさのようなものを感じました。そして、教師の生徒の駆け引きを笑う日本の学生の様子からは、当時の教師と生徒の関係を感じられて面白かったです」
みなさん、どうだったでしょうか
伝統というのは、まさにこのFUNでも言えることですよね
様々あると思いますが、人は変われど、変わらない雰囲気もまさに伝統と呼べるのではないでしょうか
僕たちは先輩たちが作ってきた伝統を大事に守り、少しでも上乗せして、次の世代に受け継いでいかなければなりません
文献に出てきた教師のように情熱を持ち、次の世代を育成できる人材になりたいものですね
皆さん、御精読ありがとうございました![]()
[4]編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まずはコチラをご覧ください・・・
何に見えますか?

(こどもの落書きではないですよ・・・)
えー、以前特集取材で行った先のイベントがあったので参加してきました
![]()
イベントの内容は、東京コレクションなどでデザイナーを務める方の講演&ワークショップでした
歌詞のないメロディを聴き、自分の中で連想するストーリーを色やカタチに落とし込んでみよう
という、発想のお勉強です
上のほうは、グラフィックデザインなのですが、それ以外は手書きです(笑)デザインのもととなっているものは、なんとボールペンなのです
ボールペンをぐにゃりと曲げた映像をつくりだし、渦巻いて色をつけてみました
私がつくりあげたストーリーの中身はどうでも良いのですが・・・。(簡単にいうと、遠くに吸い込まれていく様子をストーリーを交えて描きました♪)取材の時に、ここで授業運営を担当されていた方が言われていた、「答えのないものをカタチにする」ということの実践でした
こういったことが、言葉やカタチで伝えたいものをあらわす発想(この方でいうと、ファッションデザイン)につながるそうなんです
講師の方からは、経験豊富なお話や苦悩など実感がこもったお話をきくことができましたよ~~~
みなさんも、部屋で音楽をききながらまっ白い紙にストーリーを描いてみてはいかかでしょうか![]()
このイベントに参加させて頂いたことで、取材時のお話がより濃厚になって響きました★
[5]BC朝の写真館
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、もこもこした
あたたかそうなダウンやコートを着てますね
いつもはN井さんによって上から撮られているドーナツたち
(笑)を、彼ら目線で撮ってみました
おいしそう・・・![]()
BCのお話は、クマサンのFUN物語でもありましたね![]()
今日もノートにびっしりメモメモ

(Y田さんのノートです
)
[6]次回の予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回は⑦.「その生活(四) 学課」 P.129-P.142です。
今後のBCの予定はコチラ です。
この寒い時期に、イギリスの落ち着いた雰囲気がぴったりな文献ですよね
文献を通して学生生活について考えることで、BCも盛り上げていきましょう
それでは次回もよろしくお願いします
※BCに参加されたい方は佐伯、富田、永井までいつでも連絡してきてくださいね






この日のGWはぁ~、↓