漢方とは、

中国発祥の東洋医学のうち、

日本の中で発展伝承してきた医学です。

 

大もととなった東洋医学はおよそ2000年前に基本的な理論が確立されたと言われています。

 

だけれど、

その成り立ちのうちには、

陰陽論があったり、

五行説があったり、

今日お話しする気血水があったりしてわかりにくいところも多いです。

 

2000年前の理論の確立に至るまで、

いろんなひとがいろんな学説を唱え、

色々寄せ集まってできた理論だと言えます。

 

だからアプローチの仕方がちょっとズレていたり、

それぞれ矛盾する部分がでてきたりします。

 

 

前置きがながくなりましたが、

今日は

 

 気・血・水

 

です。

 

 

前回、「次は五臓について」といったのですが、

気血水なしに五臓は語れないのでこちらを先に話します。

 

 

 

      

気血水は人の身体を構成する成分です。

 

気は陰陽の陽、

血と水は陰に分けられます。

 

陽である気は身体の生理機能をつかさどり、

陰である血と水は全身に栄養を巡らせる働きがあります。

 

気は目に見えませんが、

両手の手のひらをこすり合わせると温かくなりますね。

そして手のひらをほっぺたに近づけると温かさを感じます。

これは擦り合わせた手に気が集まって来てるのです。

 

血は赤い色の体液のことです。

ほぼ血液と言ってもいいと思います。

 

水は透明な体液です。

 

陰である血と水は自分のちからで身体を巡ることができず、

陽である気のちからを使って血と水を身体に巡らせます。

 

3人乗りのママチャリで、

お母さんが「気」

前後に乗せている子どもたちがそれぞれ「血」と「水」だと思ってください。

 

「病は気から」

 

という言葉は、

気持ち次第でどうにもなるという意味合いで使われますが、

 

「気」の働きが悪くなってしまうと、

「血」と「水」も動けなくなって身体の調子を崩すという意味なんだなと思っています。

 

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日本では気血水と言っていますが、

気・血・津液という記述も見ます。

 

中国では「水」は「津液」が汚れた段階のことを指すそうで、

エネルギーのベースの話をするのには津液が正しいと考える人もいるそうです。

 

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気のはたらき

気は人体の生命維持活動のもっとも基本となるものです。

では気はどうやって作られるのでしょうか?

 

ひとは生まれながらにして両親から受け継いだ

「先天の気」

というものを持っています。

 

それから生きてゆく中で自分で取り込む

「後天の気」

とで成り立っています。

 

後天の気は、

2つのもので構成されています。

 

1つ目は「天の気」、

「の」を取れば天気になりますが、

自然界の気のことです。

 

日の光や空気を、皮膚や呼吸を通して取り込んでいます。

 

2つ目は「地の気」、

つまり飲み物や食べ物から栄養を得ることで作られます。

飲食物から得られる栄養を「水穀の精微(すいこくのせいび)」といいます。

 

気は生命エネルギーでかつ生理機能です。

 

気の具体的な働きは次の5つになります。

 

1️⃣動かす働き(推動作用)

 血液の循環、新陳代謝をはじめあらゆる整理活動を担っているので、

このはたらきが悪くなると様々な症状を引き起こします。

 

2️⃣身体を温める働き(温煦作用)

 身体を温め体温を正常に保つはたらき。

 このはたらきが悪くなると冷えの症状となってあらわれる。

 

3️⃣外邪の侵入を防ぐ働き(防御作用)

 身体の体表面を守る。外部から不調を引き起こす原因の「邪」の侵入を防ぐはたらき。この作用が低下するとかぜをひきやすくなったり、肌が過敏になったりする症状となってあらわれる。

 

4️⃣変化させる働き(気化作用)

 血と水を生成するはたらき。水の代謝、そして汗や尿へ転化させるはたらき。

この作用が低下すると、むくみ・汗が出ない・尿が出ないなどの症状となってあらわれる。

 

5️⃣過剰な排泄・出血を抑え、内蔵の位置を保つ働き(固摂作用)

 血・汗・尿などの漏れを防ぎ、内蔵が下垂するのを防ぐはたらき。

この作用が低下すると各種の出血症状、多汗、頻尿、尿もれ、胃下垂、脱肛などの症状となってあらわれる。

 

これらの5つの働きはそれぞれが関連して作用していて、

全身のバランスを整えています。

 

バランスといえば、

 

この気血水の3要素それぞれが、

自分の身体にとって最適なバランスであればよいのですが、

多くの場合、

どれかが足りなかったり、

どれかが滞っていたり、

同時3つのうち複数が不足や滞りをおこしているということもよくあります。

 

気血水のバランㇲを整えること

 

まずは気ですが、

旧字体だと「氣」と書きます。

そう日本人はお米が大事。

単なる糖質だといって切り捨てちゃう人いますけれど、

「気」をつくる大切な「地の気」です。

 

量を少しにしても食べていただきたい。

それもよく噛むことで甘みが出るのでその甘味を摂ることも大事です。

砂糖じゃなくてね!

 

気が巡らない、滞ることを気滞といいますが、

ここが滞ってしまうと血も水も不調になるのです。

気を流すにはグラウンディング(土や木をさわったりする)もよし、

なにか楽しい!と思えることをするもよし、

運動をするもよし、

なにか一つにとらわれがちな人は(私のように(笑))心がけて見てください。

 

気血水全部書こうかと思ったけれど長くなったので血と水はまた次回ということで。

 

めちゃ暑くなりましたから、

体調を崩す人も出てくるでしょう。

 

冷たいもののとり過ぎにご注意、

健やかにお過ごしくださいね!