こんにちは、

漢方養生指導士のヤマシタです。

 

昨日は五臓の「肺」についての解説をしました

 

 

 

 

 

 

 

今日は

「肺」と相生関係、「脾」の相克関係にある「腎(じん)」について解説してゆきます。

 

 

相生関係については

こちらのブログで解説しています。

 

 

肺は腎のはたらきを助ける関係でありますが、

肺が弱っていると腎に不調が飛び火することもあります。

 

また脾の不調が腎のはたらきを抑制することもあります。

 

 

五臓と六腑を五行の「相生・相克」の力関係の図に当てはめると下の図のようになります。

 

この図はクラシエのHPからお借りしました。

 

 

では今日の本題

「肺」について説明してゆきます。

 

 

 

 

腎の主要な機能は、

精気(精)を貯蔵することです。

 

生命維持機能、生殖機能、泌尿器系の機能をコントロールしています。

 

精とは人体の生命活動の基礎物質で、

「先天の精」と「後天の精」があります。

 

先天の精は両親から受け継いだ、

例えるならば100年もつバッテリーみたいなものです。

人によってそれを大事に使っていたり不摂生で浪費したりします。

先天の精のはたらきによって人は成長発育します。

腎に蓄えられた精を腎精といいますが、

腎精が不足すると、

赤ちゃんが歩きだすのが遅かったり、

歯が生えるのが遅いということが起こります。

人より身体が小さいなどもこれによります。

後天の精は生まれたあとから脾胃で食べ物を消化し、

水穀の精微をつくって腎に蓄えます。

 

精気が後天の精で補われ、

ある一定の段階に達すると生殖機能の発育を促す物質が作られるようになります(天癸・てんき)

 

男子には精子が作られ、女子は月経が始まります。

 

精気はその後も充実してゆきますがある程度の年齢で衰え始め、天癸の生成も減少します。

 

腎精の不足は、

成長期以降では

 

初潮が遅い

不妊

精力減退

インポテンツ

閉経が早い

 

などとしてあらわれます。

また

 

歯が抜ける

白髪

聴力の低下

尿失禁

足腰の衰え

などの老化現象があらわれます。

 

 

脾の健康不良や飲食の不摂生は100年持つはずのバッテリーを浪費して、

なおかつ充電がうまくゆかない状態をつくります。

精を作り出せないのと使いすぎでバッテリーの寿命は短くなります。

 

 

 

  腎は水をつかさどる

 

腎は身体の水液分布と退社をつかさどり、

脾、肺と協力して体内の正常な水液バランスを維持しています。

 

腎のはたらきによって不要な水分は尿として膀胱へゆき、

必要な水分は再利用するために全身に運ばれます。

 

腎気の不足は尿失禁あるいは尿が少ない、

尿に勢いがないなどの症状や、

体内で水液の停滞を起こし浮腫が出ます。

 

 

  腎は納気をつかさどる

 

呼吸は肺がつかさどっているものですが、

腎と呼吸は関係が深く、

肺の粛降作用で運び降ろした清気を引き込み呼吸を補佐するはたらきがあります。

 

腎気が弱くなるとこのはたらきが機能せず

 

息切れ

息が深く吸えない

呼吸障害

などの症状があらわれます。

 

 

  腎は骨をつかさどり、髄を生じ、脳に通じる

 

 

腎は髄を作り出します。

 

髄とは骨を満たしているもの、

腎の精気と水穀の精微から作られています。

腎のはたらきが正常であれば髄・脳・骨のはたらきも健全に保たれます。

 

髄は骨を養い骨は髄を貯蔵します。

脳は「髄の海」と言われ髄は脳に通じています。

 

腎精が充実しているときは骨格が壮健で力が満ち、

記憶力も良くなります。

 

腎精が不足すると

 

腰がだるい

骨がもろくなる

歯が抜けやすい

動作が鈍い

頭がぼんやりする

めまい

記憶力減退

 

などが起こります。

 

 

 

  腎は耳と二陰に開竅する

 

腎のはたらきが弱くなると、

耳が聞こえにくくなったり耳鳴りが起きたりします。

 

二陰とは前陰と後陰、

性器・大小便の排泄口を指します。

 

腎は二陰と通じ、

 

排尿

性交

出産

排便

 

に深く関わっています。

 

腎のはたらきが弱くなると

 

大小便の失禁

遺精(夢精など意図しない射精)

流産

 

などを引き起こします。

 

 

  華は髪にあらわれる

 

腎の健康状態は髪にあらわれます。

 

髪は血余(けつよ=血の余りということですね)とも呼ばれ、

精と血はお互い補い合う関係なので、

腎精が充実していれば髪の毛の量が多く、

ツヤ・ハリ・コシがあります。

 

反対に腎精が弱くなると、

 

白髪

抜け毛

細毛

 

となって

当然ツヤ・ハリ・コシもなくなります。

 

 

ふとん1ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん2ふとん3

 

漢方医学について、

なるべく専門用語は使わず、

使っても読んでわかっていただけるように書いている(つもり)です。

 

自分自身がわけわからなくてとっつきにくさを感じていたので。

 

このシリーズ週末にすこしずつしか書いて行けていませんが多少は伝わっているでしょうか?

 

現代の医学では出ている症状で

かかる「科」が違いますよね!

 

東洋医学では全体をみるので、

思いもよらぬ複数の症状が同じ一箇所の原因であったり、

そんなところが面白いと思っています。

 

目の充血と足がつることとかねニコニコ

 

 

さて、

五臓について一通り説明をしてきました。

 

次回また少し間が空いてしまいそうですが、

こんどは五臓とつながっている「六腑」についてお伝えしてゆく予定です。

 

その先は病気になる原因について、

 

そして私がこのブログでお伝えしたいことの

「感情」が身体の五臓や六腑と紐づいていることについてつなげてゆこうと思っています。